板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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「板倉雄一郎事務所新体制について」

お知らせ
「板倉雄一郎事務所新体制について」


読者の皆様、大変お待たせいたしました。
本日より、通常通りのエッセイ執筆、セミナー活動を再開いたします。
(ただし今週は、日によってお休みするかもしません)
<当事務所新体制について>
この一ヶ月ほど、当事務所パートナーの異動がありました。
一つは、これまで当事務所の活動に尽力いただいたパートナー:橋口寛氏、パートナー:石野雄一氏のパートナー離脱です。
橋口寛氏は、「誰かの下で価値提供すること」から脱皮し、「自らがトップエンドで価値提供を行うこと」を、この1年ほどの間ずっと望んでいました。
彼にとっても、僕や当事務所にとっても、現在のパートナーシップを維持することが、個人の経済性においても、社会に対する価値提供の効率においても合理的である、ということは、彼も僕も認めるところではありますが、如何せん「トップエンドの経営者をやってみたい!」という好奇心を封印し続けることは、彼自身にとっても僕にとっても不可能であり、また、健康的ではない、と判断しました。
もちろん、いわゆる「喧嘩別れ」ではありませんし、「今後一切の関係を持たない」というわけでもありません。
ビジネス上のパートナーシップは解消することになりますが、今後も友人として、板倉雄一郎事務所発のコミュニティーの一員として、共に活動を続けることになります。
一方、石野雄一氏は、先日、ブーズアレン・アンド・ハミルトンへ再就職をしましたが、その業務多忙につき、当事務所の活動に十分な時間を割くことができない(=セミナーの日程決定などに支障をきたす事が多発)ため、当事務所のパートナーを離脱し、ブーズアレンの業務に集中するという判断に至りました。
以上のお二方のケースで、僕の判断基準において共通することは、
1、最も貴重な人生のリソースは時間である。
2、歳をとれば、やってしまったことより、やらなかったことを後悔する。
3、経験に基づいた知識に勝るものは無い。
などです。
カンタンに表現すれば、「悩んでいるならやってみようよ」といったところです。
以上のお二方の今後の活躍を楽しみにしています。
この場をかりて、当事務所におけるお二方のこれまでの価値提供にお礼を申し上げます。
「お楽しみさまでした! ありがとうございました。」
(これからも、あそぼーね(笑))
<新体制に基づくセミナーコンテンツについて>
これまで何度か、当事務所のセミナー活動のテーマを、「理論より実践」と表現してきました。
今後は、これまで以上に、「現実的且つ実践的」なセミナーコンテンツを実現させていきたいと思います。
上記のビジネススクールを経験したお二方のパートナー離脱が原因というわけではなく、お二方のパートナー離脱を「良いきっかけ」として、今後のセミナーコンテンツに反映させてゆこうというわけです。
たとえば、
株主資本コストを算出する一つの手法としてCAPM(=Capital Asset Pricing Model)なる理論があります。
この理論は、「理論としては完璧だが、前提が非現実的」です。
この理論は、「価値=価格」という「完全効率市場」を前提にしています。
完全効率市場とは、すべての市場参加者が・・・
1、同等の情報を入手できること、
2、得られた情報を分析する十分な知識を持っていること
3、取引を同等のコストで実現できること
などの「現実的にはありえないこと」だと、少なくとも僕は認識しています。
この理論の前提では、
「価値と価格は常にイコール」となり、
そうなれば、確かに、たとえば、
「自社株買いは、一株あたりの価値に変動を与えない」
となります。
しかし、現実には、市場参加者それぞれの「妥当な価格」は異なり、よって、ある観測者(=投資家)から観た妥当な価格以下(=割安の状態)での自社株買いは、既存株主の経済価値を増大させる一方で、自社株買いに応じ、同社の株式を手放す元株主が経済的損失を蒙るという「現実的な現象」をもたらすことを説明できなくなってしまいます。
セミナー価格と人生の時間を差し出してセミナーを受講される方々に、このような、僕の感じる「違和感」を可能な限り排除したセミナーコンテンツを提供するために、CAPMに限らず、「理論のための理論」や、「学位のための理論」を講義する時間を大幅に減らし、その分、現実的で実践的な「考え方」や「仕組み」をお伝えする時間を増やしたいと思います。
今後のセミナーコンテンツは、経営者や個人投資家、そして一般生活者といった、「現実的な経済活動を行っている方」に対して、「現実に応用可能な知識」をお伝えする方向に、これまで以上にシフトしようと思っています。
<「実践・企業価値評価シリーズ合宿セミナー」開催について>
