板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

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お知らせ 「週末のお知らせ」

(週末は当事務所からのお知らせにお付き合いください。)


世界的に、金融商品の価格が乱高下しています。
投資家のリスク認識(←不確実性の認識)の高まりは、一つ一つのニュースによって金融商品の価格を過敏に上げたり下げたりを繰り返しています。
まさにミスターマーケットが、その喜怒哀楽の最高潮に達しているわけです。
そんなニュースフローに踊らされている相場を「追いかけよう」とする行為は、すなわち「相場に踊らされる行為」ですから、少なくとも一般的な個人投資家にとって、好ましい結果には至らないでしょう。

株式相場において、上げ相場の時には、ほとんどあらゆる株価が上昇し、また下げ相場の時には、ほとんどあらゆる株価が下落します。
それを繰り返しているうちに、上げ相場でも株価が上昇しない銘柄が出てきたり、下げ相場でも株価が下落しない銘柄が出てきたりして、中長期で見れば(株価チャートを長期に「ひき」で見れば)、結局「一株辺りの価値」に対して株価がトレースする傾向があります。
なぜなら、市場参加者の誰もが「お金が欲しい」からです。
お金が欲しいから、割高のまま保有を続けることも無いですし、割安のまま誰もが興味を示さないことも無いのです。
もし、一分先、24時間先、1週間先、1ヶ月先の株価をある程度正確に予測できる!という方の場合は、以上のような「中長期で価値と価格が均衡する」などという考えはどうでもよいことなのだと思います。
しかし、そんなことは誰にでもできることではありません。
少なくとも僕には、直未来の株価を予測することなんてできません。
しかし、「価値と価格の中長期における均衡」に基づく投資手法は、少なくとも中長期の投資を考える投資家にとって、極めて心強い手法です。
個別企業のビジネスモデルを知り、バリュードライバーを知り、利害関係者を知り、競争優位性を知り、経営者を知り、過去の数字を分析し、将来の業績を予測し・・・つまり個別企業の経営を知ることを通じて、ビジネスにおける知識と知恵と経験を有することができます。
以上の企業価値評価の過程における、「一つのおまけ」として・・・
(1)今日現在の一株辺りの妥当な株価(←一株辺りの価値)
(2)時間経過によって、(1)の価値が増大するのか否か
を得ることができます。

もちろん、DCF法を中心とした一株辺りの価値の因数は、将来業績「の予測」であり、資本コスト「の推計」ですから、唯一絶対の解などありません。
評価者それぞれによって、情報も、知識も、経験も様々ですから、評価者それぞれに「答え」があります。
したがって、どれほど知識を蓄え、どれほど情報を集め、どれほど分析を行ったとしても、投資におけるリスクを完全に排除することはできません。

「それじゃ意味無いじゃん!」と思いますか?
僕はそうは思いません。
投資とは、現在の確かなキャッシュを差し出して、将来得られるであろうキャッシュフローと交換する行為であるとすれば、どのような手法であっても、どのような金融商品であっても、完全にリスクを排除することなどできないのですし、そのリスクがあるからこそ、初めてリターンが得られるわけです。
それが投資です。
しかし、リスクを低くリターンを大きくするための「知識」を身につけることは努力次第で可能です。

もし、そんな努力はめんどくさい、さっさと「今の」金が欲しい!ということなら、「今の金と将来のお金の交換」などやらないほうがよいと思います。
または、相場変動に踊らされる投機に勤しむことをお勧めします。
(↑ そんな投機では、「絶対に損をする」とは言い切れませんからね)
もし、株価変動に踊らされるのではなく、「自分を信じる投資」の第一歩を踏み出したいと思われるなら、是非、企業について、企業価値評価について、学ぶことをお勧めします。

当事務所が提供するセミナーでなくても全然OKです。
書籍から知識を得ることでもOKですし、他のセミナーでもよいでしょう。
要は、投資活動において、「今の確かな金を差し出して手に入れている価値は一体なんなのか?」をしっかり理解した投資を行うことが、資本市場を健全にし、結果としてそんなスタンスの個人投資家の資産形成を中長期に渡って成功させるのだと思います。

とはいえ、僕をはじめとする講師の誰もが、法務、会計業務、投資銀行業務、個人投資家として、実践から得られた知識と経験を持つ者で構成され、既に30回近くも継続してセミナー「実践・企業価値評価シリーズ合宿セミナー」は、学習の効率が非常に高い、と思います。
(↑ ほら、やっぱり宣伝しないと(笑))
ご興味のある方は、こちらをお読みになり、納得いただいた上で是非お申し込みください。
まだ顔も知らない読者の皆様と、2日間を共に学び、共に楽しむことを楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

2008年1月25日 板倉雄一郎

PS:
それにしても、このニュース激しいですね。
金融機関って、そんなんでいいんですかねぇ。