板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  Keep it simple,stupid  > KISS 第7号 「お休み&MSCB頭の体操」

KISS 第7号 「お休み&MSCB頭の体操」

雨が降っております。
だからというわけではありませんが、本日のKISSはお休みです。

よろしければ、バックナンバーをお楽しみください。
ちなみに、「おりおば=おりこうさんとおばかさんの経済学」も、「KISS」の連載の陰に隠れて(?)ほぼ毎日、アップデートしておりますので、「暇つぶし」にどうぞ。

また、気が変わって(というか、書くべきことを思いついて)、本日中にアップするかもしれません。
お時間のあるときに、覗いてみてください。

ということで、何も無いのでは、せっかく訪問いただいた読者の方に申し訳ないので、今回は、話題のMSCBに関する、「頭の体操問題」を出してみますね。
もし、全部回答できたら、「読者の声」投稿から、投稿してみてください。
ちゃんと返事いたします。

以下問題です・・・・

MSCB(Moving Strike Convertible Bond)そのものについては、わざわざ解説しません。
様々なブログで解説記事があるようですが、そんなもの、野村證券の金融用語辞書WEBを見れば書いてあることですから、そちらを参照ください。

まず、MSCBを、社債部分と引換券(転換部分)部分に分けます。
その上で、
社債部分の表面利率(=発行企業にとっての支払利息)について、
「0」、「プラス金利」、「マイナス金利」に分け、
且つ、引換券部分の株式への転換率について、
市場株価の「100%」、「100%より大きい」、「100%より小さい」に分けます。
よって、すべての組み合わせは、3*3=9通りということになります。
その9通りについて、
考察1=それはすなわちどういうことなのか。
考察2=現実的に「ありえるのか、ありえないのか」(つまり、買う人が居るのか居ないのか)
考察3=既存株主に与える影響は、どのようになるのか。
について、それぞれ検証してみましょう。
(もちろん、そのMSCBを発行する場合は、社債部分と引換券部分を分けないで発行とします。)

TYPE A
(プラス金利、転換価格>100%)
TYPE B
(プラス金利、転換価格=100%)
TYPE C
(プラス金利、転換価格<100%)
TYPE D
(ゼロ金利、転換価格>100%)
TYPE E
(ゼロ金利、転換価格=100%)
TYPE F
(ゼロ金利、転換価格<100%)
TYPE G
(マイナス金利、転換価格>100%)
TYPE H
(マイナス金利、転換価格=100%
TYPE I
(マイナス金利、転換価格<100%)

中には、「んなの、買うやつ居るわけねぇ?だろ!」ってタイプもありますが、単に「マイナス金利だから」という理由で、それを「ありえない」と片付けてはいけません。
また、上記の市場株価に対する転換価格のディスカウント率(あるいはプレミアム率)は、「有利発行」に当たらない10%以下とします。

それでは、頭の体操を是非。

2005年2月16日 板倉雄一郎 





エッセイカテゴリ

Keep it simple,stupidインデックス