以上の点を踏まえたマイナーチェンジ後、初の合宿セミナーは、
来る6月30日~7月1日を予定しています。
カリキュラムの詳細は現在作成中ですので、概要をお伝えすると・・・
<第1日目>
第1コマ「企業の仕組みとDCF法オーバービュー」
講師:板倉(これまで同様の内容)
第2コマ「企業価値創造メカニズムとファイナンス理論」
講師:板倉(これまで以上に現実的な内容に)
第3コマ「財務オペレーションと企業価値の相対的関係」
講師:板倉(新設コマ・・・配当、自己株取得、増減資、有利子負債の増減などの財務オペレーションと企業価値の増減の関係について)
第4コマ「企業法務に関する経営者と投資家の留意点」
講師:森(企業法務担当弁護士)
(以上で第1日目のカリキュラム終了~立食懇親会)
<第2日目>
オプショナルセミナー「企業財務基礎講座」
講師:大橋(これまで同様の内容)
第5コマ~第6コマ「個別企業過去業績および財務オペレーション分析~将来業績予測」
講師:高村(投資銀行勤務M&A担当)
過去業績分析から将来業績予測までを一人の講師が一貫して担当、且つ、過去の財務オペレーションの合理性などの分析を追加
第7コマ~第8コマ「有価証券報告書の読み解き方~同社の企業価値評価ワークショップ」
講師:吉原(公認会計士、上場企業CFO)
個別企業の有価証券報告書の読み解き方からワークショップまでを一人の講師が一貫して担当
第9コマ「ランナップ」
講師:板倉
すべてのカリキュラム終了後に、自由参加の打ち上げ。
(以上のカリキュラムは、都合により一部変更することがあります。)
マイナーチェンジとはいえ、以前に比べ、現実的且つ合理的なカリキュラムに仕上がると思います。
6月30日~7月1日の合宿セミナーのお申し込みについては、現在、セミナー案内ページと申し込みフォームを作成中ですので、もうしばらくお待ちください。
なお、セミナー受講者募集開始「リマインドメール」をご希望の方は、こちらから登録いただければ幸いです。
<関西支部の設立>
当事務所の地方展開第一弾「関西支部」が設立されました。
先日の「真っ当な株式投資関西オープンセミナー」を手始めに、今後、(需要さえあれば)合宿セミナーの大阪開催なども予定しています。
なお、関西支部長は、元ベンチャー起業家&合宿セミナー卒業生:渋谷卓司氏です。
どうぞよろしくお願いいたします。
<セミナー卒業生へのサービスの充実>
これまでのセミナー卒業生に対するサービスは、メーリングリストによる質疑応答をメイン行ってきましたが、このたび、卒業生およびプレミアムクラブ会員向けの専用サイトを充実させることになりました。
プレミアム会員向けサービスとして特筆すべきは、毎月ストリーミングでお届けする「アドバンスドセミナーコンテンツ」です。
初回の5月分は、合宿セミナーでお伝えする「エンタープライズ・ディスカウント・キャッシュフロー法」ではなく、金融機関のバリュエーションに不可欠な「イクイティー・ディスカウント・キャッシュフロー法」による、「みずほフィナンシャルグループ」の株主価値評価です。
今後、毎月、担当パートナーの「知識と経験を持つ事柄」によってテーマを決め、ストリーミングによって提供するサービスです。
初回の「デキ」は、かなりいいです。
乞うご期待!
(なお、専用ページの運用は、5月25日を予定していますので、卒業生の方々、プレミアムクラブ会員の方々、もう数日お待ちください。)
このところ、癌を患うワンコの治療のためのキャンプ生活に加え、以上のような組織変更、セミナーコンテンツの充実、卒業生へのサービス充実など、バタバタしていた関係で、エッセイ執筆をサボってしまいましたが、本日より(というか、来週から本格的に)これまで以上の価値提供に勤しむ予定です。
今後とも、板倉雄一郎事務所をどうぞよろしくお願いいたします。
2007年5月21日 板倉雄一郎
PS:
橋口寛氏、石野雄一氏からの皆様へのご挨拶を以下に掲載します・・・
パートナー離脱についてのご挨拶
橋口寛です。
このたび、約三年間、活動に参加させていただいてきた板倉雄一郎事務所のパートナーを離脱することになりました。
私は2004年の夏に、初めてお会いした板倉雄一郎さんのビジョンに強く共感し、板倉雄一郎事務所の活動に参加させていただきました。
それ以来三年弱、「日本人のフィナンシャルリテラシーを高める」ことを旗印に掲げ、セミナーを中心とした種々の活動を共にさせていただきました。
ほとんどセミナー参加者がいないような状態からスタートし、毎回募集告知からあっという間に満員になるまでに成長していく過程は、本当に素晴らしい、ワクワクするような体験でした。
理念に共感いただき、お集まりいただいた多くの受講生の方との交流の中から、いつもたくさんの興奮と学びをいただきました。
また、板倉雄一郎さんという稀代の天才の近くで過ごした三年間は、私にとっては、それまでの人生で経験したことのないような刺激に満ちた日々でした。
これらのひとつひとつを、強い感謝の念とともに思い出します。

