板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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KISS 第44号「テレビのパワー」

***臨時アップデート***

先ほど、渋谷系ベンチャー上場企業社長より、クレームを頂きました。
「KISSのバックナンバーへの行き方が良くわからない」と。
なので、ご案内します。
KISSのバックナンバーへは、右フレームの「ほぼ毎日エッセイ」というリンクボタンを押していただければ、右フレームの下に、KISSのバックナンバーが表示されます。
よろしくです。

***以上、臨時アップデートでした。***

僕が出演したテレビ番組を観て、このWEBにお越しいただいた方々から、たくさんのメールをいただいております。
この場を借りて、お礼を申し上げます。
「ありがとうございます。」
そして、当WEBの「アクセス履歴」の数字に、びっくり。
テレビってすごいです(笑・今更ですが)

頂いたメールを読んだ感想を、一言にまとめると・・・
「僕は、皆さんが思うほど、できた人間ではありません。」
本人の実態以上に評価が高いということは、企業に置き換えれば、
「当該企業の実体経済価値以上の株価が形成されている」ということです。
いわゆるバブルです。
バブルはいつか崩壊します。
バブルが崩壊すれば、当該企業も、その利害関係者も多くの損失をこうむります。
僕は、実態と「ほぼ同程度」に評価されることが、僕が、社会に対する価値提供を、継続できる条件だと考えます。
企業価値を継続的に上昇させ続けている「賢明な経営者」は、市場が過熱しているとき、良くこんな台詞を使います。
「当社の株価は、不当に安く見積もられてはいない。」と。
賢明な経営者は、自社の株価が、実体経済価値と大きく乖離することを嫌います。
実体経済価値より、相当に高い株価は、「資本コストの上昇」を招き、
実体経済価値より、相当に低い株価は、「敵対的買収」を招きます。
物事、「ほどほど」が合理的だというわけです。
実体経済価値より、相当に高い株価を利用した買収など、続くはずもありません。

話し変わります・・・

訪問していただける方が多くなるにつれ、こんな「自分勝手」な僕でさえ、
「当たり障りのないことを書いておこう」などと、逃げたくもなります。
しかし、自分が活動するその精神に照らし合わせると、
「数を追ったところで、何の意味があるのか?」と思い直します。
「いい子ぶったところで、何の価値提供が出来るのか?」と思います。
僕と僕の事務所の精神は、
「日本人の経済的教養を高めることにより、社会に価値提供を行う」です。
この点を、忘れずに、自分の精神に照らし合わせ、
「間違っている」と感じたことは、「間違っている」と書きますし、
「すばらしい」と感じたことは、「すばらしい」と書きます。

この部分で、僕は田原総一朗氏を尊敬します。
おそらく彼は、世間から高く評価される一方で、相当に批判も受けているでしょう。
それでも、彼は、田原総一朗スタイルを続けています。
すばらしいと思います。
(しかし、上場企業の取締役は辞めたほうがよいと思います(笑)。
顧問でも彼のタレントを十分に発揮できると思います。
ちなみに僕は、ドリームインキュベータ社の株主の一人です。
詳しくは、昨日のエッセイKISS第43号をご参照ください。)
彼は、「他人の話を聞いていない(ように見える)人」です。
彼ほど、他人の話を聞いている人は珍しいですし、
彼ほど、他人に発言のチャンスを与えようとする人は、珍しいです。

言論における責任を認識できない人の言論、
経営における責任を認識できない人の経営、
を見抜く目を、多くの人が持つことが、
この国を豊かにすると信じています。

2005年4月4日 板倉雄一郎 (Japanese by Nature) 

PS:
このエッセイで僕はよく「日本人」という言葉を使います。
僕が言うところの日本人とは、国籍、遺伝子の系統、肌の色、所属する組織、住んでいる場所、主義主張に無関係に、「この国が好きで、愛している人」という意味で、この言葉を使っています。





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