なぜ、僕は、「日本人のフィナンシャルリテラシー」を高めたいのか?
について、結構悩んでみた。
で、悩んだ挙句、結論が出てきたので、書いてみたいと思います。
まあ、週末だからOKでしょ?
元々、経済は、物々交換から始まったことは、周知の事実です。
物々交換では、効率が悪いので、
「通貨」が、「一時的な実体経済価値との引換券」として、普及しました。
この段階では、実体価値と通貨は、ほぼ等価の状態を保っていました。
つまり、通貨は、実体経済価値に担保されていたということです。
しかし、「効率」ばかりを追求した結果、
「通貨そのもの」を取引することが、
最も効率が良いことに気がつく人たちが現れます。
通貨そのものだけを扱う方が、
荷物の移動や、モノの設計や製作、
情報の作成と流通や、販売の努力などの、
「お金だけを追求する場合において非効率なモノ」を、
そぎ取ることが出来るのですから、効率が良いに決まっています。
このことに気がついた一部の方々は、
自己完結的に通貨だけを追い求め、
通貨は、実体経済価値とかけ離れ始め、
通貨が一人歩きを始めてしまうのです。
これをマネーゲームといいます。
「マネーだけの成功」を繰り返し見せ付けられた大衆は、
単なる危険なマネーゲームと実態経済価値との乖離を忘れ、
大衆が汗水流して作り上げた虎の子資金は、マネーゲームへ流れてゆきます。
本来は、リスクの高い投資案件であるはずの投資でさえ、
あたかも、確実な投資先であるかのような集団錯覚を生んでしまいます。
これを一般的にバブルといいます。
いつか見た光景です。
実体経済価値とマネーの乖離が続くと言うことは、
長期では、マネーの価値が減衰すると言うことを意味します。
いつか、大衆が、それに気がついたとき、バブルは崩壊します。
マネーゲームに踊らされた大衆が、気がついたとき、
マネーは、紙切れになるのです。
「金だけいじくって」年に数千万、数億を稼ぐ人が居ます。
トヨタ自動車で、新型低エコロジーエンジンを開発し、年収数百万の人も居ます。
社会に対して提供した実体経済価値において、
前者の人は、後者の人より、10倍も、20倍も「えらい」のでしょうか?
本来、簡単単純なマネーの仕組みは、
それに最初に気がついた人たちが、一見わかりにくい言葉や数式を使うことによって、
「おまえたちには、難しいぞぉ!」と、
実体経済価値を社会に対して提供している人の目をくらまそうとしているのです。
実体経済価値を社会に提供している人々に、
「簡単な言葉」を使い、「マネーの根本原理」を伝えることが出来たなら、
本当に、実体経済価値を社会に提供している人の下に、
その価値提供に見合ったマネーが配分されるはずです。
その結果、マネーは、実体経済に担保された通貨という状態を維持できるでしょう。
国民のフィナンシャルリテラシーの向上は、
YENと実体経済価値の乖離に歯止めを掛けることが出来るはずです。
僕は、その一つの力になりたいのです。
小さな子供を抱えた一家が、定年後の老夫婦が、大量に路頭に迷うような事態を再び起こさせてはいけません。
価値を生み出すのは、金じゃない、人なのです。
2005年3月19日 板倉雄一郎