板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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選挙に行こう!

昨日のYES-PROJECTに参加できなかった代わりに表現するわけではありませんが、皆さん、選挙に行きましょう!

増税が必要な状態(一般会計が税収で賄えない状態=プライマリーバランスがマイナスの状態)が長期で予測されても、増税せず、国債の発行によって、それを賄う・・・これが繰り返された結果、歴史的に類を見ない国家財政の危機となりました。
この繰り返しは、回帰的に考えて、「継続不可能」なことは、経済の専門家でなくてもわかることです。
では、なぜそんなことになってしまったのだろうか・・・
僕の答え(=仮説)は、非常に明確です。
それは、若年層の投票率が低かったからです。
なぜなら・・・

20代の投票率は20%台、30代の投票率は30%台・・・60台の投票率は60%台という法則があります。
つまり、若年層の投票率が低いという現状があります。

増税は、今の生活者に対する経済的負担であり、
借金(=国債発行)は、将来の生活者に対する経済負担の先送りであることは、何度も書いてきました。

どれほど自分の子孫の住む世界に思いを馳せたとしても、60歳も過ぎていれば、「増税か、社会保障の削減か、どちらか選べ」といわれたら、「どちらも嫌だ」と答えるでしょう。
そんな人に、「自分のことばかり考えていないで、もっと未来の生活者のことも考えろ!」と言いたくもなりますが、こればかりは民主主義である以上、誰にも文句が言えないわけです。
文句を言えるのは、将来の生活者、つまり現在の若年層や、まだ投票権を持っていない生活者だけです。
すると、年齢が増すにつれ、「出来れば後の世代に先送りしたい」と思う人が多くなり、その方々の投票率が高いわけですから、政治の舵取りは、
「将来のために今の解決」ではなく、
「将来に問題(=借金)を先送りする」法案を提出しそうな候補者に投票することになります。
結果、問題は、「投票率の高い世代」から「投票率の低い世代」に先送りされるというわけです。

この問題の原因は、投票に行かない若年層「自身」にあるわけです。
当たり前のことです、投票する人の都合が政治に反映され、投票しない人の都合は、政治に反映しずらいわけですから。

政治にしても、経営にしても、「今年や来年」のことばかり考えていたのでは、継続可能性はきわめて低くなります。10年先、20年先、50年先まで考え、具体的で、実現可能なヴィジョンに基づいた政策を実施する必要があるわけです。
しかし、残念なことに、その未来に生活者となるはずの現在の若年層の投票率が低いわけですから、候補者も30年先のことを口にしても票は集まらないのです。

自分の住む日本の未来が心配なら、まずは選挙に行って投票権を行使しましょう。
株主が馬鹿な会社に未来が無いことと同じく、有権者が馬鹿な国にも未来はないでしょう。

「渋滞を作っているのは、自分自身」なのです。
選挙に行こう!

2005年9月8日 板倉雄一郎

PS:
ところで、郵政を民営化すると、一体全体、何がどのように良くなるの?
僕には、さっぱりわからない(爆)
先に提出され参議院で否決された法案によって民営化したところで、財政はなお悪化するとしか思えないのです。
たとえば、新発国債は、誰が引き受けてくれるわけ????
言っておきますが、僕は引き受けないよ(笑)
ちなみに、郵便局が、直接、郵貯や簡保の預金者のカネを無駄遣いしたのではないのです。
自分の財布と勘違いして、無駄遣いしてきたのは、ほかならぬ財務省であり、よって現政権なのです。
民営化すれば何でも良くなるなら、まずは財務省から民営化しましょう!(爆)

「とにかく郵政民営化」に賛同する顔ぶれに、元官僚や外資に深く関連する人が多く見受けられるのはなぜだと思いますか?
日本国民のフィナンシャルリテラシーが低い状態で、何でもかんでも外資に開放すれば、「価値と価格」の違いのわかる外資にとっては美味しいからです。
また、財政危機を作り上げた張本人(=現政権+官僚)について、小泉首相は攻撃しません(出来ません)から、張本人たちは、引き続き政権を維持したいわけですね。

PS:
昨日の講演では、またいつものように「会社とは何か?」について1時間ほど喋り捲ってきました。
(参考エッセイKISS第48号「会社は誰のもの?」)
楽しかったし、その場で9月セミナーに申し込んでいただいた経営者の方もいらっしゃいました。
それはそれで良いのですが、その後の御食事が終わって席を立ったとき、僕の腰に異変が・・・
先日の尾骶骨打撲による影響なのか、今度は、持病の椎間板ヘルニアが悪化したようです。
いわゆるぎっくり腰の一種なのですが、この3年ほどは、「姿勢改善」によって、ヘルニアは現れなかったのに・・・
やっぱ、厄年なのだろうか(僕は、この12月で42歳になります)
それとも、この半年で6Kgも増えてしまった体重が原因なのか。
いずれにしても、またしばらく安静が続きます。
トホホです。