板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  お知らせ  > おりおば第14号「TV通販」

おりおば第14号「TV通販」

おばかさん・・・絶対金額を見て「なるほど安いなぁ!」と思う人。

おりこうさん・・・「絶対金額だけでは、安いか高いか評価できない。」と思う人。

テレビ通販番組って、観ていて楽しいですよね(笑)
僕も、いろいろ「人のそそのかし方」を勉強させていただいております。
しかし、絶対金額では、その商品が、高いのか安いのかは、当たり前ですが、判断できません。
まずは、自分自身にとっての機会損失を考慮すべきです。
「その金で、他の何が買えるかな?」っとね。
もう一つの判断基準は、通販を実施している企業のビジネスモデルを考えてみることです。
たとえば、テレビ通販の場合、商品仕入れ以外の最大のコストは、「電波料=番組スポンサー料」です。
このコストは、当たり前ですが、商品に上乗せされています。
そのコストが、同じ商品のほかの手段での販売(たとえば、店舗)の場合と、高いか安いか比べてみることです。
それが安いか高いかの見分け方です。

彼ら「TV通販」のビジネスモデルの場合、
広告宣伝費(=番組へのスポンサー料)は、
商品の売れ行き(=売上高)に対して、固定費です。
つまり、いくら売れようが、売れなかろうが、広告宣伝費という経費は変わらないと言うことです。
よって、彼らは、「大量にはける商品」を、自然と選ぶわけです。
なぜなら、「大量に売ることが出来る」と言うことは、彼らの売上高利益率を向上させるからです。
だから、通販会社のブランド価値は、相当に高いと言うことになります。
ちなみに、ブランド価値は、企業買収でもしない限り、会計上は一切現れません。