ここしばらくの間、さまざまなことを考え、悩みましたが、このたび「個人の事業に注力したい」という私の我がままを聞いていただき、パートナーを離脱することとなりました。
大きな志に向かって進んでいく道の途中で、こうして一旦離脱することに対して、とても残念な、申し訳ない思いも抱いています。
しかし、結果的により大きな社会への貢献ができるよう、精一杯努力をして恩返しをしていきたいと考えています。

私はパートナーではなくなりますが、板倉雄一郎事務所の持つ理念については、これからも共有していきたいと思っています。
これからも、陰ながら活動を応援しつづけたいと考えています。

これまでに直接お会いしてお世話になった皆さま、当ウェブサイトを通じて間接的にお世話になった皆さまに、心から御礼申し上げます。
そして、今後の新生板倉雄一郎事務所の、ますますパワーアップしていく活動に対しての、変わらぬご支援・ご支持をよろしくお願いいたします。

どうもありがとうございました。
橋口寛
===
石野雄一です。
このたび、本業のコンサルティングの仕事に専念すべく、板倉雄一郎事務所のパートナーを辞めさせていただくことになりました。
1年半あまりの間、パートナーとして、合宿セミナーをはじめ、さまざまな活動に参加させていただきました。日本人のフィナンシャルリテラシーを高めると息巻いていたものの、私自身の方が教わることの方が多かったように思います。
パートナーエッセイにも、多くの方々からメールをいただき、大変励みになりました。事務所の活動を通して、お会いした方々、そして、このブログを通して、応援してくださった方々,大変お世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げます。
今後は、板倉雄一郎事務所の理念を胸に、個人投資家の方々だけではなく、企業サイドのフィナンシャルリテラシー向上に貢献できればと考えております。
これから、ますます活動の場を広げていく板倉雄一郎事務所のご支援を引続き、よろしくお願いします。
短い間ではございましたが、本当にありがとうございました。
===以上===