板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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Go Ahead【メディア論】

僕は、もう20年以上前から一貫して一つのメディア論を持っています。

もちろん持論ですが、20年の歳月を経ても、この持論は崩れること無く、むしろ、数々の具体的な証明によって裏付けられています。

 

 マス====ミドルマス====ニッチ

 

と、各メディア(またはコンテンツ)のリーチ数を分けたとすると、事業として成り立つのは「マス」と「ニッチ」の両端で、「ミドルマス」は事業として成り立ちにくい、というものです。

 

「マス」とは、地上派テレビや大手新聞がその代表例です。

「ミドルマス」とは、CS放送や発行部数の比較的多い雑誌などです。

「ニッチ」とは、専門誌や個人のブログなどです。

 

この分類は、メディアとコンテンツをごちゃ混ぜにした分類ですので、ここで、コンテンツと、それを取り持つメディアの二つに分けて考えてみましょう。

 

例えばミドルマス「メディア」の代表例として、日本ではCS放送があります。

CS放送は、さらに少ないリーチを持つチャンネル「コンテンツ」の集合です。

 

例えば「釣りチャンネル」というコンテンツを想定してみましょう。

僕は、釣りをやります。

バスフィッシングやカジキ(の見学)はやりますが、ハゼやヘラブナはやりませんし、興味もありません。

また、個人所有のモーターヨットでの海釣りはやりますが、乗り合い船(仕出し船)には乗りたくありませんし、磯釣りも怖いのでやりません。

このように「釣り」というカテゴリーで分類することは、一見「顧客を絞ったマーケティング」として効果があるように見えますが、実はほとんど効果がありません。

顧客を絞るのであれば「釣り」などというカテゴリーではなく、もっともっと細かい分類をしなければ、顧客の興味を集めることは難しいのです。

従って「春の東京湾アジ釣りポイント情報」まで絞り込むと、その情報を欲しがる「数は少ないが支払いを惜しまない顧客」は存在します。

 

釣りに限らず、自動車でも、ファッションでも、読書でも、映画でも、音楽でも、旅行でも、同じです。

 

これらの「専門チャンネル」と称した「中途半端なコンテンツ分類」は、一つ一つがイマイチの収益しか上げられません。

「帯に短し襷に長し」といったところでしょう。

 

従って、それらのコンテンツを集めた「メディア」としてのCS放送局が、大成功を収めた例など見たことありません。

 

また、成功を収めた、CNN、MTV、Nationnal Geographic , Discovety などは、専門チャンネルと称したマスコンテンツであり、マスメディアですから例外中の例外です。

 

インターネットというメディアは、上記のリーチ数において、マスからニッチまでを均等にカバー出来るメディアです。

BBC や CNN といったビッグマスメディア(コンテンツ)を閲覧することもできる一方で、個人ブログを、少なくとも技術的には全世界に配信することができます。

 

僕はもう20年以上前から・・・

 

「インターネットによる革命を、過去の事例に比喩すれば、それは産業革命などではなく、グーテンベルグの活版印刷革命である」と主張しています。

グーデンベルグの活版印刷の開発目的は、聖書の増刷でした。

しかし、この技術に目を付けたのは、イエス・キリストだけではありませんでした(笑)

 

「そんなに簡単に本を印刷出来るのなら、自分も本を書いて出版しよう」

 

そういう方々が増えたのです。

 

ネットも同じです。

ブログ、YouTube、SNS・・・これらは「ニッチコンテンツ」および「排他的人間関係」の集合です。 

facebookに至っては、リーチの少ない「排他的人間関係」が、数多く集まった結果として、全世界で8億のユーザーを抱えるまでに成長したということが、僕の持論を証明していると言えるでしょう。

 

僕がSynergy Driveによって提供するVoiceLinkは「ニッチの集合」「排他的人間関係 の集合」を、「声」によって実現する「メディア」です。

リスナー5万人のルームが、100ルームあることより、リスナー500人のルームが、1万あることが、VoiceLinkの成功です。

 

2012年2月24日 板倉雄一郎


Synergy Drive Inc. C.E.O. Yuichiro ITAKURA.


PS:

Voice Link : www.vlvlv.jp