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KISS 第27号「サンデープロジェクトとサンデースクランブル」

***臨時アップデートのアップデートです。***
やっぱり、最も重要な、ライブドアの「資本コスト」や、その「資本調達方法」、さらに、仮に買収が成功した場合の「シナジー」に関する部分の僕の発言は、省略されてしまいました。
でもまぁ、時間尺の制限があるわけですし、いきなりお茶の間の方々に、
「企業とは、その資産運用側より、資本調達側の方に、勝敗の原因が潜んでいる」とか、
「よって、急ぐことによる資本調達コストの上昇は、企業価値を破壊する」
なっぁ?んて話は、難しすぎますよね。

それに、投資銀行の方のご意見は、明らかに「ポジショントーク」ですよね(笑)
だって、ライブドアのような企業は、投資銀行にとって、「上得意様」ですからね。
改めて、
「発言(=表現)には、常に、その発言をする方の都合を背負っている。」
と言うことを、認識いたしました。

とはいえ、僕ごときを、公共の電波に乗せていただき、ありがとうございました。
結局、僕も、堀江君も、「マスメディア」の恩恵を受けているのです。
これからも、そのジャーナリズム、コンテンツ製作力を向上していただくことを切望します。
***以上、臨時アップデートの、アップデートでした。***


***臨時アップデートです***
今、サンデープロジェクトを見ています。
民主党の岡田代表は、駄目です。
「ルールの中でやったことだからOK」などと言う、お馬鹿を発言しています。
確かに、ライフドアの手法は、違法ではありません。
しかし、「法の精神」であるところの、
「経営権に大きな影響のある、三分の一以上の株式を取得するような証券取引の場合、その情報を広く一般株主に周知した上で実施すべき」
という、TOB(Take Over Bit=株式公開買い付け)の根本原理に照らし合わせれば、ライブドアの時間外取引は、明らかに法の精神に反した行為です。
それ以前に、ライブドアの資本調達手法(MSCB)は、明らかに既存株主の犠牲の上に成り立っています。
岡田代表は、資本主義について、全然わかっていません。
この問題は、ライブドアの手法が適法であるかどうかより、法の整備が遅れたという
「あなたたち立法府の問題なのです!」

さらに、話し変わりますが、「国に支払う保険料」も、「年金の積み立ても」、「消費税も」、「所得税も」、「国債も」、すべては「国民負担」という根本的には全く同じ性質のものです。
税収が減れば、政府は国債を発行します。
どちらも、国民負担です。
(企業に例えれば、「ストックオプション」も、「実体経済価値より高い株価での自社株買いも」、「MSCBのような実質有利発行も」、すべては、既存株主の損失であることと同じです。)
彼は、本当に、経済について全然わかっていません。
呆れます。
僕は、民主党を応援していました。
もう、応援する政党がありません。
岡田代表が、代表で居る限りは。
経済がわからない政治家は、この先、政治家として、全く勤まりません。
(まあ、酔っ払って、通行人の女性をとっつ捕まえて、オッパイを、もみもみしちゃうより、マシですけどね(爆)・・・って、政治家って、あらゆるレベルが低いってことですよ。)

それにしても、ニッポン放送による、フジテレビを割当先にした新株予約権は、明らかにまずいです。
よって、今回の司法判断はリーズナブルだと思います。
これをもって、堀江有利と言う意見は、馬鹿馬鹿しすぎますが。

今「サンデープロジェクト」で議論されていることは、サッカーに例えれば、・・・
にわかサッカーファンに向けた、「オフサイドルール」と「リーグ戦の勝敗」という話に過ぎません。

いずれにしても、M&Aの成否は、「手段の成否」であって、企業としての目的は、仮にM&Aが成功できたとしても、その後の価値創造が行えるのか否かという点なのです。
この点の議論は、僕が「サンデースクランブル」(テレビ朝日、本日昼12時?)にて、発言の予定です。
(残念ながら、この番組は、関東地区だけの放映となります。)

敵対的買収は、買収企業においても、被買収企業においても、両社とも消耗するだけで、全く経済的メリットの無い行為なのです。
既に欧米では、ほとんど行われていません。
さっさと、両社話し合いをして、手打ちをすることが、リーズナブルなのです。

***以上、臨時アップデート終わり***

昨日は、久しぶりに「六本木ヒルズ」に行ってまいりました。
思えば、この1年で、20回ほどは、あの「デススター」のようなビルに、行ったと思います。
なにせ、あのビルのテナント企業は、僕の友人が経営する企業ばかりですからね。
(カタチだけなら、フジテレビの「変な球体」の方が「デススター」に似ているかもしれませんが(笑)・・・ところで、「デススター」と言って、何のことだかさっぱりわかりませんって人結構多くなってきたのかなぁ?)
季節感させ人工的なあの場所、僕は、どうしても好きになれません。

テレビ朝日の新社屋で、「サンデースクランブル」の収録を終え、その後、グランドハイヤットホテルにて、雑誌「AERA」の取材をこなしてきました。
(その後、ちゃっかり恵比寿で、「お食事会」してきましたけどね(笑))

