例えば、何らかの懸賞において、景品総額100万円を設定したとしましょう。
1万円の景品を100個用意する場合と、100万円の景品を1個用意する場合では、後者の応募総数が前者に比べ圧倒的に多くなります。
計算上の「期待値」はどちらも同じですが、当選確率は、後者の方が前者の100分の1になるにも関わらずです。
つまり、応募する「人間」の心理は、確率を軽んじ、当選した場合のリターンの大きさを重視するわけです。
デイトレで元手200万円を数年で200億にした人が居れば「我も!」と、デイトレ講座に申し込む人が増えます。
そんなに儲かる確率は極めて小さいのに、デイトレ講座は儲かります。
facebookに会社を10億ドルで売却したニュースが流れれば「我も!」と、facebookに気に入られるようなネットサービスを立ち上げる人が増えます。
買収対象になる確率は極めて小さいのに、facebook向けの優れたサービスが雨後の筍のように増え、facebookはウハウハですね。
経済は人の心理が動かします。人のココロを、騙すのは頂けないですが、誘導するのはありですね。
以上を「穿った見方(斜めな見方)」と捉えるのは、そう捉える人の勝手ですが、そもそもビジネスとは、こういうものです。
慈善活動じゃないのですから。
極端に表現すれば、facebookは、今後一切の買収を行わずとも、facebookにプラスになるような優れたサービスが勝手にドンドン増えるわけですね^^)
2012年4月11日 板倉雄一郎