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KISS 第15号「セミナーの効能」

まずは臨時アップデートです・・・・
本日(2005年2月26日)の日本経済新聞朝刊一面中央に、
「日産、米で初の公募債」という記事があります。
調達額は書いていますが、「利率」には、全く触れていません。
記事の価値は、この「利率」を書くか書かないかで大きく違います。
もうちょっと勉強しましょう、日経の記者さん。

話し変わります・・・
同紙11面の左下に「ライブドア、広告会社株を売却」という記事があります。
これを読めばだれでもわかることですが、ライブドアが保有する企業の株価は下がるよぉ?。
ライブドアは今、資金調達が最重要項目ですからね。

以上、臨時アップデートでした。
なお、騒動関係は、最後のPS部分に書いてあります。

週末ということで、今回は、セミナーの宣伝(?)を兼ねて、その効能を具体的にお知らせしますね。
具体的にとは、セミナー卒業生の生の声を、彼らのブログから引用というわけです。
(もちろん、引用については、当事者の了解を得ています。
断りも無く、他人の文章を引用するインモラルな人の言葉を信用してはいけませんよ。
あくまで、法の話ではなく、モラルの話しです。)

効能ケース1「収益のベタ計算とDCF法の違い」

???以下、ハンドル「孔明」さんのブログより???

衝撃的な事実が発覚!!!

私は去年、株式投資から得た利益約650万円を
投資してコインパーキングのフランチャイズ権を
購入しました。
これにより毎月安定して現金が入ってくる事を
期待したわけです。
しかし先日のセミナーで学んだ価値計算をやってみましたら
衝撃的な事実が発覚しました。

現在、コインパーキングからは毎月4万?8万円の
営業利益が入ります。
(月によってバラツキがあります)

10年間機械が稼動すると仮定すると
期待収益がなんと8%以下となってしまいます。

去年、コインパーキングに投資した時(4月)の期待収益率は10%以上と
設定していましたので今から考えると投資すべきではなかったのです。
(ちなみに今の期待収益率は20%以上に設定しています。)

価値計算の基本の部分が間違っていたので、このような
失敗をしました。

過去の事はもう変えようがありません。
しかし失敗した原因は分かりましたので今後同じ失敗は
繰り返しません。

重要な事は基礎が大切だという事です。
根本的な価値計算の方法が間違っていると、
他の数字をいくら細かく分析しても
間違った答えしか返ってこないのです。

逆に基礎がしっかりしていると細かい数字は
適当に計算してもだいたい正しい答えが返って
くるという事です。

???以上、孔明さんのブログからでした???

以上は、最も基本的な利回り計算の間違いが原因となった失敗例です。
不動産などの賃貸収入や、保険商品の利回り計算には、その収入が長期に渡るわけですから、ベタ計算はまずいです。
今日の100万円と、1年後の100万円の価値比較をすれば、当然今日の100万円の価値のほうが大きいわけです。当たり前のコンコンチキです。
ところが、利回りの計算をする際、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法を知らないと、ベタ計算をしてしまって、誤った利回りを得てしまうと言うわけです。
セミナー1コマ目で、すぐに解決というわけです。

効能ケース2「収益計算ベタ計算とDCF法の違い・・・No.2」

???以下、「株投資日記」を書かれている卒業生の方のブログより???

国民年金基金の利回り (2)

私、個人事業主をやっていまして、節税対策を兼ねて2年程前に国民年金基金に加入しました。
その時、資料請求した際の勧誘文句は「80歳で掛け金の約1.6倍になるよ。」
とだけ書いてあり、利回りが何%かは書いてありませんでした。
で、今回のセミナーを受け、早速、Excelを使って利回りを調べてみたところ、
税抜きの利回りで2.11%でした。
実際は、所得控除の優遇や年金受給時の税金がかかるので、これらを考慮すると
2.66%となりました。
国が運用するものなんてこんなもんですかね。

???以上は、「株投資日記」を書かれている方のブログより???

以上も、ケース1と同じく、DCFを無視した「広告宣伝」を鵜呑みにした結果ですね。
確かに、1.6倍にはなるのでしょう。
ただし、今のお金と、何十年も先のお金を、同一の価値と考えた場合です。
彼は、セミナー受講後、DCFによって計算し、正確な利回りを算出できたというわけです。
国民年金基金の利回りには、呆れてしまいますが、多くの加入者は、利回りの意味すら知らないのでしょう。
「おりおば」でも、書いていますが、「ボーナス付保険」とは、概ね、そのボーナス部分の実質利回りは、小さいですからね。

長くなってしまうので、以下は、僕がセミナー卒業生からヒアリングした結果を僕の文章でまとめたものです・・・・

ケース3「利益確定の判断」

「買った株が値上がりするのは良いのですが、
一体いくらで利益確定してよいかわからなかったんです。
でも、セミナー後は、理論株価を算出できるようになったので、
利益確定が出来るようになりました。」

