板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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KISS 第76号「気」

昨日のエッセイは、さぼってしまいました。すんまそん。
先週末の4日間、僕は、愛犬をほったらかし(とは言っても、両親が面倒を見てくれますが・・・なので、この歳になっても、一応実家住まいなのです)、3泊とも、別々のホテルにお世話になりました。
お台場はホテル日航東京(=定宿です)、名古屋は「クラブユーボード」主催セミナー後にマリオットアソシエ、そして当事務所主催「実践・企業価値評価シリーズ・合宿セミナー」のため、汐留はホテル・ヴィラフォンティーヌ。

自分で好き好んでやっていることですから、「人に何かを伝えること」それ自体は、何のストレスにもならず、むしろ生きている実感を、最も感じることの出来る行為です。
楽しくて仕方ありません。
が、その分、家に着いた日曜日深夜には、どぉ???っと、疲れが溢れ出すわけです。
高揚している間、脳みその指示に我慢して従っていた体が、「自宅」を意識した瞬間から、「もう限界、もういいでしょ!」って、溜まっていた文句を言い始めるのです。
ホテルでも、実家の中学生の頃から使っている部屋でも、シャワーを浴び、雨風凌げ、熟睡できるベッドがあることに違いはありません。
むしろホテルの方が、その設備とサービス(?実家では、両親がサービスをしてくれると言うことか)は、少なくとも僕の部屋より立派です。
人が感じる、「自宅」という概念は、一体何なのでしょうか?

住宅ローンで購入した家は、ファイナンス的には、債権者のものです。
(なのに、人は、「自宅」と捉えます。)
両親の建てた実家は、その所有権がいずれ自分に移転するとしても、今は、両親のものです。
(なのに、僕は、「自宅」と捉えます。)
賃貸住宅の部屋は、2年ほどの期間契約に過ぎません。
(なのに、人は、「自宅」と捉えます。)
ホテルの一室は、ホテルを所有する企業のものですが、宿泊中は、宿泊客のプライバシーは、概ね守られます。また、僕の場合、ホテル日航東京の宿泊回数は、自宅よりちょっと少ない程度に利用していますから、そこに居る時間が短いことによって、慣れていないということでもありません。
つまり、賃貸住宅の概念の一つがホテル利用です。
(なのに、僕は、「自宅ではない」と意識を持っています。)
それぞれに、経済的な所有権や、物理的な環境が異なります。
「自宅」と思うその根拠は、一体どこから生まれるのでしょうか?
物理的環境、所有権などは、「ここが自宅だ!」と思うために、さほど関係がなさそうです。
人間は、「ここが自宅だ!」と思える場所を、最低一箇所なければ、気が休まらないのでしょうか。

以上は、月曜日の仕事を一切サボってしまったイイワケ(になってないか)でした。

話し変わります・・・

「気」や「オーラ」、そして「霊」などの言葉を煩雑に使い出すと、「あいつなんだかおかしくないか?」などと思われてしまいますよね(笑)。
しかしこのところ、そんな言葉で表現される「エネルギー」の存在を、否定できないことばかりが起こります。

合宿セミナーの会場は、毎回、そのようなエネルギーに満たされています。
そのエネルギーを、なんとか言葉で表現すれば、参加者すべての「気」が、ポジティブ方向の束になって、教室の中を流れている・・・そんな感じです。
講義内容は、もちろん、ディスカウントキャッシュフロー法であり、企業の資金回転率やら、資本コストやら、将来業績予測やら、資本市場の価格形成の仕組みやら・・・つまりいわゆるファイナンスやバリュエーション、そして資本主義に関する「理論」です。
間違っても、宗教的な話など、誰もしていません。
なのに、そんな「気」が溢れています。
うまく表現できませんが、とにかく「その感じ」は、錯覚でも、思い込みでもないのです。
なぜなら、すべての参加者が、以上の僕の感覚を持っていることを、彼らのブログなどで確認できるからです。

さらに、僕の場合、人との出会いにおいても、この1年、「会いたい人」に、不思議なくらいタイミング良く出会うことが続いています。
当事務所のパートナーしかり、セミナーにお越しいただく受講生しかり、ゲストしかり、そしてプライベートで出会う人(=つまり女性ね)しかり、とにかく、「たまたま出遭った」のではなく、「めぐり逢った」と感じられることばかりなのです。

