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KISS 第14号 「放課後の教室にて・・・」

放課後の教室にて・・・
目くそ君と、鼻くそ君が喧嘩を始めました。
鼻くそ君が、いきなり目くそ君のだらしない格好をいじめたのが発端です。

(目くそ)「なに眼つけてんだよぉ お前ぇ?」
(鼻くそ)「お前だらしねぇんだよ!(ボコッ)」
(目くそ)「あっ、痛ってぇ?、ぶったな!」
(鼻くそ)「ぶったんじゃねぇよ、叩いただけだよ!お前の構えがだらしねえから自業自得だ!」
(目くそ)「ふざけんな!このやろぉー」
(鼻くそ)「へへぇ~俺には、喧嘩の得意な外人がついているんだぞぉ!」
(目くそ)「くそぉ?、俺にだって、先輩がついているんだぞぉ!(ボコッ)」
(鼻くそ)「(パシッ)、お前こそぉ!」
(目くそ)「(ボコッ)、このやろぉ?!」
・・・
同級生に囲まれながら喧嘩を始めた、目くそ君と鼻くそ君。
すると、形成が不利になった鼻くそ君が、
(鼻くそ)「お前、そんなずるいやり方するなら先生呼んでくるからなぁ!」
(友人たちの心の中)「って、先に不意を突いて殴っといてお前が呼ぶか普通・・・・・・」
(目くそ)「ああ、呼んで来いよ!いきなり殴ったお前が悪いんだ!」

先生によって仲介されている間、鼻くそ君は、ずうっと言いたくても言えないことがありました。
(鼻くその心の中)「くそぉ?、あの(萩本欽一と石坂浩二を足して二で割ったような顔の)ガリ勉野郎に、そそのかされたんだぁ~、くやしぃ?!でもそれだけは言えない。」

この喧嘩のとばっちりを受けたのは、他でもなく、目くそ君と鼻くそ君を信頼していたお友達連中だったとさ。

とまあ、こんな感じですよね(笑)
(僕は、さしあたり、「耳くそ」ってところでしょうか)

巷では、先生(司法)にその判断が委ねられたことによって、司法の裁量に興味が集まるのでしょう。
これは、一見、日本の株主資本主義の根底に関わる非常に重要なケースに思われます。
フジテレビのポインズピルのような戦術が認められれば、
アホな経営者が放置されるという問題になり、
つまりガバナンスが働かないということになります。
一方、ライブドアのこれまでのインチキ資金調達と、適法だが法の精神無視した買収方法を認めるわけにもいきませんし、
電波を外国人が実質支配できるという問題も起こってしまいます。
(この電波の問題は、政治の問題です。)

ですが、我々「賢明な投資家」にとっては、大した問題ではないと思うのです。
(ここは、注意して読んでくださいね。
「判決なんてどうでもよい」と書いているわけではありませんからね。)
なぜなら、「賢明な投資家」は、「目くそ」にも、「鼻くそ」にも、はじめから関わらなければよいからです。
どんなにルールが整備されたとしても、常に抜け穴があるものなのです。
またルールが複雑になれば、
それだけで「株主資本主義は難しい」などの、
社会として大きな損失になってしまいます。
(サッカーの「オフサイドルール」が、未だにわからない人が多いのに似ています。)
よって、
買収されることへの防御にしても、
買収する際の資金調達や取引方法のお行儀についても、
既存株主の便益を最大化するという「経営者の資質」に常に依存するというわけです。

何度もしつこいようですが、株式投資とは・・・
「事業と、その経営者をセットで買う」と言うことです。
賢明な投資家は、最初から、ライブドアや、フジテレビのような、
株主を軽視した経営者の経営する企業に投資しないのです。
(ニッポン放送には、投資していたかもしれませんが、賢ければ、「火中の栗」になる前に、
「ホナサイナラ」ってことで済むわけです。)

どのようなゲームにも、ルールは必要です。
そして同時に審判も重要です。
ですが、そもそも審判の判断に、自分の資産運用を任せる羽目になること自体、投資家としては経営者選びの時点で失敗なのです。
その意味では、有価証券報告書虚偽記載のあった「西武鉄道=コクド」方が、はるかにヤバイ問題です。
我々は、企業発表の情報を信頼して投資するわけですからね。

つまり、自分の資産の防衛のためには、社会経済の仕組みを知り、企業を見抜く目を養うことが必要というわけです。

では、どうすれば、企業を見抜く目を養うことが出来るのか・・・
それは、当事務所主催のセミナーを受講すればよいのです(笑・・・でも本当だよ。)
(3月の開催日が決定し、同時に受付を開始しました。)

これじゃなんだか、「幸運の印鑑」のセールスみたいですね・・・

もし、今日一日幸せになりたかったら、床屋に行きなさい。
きっと、さわやかな気分で過ごせるでしょう。
でも、一晩寝たら、効果は消えてしまいます。
もし、今週一週間幸せになりたかったら、新車を買いなさい。
きっと、一週間は、ドライブとか楽しいですよ。
でも、一週間たったら、ガス代とかの方が、気になることになりますけどね。
もし、一ヶ月幸せになりたかったら、引っ越しましょう。
きっと、一ヶ月ぐらいは、カーテン選びやら家具選び、それに友人を招いたりして、楽しいでしょう。
でも、一ヶ月たったら、高額の家賃やローンに後悔することになりますよ。
もし、一年幸せになりたかったら、結婚しましょう。
きっと、一年ぐらいは、ラブラブで、幸せでしょう。
(僕の場合は、一年続きませんでしたが(自爆))
でも、
「結婚は、判断力の欠如、
離婚は、忍耐力の欠如、
再婚は、記憶力の欠如」と言う言葉を思い知ることになるでしょう。
そしてもし、一生幸せで過ごしたいのなら・・・「この印鑑を買いなさい」ってね(笑)

あのー、当事務所のセミナーは、「幸運の印鑑」のようなインチキではないですからね。
(って、わざわざ断るのも、なんだかへんだなぁ?)

板倉雄一郎 2005年2月25日(分の早アップ)

PS:
今回の騒動は、長期的に見れば、この国の株主資本主義を育てる結果になると思うのです。
M&A、CB、資金調達、敵対的買収、ポインズピル、ホワイトナイトから、ゴールデンパラシュートに至るまで、一般大衆の(少なくとも)耳に入るわけですからね。
まあ、資本コストやら、買収によるシナジーとかになると、ちょいと難しいですけどね。
国民全体のフィナンシャルリテラシー向上のためには、絶好のチャンスと考えるべきでは。
PS^2:
村上ファンドは、本日(2月24日)の時点で、ニッポン放送株の18%も持っているのかなぁ?
既に、大きなポーションを利益確定していると思うんだけどなぁ。





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