これとても大切ですよね。
成長期待企業で、利益確定は考えていないという場合は、(価値評価に間違いが無ければ)バフェットのようにずうっと保有すればOKですが、そうでない場合、利益確定水準を理論的およびテクニカルに判断できないと、儲け損ねてしまいますからね。

ケース4「価値創造と価値破壊」

「増収増益は、それだけでいい企業と思っていました。でも、増収増益でも価値破壊を起こしている場合があることがわかりました。」

これがわかるようになるのが、このセミナーの一つの大きな効能です。
つまり、投下資本利益率と資本コストの関係です。
これに関しては・・・
KISS第1号「急がば回れ」や、
SMU第177号「安く仕入れて(調達して)、高く売る(運用する)」
の再読をお勧めします。
つまり、投下資本利益率がマイナスで無い限り(=つまり会計上の利益がプラスである限り)、増収増益にはなります。
しかし、投下資本利益率より大きな資本コストを企業が負担している場合、その差(投下資本利益率?資本コスト=スプレッド)がマイナスとなり、これに投下資本を掛けた分だけ、当該企業は、価値破壊を起こし、株価はどんどん下がると言うことになってしまうのです。

ケースは、こんなところで。
以下は、明らかにセミナーの宣伝ですが・・・

まずは、SMU第117号「セミナーでの例題」を参照いただき、エクセルを使って、解答してみてください。この問題の解を正確に得られない人は、一生のうちに、セミナー受講料に当たる189,000円どころではない、過大な損失があることを、ここで言及しておきます。
(ちなみに、この例題の解なんてのは、セミナー最初の1コマ目だけで、完全に理解できます。
では、2コマ目以降は・・・セミナーに来ていただければ、わかります。)

以上のケースの、どれか一つでも得ることができれば、(少なくとも僕の価値判断としては)セミナー受講料なんて、あっという間に回収できるはずです。
もちろん、2日間のセミナーでは、もっともっと、たくさんの(当たり前ですが、ここには書ききれない程の)効能があります。

昨年、レインズインターナショナルの西山会長とお食事会をしたときに、彼が面白いことを言っていました。
「客は、焼肉を食べた後『脂っこいね』と言うけれど、食べる前は、脂っこさを求めている」
(要点をまとめた内容で、彼の言葉の再現ではありません。)
つまり、使用前使用後では、そのモノへの評価が大きく異なるというわけです。
これは、焼肉に限らず、当事務所のセミナーでも同様です。
セミナー受講前は、いろいろ悩むのでしょう。
ところが、セミナー受講後は、「こんなに安いセミナーは他に無い!」との感想をいただけるのです。
僕は、この使用前使用後の変化が、楽しくてたまらないのです。
「ほらぁ?、だから、言ったでしょ!」ってね(笑)
(断っておきますが、当事務所のセミナーは「脂っこく」ないですからね(笑))

今後は、セミナー開始前に、ヒアリングした「投資したい企業」が、
セミナー後に、どうなるかが楽しみです。

皆さんも、是非。

あのぉ?、募集がうまく行かず、困っているわけでは全然ありません。
3月の募集は、募集開始から2日ですが、既に最低執行人数の10名を超えています。
ですが、もっともっと多くの方に、「本当の経済価値評価方法」を知ってもらいたいのです。
もちろん、セミナーを通じた収益を、もっともっと得たいという気持ちを否定しませんが。

板倉雄一郎 2005年2月26日(休日バージョン)

PS:
ライブドアによるニッポン放送株買収騒動に関する議論の中で、たびたび「企業価値」という言葉が飛び交っておりますが、その言葉を使う人のどれほどが、「企業価値は如何にして生まれるのか」について、理解しているのでしょうか?
話し変わりますが・・・
村上ファンドが、「ニッポン放送の新株予約権発行」を批判することがニュースになっていますが、彼の立場を考えれば、当たり前のコンコンチキであるからして、たいしたニュースではないですよね(笑)
なんでまた、こんなことが、トップニュースになるんですかねぇ。
村上ファンドが、現時点で、ニッポン放送株をどれほど保有しているかってのは、大変興味深いですけどね。
また話変わります・・・
今回の決着がどう転ぼうが、今回の件で、経済経営=資本主義について、マスメディアが、ちょっとだけでも賢くなれば、幸いです。
その意味では、ホリエモン効果は、絶大ですね(笑)
しつこいようですが、西武グループの事件の方が、遥かに重大なのですよ。
それにしても、「ニッポン放送の大量新株予約権のフジテレビへの第三者割り当て」については、「この部分だけ」取り出せば、完全にまずいですね。





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