「気」が人を引き寄せ合う」のかもしれませんし、
それまでも、有益な出会いがあったのにも関わらず、それを「めぐり逢い」と気がつかなかっただけなのかもしれません。
しかし、ここ最近、そのような出会いに満ち溢れていることは、確かです。

人は、いつしか、本来持っている(現代科学では証明されていない)能力や、エネルギー、そしてコミュニケーション手段を、「頭のおかしな連中のたわごと」として、片付けてしまっているのではないでしょうか。
人間が、後天的に作り上げた「金」、「モノ」を追いかけるあまり、もっと貴重な能力や出会いを忘れてしまっているのではないでしょうか。

図らずしも、僕は、「金の仕組み」を教える過程で、その対極にありそうな、以上のような思いで一杯です。

「人」を利用しようとすれば、自分を利用しようとする人が集まってくる。
「人」に価値あることを提供しようとすれば、自分に価値あることを提供してくれる人が集まってくる。
「金」を追い求めなくなると、金が入ってくる。
経済は、人の心が動かすのです。

さて、今回の合宿セミナーに、フルカリキュラムでゲスト参加いただいた「財務モデル研究会」の石野さんによる、僕の「語録」を、彼の断りも無く、掲載します・・・
(ただし、石野さんは、知識や経験を豊富に持たれている方なので、僕の話の中のいわゆる基礎的なファイナンスの部分については、書かれていません。)

【板倉雄一郎語録】

1) 「期待収益率」は間違いえやすい言葉だ(株主の期待が高まってなぜ株価が下が
るのか?という話になってしまう)「リスク認識」とすべきだ。

2) 30百万円のキャピタルゲインはすごいか?これを判断するには、
(1)投下資本
(2)調達コスト
?TOPIX
を考慮する必要がある。

3) 価格と価値は違う。世の中、常に価格よりも価値があるものを手に入れてい
れば間違いない

4) 企業の価値は、立場によって違う。ここで学ぶのは、あくまでも投資家から
みた企業価値である

5) 債券や不動産は価値「創造」しない(再投資は自分で行う必要がある)

6) ROICを追求しすぎるとWACCもある程度引っ張られる

7) 経常利益という概念は、英語にはない。経常利益とは、営業利益から負債コ
ストを控除したもの。株主資本コストは無視した経常利益は、グローバルでは使われな
い。

8) 人間に能力の差はない。「思いの強さ」こそがその人の特徴である。

9) すべて、自分の言葉に置き換えて考え、理解する必要がある(例:LBOは住宅
ローン)

10) お金を使う時には、誰の懐にそのお金が入るかを考える必要がある。法律で
認められるているからといって、ラスベガスでギャンブルをやるのか?

11) お金というのは議決権である。自分の信じることを、仕事や消費や投資として実行する。その信念に賛同する人たちがたくさんいれば、自然とお金は集まる。

12) 稼ぐことと社会貢献を別に考えるのはナンセンス。今からでも社会貢献はできる。儲けたお金で、あとから寄付をすればよいのではない。そんなのは、荒稼ぎの言い訳にしかすぎない。

以上、セミナーに参加されていない方には、ちょっとわかりにくい部分もあるかと思いますが、石野さんの原文をそのまま掲載させていただきました。

世の中で起こっている事象を直接観察すれば、それは、全く別の事柄のように見えます。
たとえば、男女の駆け引きと、経営者と投資家の関係、
たとえば、経済学と哲学の関係、
一件、全く別の事象のように見えます。
しかし僕には、すべての事象が、たった一つの原因から生まれていると思えてなりません。
それをわかりやすく説明するために、「おりおば」の次は、「エロ小説」ではなく、
「ファイナンス理論で解説する恋愛」について、書いてみたいと思います。
やっと、「エロ小説問題」が解決いたしました(笑)
ありがとうございました。

2005年5月31日 板倉雄一郎

PS:
6月開催の合宿セミナーは、既に3分の2ほどの席が埋まっています。
ご興味のある方は、この機会にお早めに。





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