板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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号外【インフレ・ターゲット】マクロ経済

「インフレターゲット(物価上昇率目標)を2%にしましょう!」とか言って、金融政策で目標値に調節できるのは、実体経済に潜在的成長力があることが前提です。
20年もの間、デフレってる時に、金融政策だけでインフレに出来るなんて簡単な話ではない。だからこそ、20年もの間、デフレ脱却ができなかったわけです
もし金融政策だけで物価上昇率目標を実現できたとしても、それは、円安による輸入インフレに代表される悪しきインフレになる可能性が高い。
金融政策も大切だが、それ以前に「人々が将来に希望を持てるようにする事」これが大事。

もっと分かり易く比喩すれば・・・
水道の蛇口を開いたり閉じたりして、水流を調節できるのは、そも
そも水道管の水圧があってこそ。
そもそも水圧の少ないところで、どんだけ蛇口を開けたって、出てくる水の量は変わらない。
今やるべき事は、蛇口を全開にする事ではなく、水圧(実体経済の元気さ)を取り戻す事。

そもそも日銀が「買いオペ(国債を金融機関から買い受けて、日本銀行券を市中に増やす)」を実施しても、「札割れ(買いオペに応じる入札が、買いオペ額に届かない)」が発生しているんですから
金融機関にとっても、「貸す先無いから国債で運用した方がマシ」ってことです。

ではどうすれば「水圧」を上げる事が出来るか、僕の提案は・・・

1、規制緩和
2、金融システムの、DebtからEquityへのスイッチ

です。

「金融政策と実体経済は鶏と卵だ!」という意見もあろう。
しかし、その意見が間違っている事は、この20年が証明しているわけです。
蛇口より水圧。これ間違いないのです。

2012年12月21日(世界が滅亡する日(笑)) 板倉雄一郎

参考エッセイ:

ITAKURA’s EYE 「経済成長の条件」