板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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板倉雄一郎事務所のひとびと 第5回「統計男」

(毎週火・木・土曜日は、パートナーエッセイにお付き合いください。)

皆様こんにちは。パートナーの橋口寛です。

板倉雄一郎事務所ウェブサイトの「深夜枠」である、このコーナー。
本日も、こっそりアップしたいと思います。

五回目の今回は、K.Shimoda氏を取り上げさせていただきます。


Shimoda氏(以下S氏)は、板倉雄一郎事務所のひとびとの中では最年少の男であり、大学院で統計を専攻してきたという統計のスペシャリストである。

「パートナーエッセイ」における、氏の統計に関するエッセイは、
いつも面白く読ませていただいている。


S氏は、沖縄生まれだと自称しているが、その肌は驚くほど白い。
たとえ真夏でも、北欧級の美白ぶりである。
スノーホワイトだ。
統計的にも、その肌の美白ぶりは、際立っている。


S氏は、昨年のクリスマスイブに結婚式をあげた。
結婚前は、まさに独身貴族的な言動をしていた氏が、一夜にして
「いや~結婚っていいっすよ!」
「いや~子供って最高っすね!」
という発言をするようになったのには、驚いた。

その様子を横目に、事務所内の独身陣が、
「ちっ!この裏切り者が!」
と酒をあおるのも、おかまいなしだ。

この見事な豹変ぶり。
統計的には0.01 percentile (1万人に1人)くらいの豹変ぶりである。


尾篭な話で恐縮だが、S氏は、げっぷをよくする。
「それでですね?。ぐえっぷ!!」
と、いきなりカエルの鳴き声みたいな音を発せられるのには、最初はかなり驚いた。
今聞いた音が何の音なのか、しばらく分からなかったほどだ。
突然言語を切り替えられたのかとさえ思った。

「なんか、僕、空気飲み込みすぎみたいなんすよね?」
と説明してくれたが、その説明は統計的にどうなのか?という気がしないでもない。


S氏は、「企業価値評価セミナー」合宿の中で、唯一講義担当コマを持っていない。
アドバンス・セミナーにおいては、「ファイナンスにおける統計」と題して講義したこともあったが、エントリーレベルから入る「企業価値評価セミナー」の中では、時間的にそこまで扱えないためだ。

その代わりに、S氏には、
「教室のライトのオン・オフの切り替え」
という極めて重要な任務が与えられている。

講師がパワーポイントのスライドを映してしゃべっている時は、教室前部のライトを消す。
講師がホワイトボードに向かって何か書き始めた時は、教室のライトを点ける。

この切り替え作業こそが、S氏が担当するタスクである。
重要だ。

S氏は、統計学の知識を駆使して、目にも留まらぬ速さでライトを消す。そして点ける。
講師の板倉氏が、一歩ホワイトボードに向かって歩を進めた時、
ライトはすでに点けられている。
その速さは、後ろから見ていても惚れ惚れするほどだ。

しかし、S氏のこの動きは、あまり長続きしない。
二コマ目の石野氏の講義、三コマ目の私の講義の際には、
S氏の動きは既にかなり衰えている。

私がホワイトボードで何か書いていても、いつまでたってもライトが点かないことがある。

「どうしたのか?」
と、S氏の方を振り向くと、S氏が白目を剥いていて、ギョッとさせられたことがある。
いったい何のつもりなのか?
こいつもどこかと交信しているのか?

統計的に、
「時間の経過とS氏の白目の発現確率」
の正の相関は、極めて高い。

いや、実際のところ、原因は「時間の経過」ではなく、
「板倉⇒石野⇒橋口」
という、各講師陣の「S氏の中での重要度の低下」と「白目の発現確率」
の相関が、極めて高いのかもしれない。


・・・そういうことなのか?S君。


いずれにせよ、講義中に
「白目を剥いて何かと交信している男」
を見ると、心拍数を元に戻すのに若干時間がかかる。

今後は、S氏のまぶたに目の玉を書いておこうと思っている。


注:
本エッセイはフィクションであり、
事実を数パーセントだけ誇張して書いていることをご了承ください。


2006年12月16日  橋口寛
ご意見ご感想、お待ちしています!

次回パートナーエッセイは、12月19日(火)に、Shimoda氏が担当します。

板倉雄一郎事務所のひとびと 第4回 「エピソード」