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KISS 第30号「地下鉄サリン事件」

まず最初に、KISS第27号「企業は誰のもの?」を再読ください。
これが最も重要なテーマです。

それにしても、ホリエモン騒動に関するTV番組は、誰も本質的なことを言っていないのですよ。

あのね、M&A手法の用語解説なんて、それこそ一般の人には意味無いんですよ。
資本の「調達」と「運用」であるとかの基礎のほうが、実は、一般の方に意味があるんです。
「サッカーとは、そもそも何なのか?」を知らない人に向かって、
「オフサイドルール」や、「ボレーシュート」や、「ヘディング」の説明しても意味無いでしょ!
TVのプロデューサー、頼むよ。
気がついてくれよ。
基礎が無いところで、何を押し込んでも、何も得られないんだよ。

以下、エッセイです。

その昔、「世の中を変えるんだ!」とか、
「幸せになれるんだ!的なイイワケで、実は、単なる自己実現と金儲けのために、「サリン」を製造し、地下鉄でばら撒き、多くの人を傷つけた集団が居ました。
彼らの代表者は、TVのインタビューで、「都合の悪い質問」を受けると、いきなり憤慨し、「もう、(インタビューを)止めますよ。それでいいですか!」などと言い出していたのを思い出します。
代表者のやり方は、その側近や信者の「経済的、精神的犠牲」の上に成り立つ独裁でした。
代表者以外の者すべては、代表者の手足に過ぎなかったようです。

活動途中で「いちぬーけた」なんて、メンバーが辞めると、その組織に殺されてしまうので、皆怖くて、止められませんでした。
幸い、最近の事件では、「いちぬーけた」をやっても、殺されはしないと思います。(たぶん)。

ネットの世界では、以上のことは、既に多くの方が、指摘しています。
なぜなら、マスメディアでは、言いにくいことですからね。
僕だって、テレビ番組の中では、言いにくいですよ。
だから、理論に自信のある僕は、理論を使い、間接的にそれを伝えています。

理論が難しいと逃げずに、まずは、KISS(=このWEBのメインコンテンツ)のバックナンバーを読んでみてください。
それでも、難しいと思うなら、
「ある人を応援する方々」と、
「ある人を否定する方々」と、
「ある人を否定も肯定もせず、客観的な意見を述べる方々」と、
それぞれの、人間としての価値について、感覚的に考えてみてください。
ある一定の、傾向に気がつくと思います。

「人の発言は、常に、発言者の都合を背負っている」By Yuichiro ITAKURA

外資投資銀行の方々が、ニッポン放送の経営者を批判する理由わかりますか?
彼らが、ニッポン放送の経営を批判しても、だからと言ってライブドアを賞賛していないことに気がつきませんか?
彼らの収益構造を見れば、これらはすんなり理解できるはずです。

今の日本には、たくさんの問題があります。
それを変えるというのは、大切なことです。
しかし、そのやり方は、慎重に選ぶ必要があります。
堀江君のやり方は、多くの人をミスリードしてしまうでしょう。
だからと言って、僕はフジサンケイグループのやり方が正しいなどと言っているのではありませんからね。
世の中、「VS」で考えようとすると、本質にたどり着かないのです。

2005年3月16日 板倉雄一郎 

PS:
村上さんは、さすが、ゲーム理論オタクですね(笑)
3%程度で、「鍵」を握れることなど、ゲーム理論ですぐさまわかりますからね。
まあ、それでも、15%ほどを既に利益確定しているあたり、
「彼は、彼の業務(ファンド運営)に忠実」という点で、評価できます。
しかし、今彼が持っている「鍵」は、社会のために使って欲しいものです。
もう、十分に利益だしたでしょ?
しかし、彼が投資家だとしたら、投機家って、一体誰のことを指すのでしょうか?(笑)
「企業は、株主のものだ!」と言う発言は、「商法上」正しいです。
しかし、実態は、全然違うんですよ。
「この車は、俺のもモノだ!」って、いくら言ったところで、
道路や修理工場やガソリンスタンドが無ければ意味無いでしょ。
株主には、議決権や配当やキャピタルゲインを得る権利があるだけですよ。
それだけで十分じゃないですか。
KISS第27号「企業は、誰のもの?」を読んで頂きたいですねぇ。
(まあ、今日と明日の株価の「差」にしか、興味の無い投機家ばかりですけどね)





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