メディアの収録は、基本的にお断りしております。
その理由は、映像であれ文章であれ、「その編集の仕方次第で、内容をどうにでもいじれる」と言うところが、僕は気に入らないのです。
今回の取材も、担当ディレクターに、散々、編集上の条件をつけた上での収録でした。
果たして、その意思は伝わっているのでしょうか?
本日の「サンデースクランブル」を観て、もし、僕の主張が曲げられるような編集がされていたら、僕は今後一切の「編集を伴う取材」には、応じないでしょう。

ところで、TVパワー(?)で、新規の訪問者がいらっしゃることを想定して、以下にこのWEBの紹介をさせていただきます。

このWEBは、基本的に、
「企業価値評価手法=エンタープライズ・ディスカウント・キャッシュフロー法」の理論に基づき、普段の生活から、お金の本質、企業経営、投資手法、マクロ経済、そして時事ニュースまで、幅広く「僕の勝手な言いたい放題!」を綴ったエッセイ集です。
ほぼ、毎日アップデートしております。

KISS(Keep It Simple , Stupid=物事単純化して考えよう)
このコンテンツは、時事ニュースや、僕の普段の思考などを、ほぼ毎日エッセイとして書いているものです。

SMU(Start Me Up)
この連載は、既に終了していますが、企業価値創造メカニズムと、お金の仕組みについて、その基礎を書いてきたエッセイです。

「おりおば(おりこうさん と おばかさん の経済学)
誰が読んでもわかる、お金と経済の基本について書いています。

「イタクラスタイル」
まあ、これはどうでもいいです。
ただ、自分が他人を批評する以上、自分が何者であるかを、その「道具」という側面から記述したエッセイです。

以上のエッセイについては、右フレームにある、それぞれのリンクボタンを押していただければ、同じく右フレームにその一覧が表示されます。

以上のエッセイカテゴリーから、僕自身のお勧めを以下に羅列します・・・・

SMU第177号「安く仕入れて(調達して)、高く売る(運用する)」
これは、資本の調達と、その運用という、ビジネスの根底的な仕組みをわかりやすく書いたエッセイです。

KISS第19号「パートナーシップ」
この号は、「企業とは何か?」について書いています。
昨今のテーマには、ぴったりの内容のはずです。

KISS第26号「日本人が今考えなければならないこと」
フィナンシャルリテラシー(お金の教養)の極めて低い日本人が生み出してしまった、日本の危機について、書いています。

KISS第13号「ネットとは?」
インターネットとは何か? について、社会的影響について僕なりの考えを述べています。

KISS第18号「いんたらくてぃぶぅ?」
テレビとネットの融合が、誰かさんの言うほど企業価値増大になるのでしょうか?
これをテーマに、僕なりの意見を書いています。

KISS第17号「騒動総括の再掲載」
いわゆる「ホリエモン騒動」に関する、僕の各方面への意見を述べています。

KISS第6号「経営者不在のメディア企業」
これは、読んで字のごとく、民放テレビ局に対する批判です。
特に、「視聴率」に関する部分は、必読です。

KISS第5号「シナジー効果」
ちょっと難しいですが、A社がB社を買収したときに、本当に新たな価値が生まれるのか?
について書いています。

KISS第1号「急がば回れ」
事業展開を急ぐことは、当該企業の資本コストを上昇させ、結果として企業価値破壊が起こってしまうことを説明しています。
このエッセイ非常に重要です。

ちょいと上級編になりますが・・・・

SMU第178号「オンライン証券会社の増収は、株価の下げ圧力」
これは、企業の資本コストと投資家の期待収益率について書いています。
短期の利ざや狙いの「投機家」が増えることは、企業の資本コストを上昇させ、結果的に企業価値破壊につながると言う資本市場の根底的仕組みについて書いています。

SMU第179号「ゴールドラッシュに例えて」
これは、SMU第178号を、わかりやすく解説したエッセイです。

KISS第4号「株価と資本政策(ライブドア)」
これは、企業を評価するうえで、資本の運用より、その調達を見ることが大切であると言うことを、ライブドアのケースを用いて説明しています。

さらに超・上級編として・・・

KISS第20号「CAPMを笑う」
これは、株主資本コストを割り出すためのCAPMが、いかにインチキであるかを解説しています。
いずれ論文を発表予定です。

SMU第168号「β(べーた)」
株主資本コストを、価格変動リスクから割り出そうという「馬鹿馬鹿しい数値」としての「β」について書いています。

以上、他にもたくさん読んで頂きたいエッセイがあります。
もしお時間があれば、ご一読ください。

よろしくお願いいたします。

2005年3月13日 板倉雄一郎 (休日バージョン)

PS:今回のホリエモン騒動で、一番儲かるのは、誰だと思いますか?
リーマンブラザース証券、だとか、村上ファンド、だとかは、確かに儲けましたが・・・
「メディアの儲けに比べれば、たいしたことありません(笑)」





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