板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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実践バリュエーション 第6回「0歳からの投資」

(毎週火・木・土曜日は、パートナーエッセイにお付き合いください。)

明けましておめでとうございます。パートナーの高村です。
今年もよろしくお願い致します。

皆さんは、年末年始をどのように過ごされましたか?

私は、年末年始を実家で過ごしました。
姉夫婦の子供と一緒に過ごす、初めてのお正月でした。
姪は、まだ人見知りが激しく、初対面の私の顔を見て、泣くという
失礼な(笑)子供でしたが、無理やり抱っこしたり、近所の公園を
肩車で散歩したりと、徐々に友好を深めることができました。

お正月といえば、お年玉です。
私は、叔父として、初めてのお年玉をあげることになりました。

現金を手渡すと、間違いなく郵便局か銀行の定期預金に入る
保守的な家ですので、一計を案じました。

日経新聞の記事で、ご存知の方も多いと思いますが、
今では、子供用(0歳児でも!)の証券口座が開設できます。
子供の金銭教育のインフラが整ってきましたね。

姪の誕生日が近かったこともあり、誕生日プレゼントとして証券口座を、
お年玉として投資資金をあげることにしました。

日経によると、マネックス証券では、子供の証券口座開設にあたって、
親の口座開設を必要としないと紹介されていました。
株式投資に興味がない姉の子供にぴったりだと思い、マネックス証券を
色々と調べてみると、お客様紹介キャンペーンをやっています。

口座開設後、3万円以上の入金で、本人と紹介者のそれぞれに
現金3,000円ずつプレゼントという太っ腹な企画です。
早速、口座開設資料を請求しました。

3万円の投資で6千円(本人には3千円)もらえれば、
「株式投資で確実に利回り20%(10%)を達成する方法」という
エッセイが書けそうです。(笑)


お年玉として、投資資金をあげることにしましたが、
上記の条件を満たすためには、3万円もあげなければなりません。
1回のお年玉として、3万円は多すぎるので、今後3年間のお年玉と
誕生日プレゼントということで、姪と握手してきました。(合意の証(笑))


ここで、問題になるのが、何に投資するかです。
成人してからの自己投資資金として、使ってほしいと考えましたので、
投資期間は約20年です。


20年後の2027年の世界を想像するだけで、ワクワクしてきますね。

自動車が空を飛んでいるかもしれませんし、
ロボットが大活躍しているかもしれませんし、
世界の株式市場がつながっているかもしれません。

ただ20年前の1987年から今までの発展を考えると、
パソコン・携帯電話などのIT分野はかなりの進歩をしましたが、
生活環境は、それほど劇的に変化していないように感じます。
20年後も一部の分野を除いて、それほど変化していないかもしれません。


投資期間20年、皆さんなら何に投資しますか?

これを考えると、かなり頭の体操になります。

手堅く、インデックスファンド?
日本のインフレシナリオで、外貨預金?
今後の成長期待で、中国株?
エネルギー危機で、商品先物(石油)?
I love Japanで、日本国債?


色々選択肢はあると思いますが、ここは企業価値評価手法を活用して、
個別株に投資したいと思います。


銘柄選択の条件として、以下の項目を考えました。

1. 日本の個別株式で、ミニ株採用銘柄
(=最低投資単位3.3万円以下;マネックスからの3千円含む)
2. 東証一部銘柄(=20年間倒産しない確率が高い)
3. 少なくとも過去5年間、価値創造がなされている
(=長期で価値創造できる事業基盤・ヒトを有している)

20年という超長期ですから、結局のところ、
価値創造可能な人、もしくは、それを有する企業への投資となります。
参考エッセイ:Deep KISS第63号「株式投資は人への投資」

上記の条件を満たす銘柄を探すのに、相当苦労しましたが、
いくつか候補銘柄が見つかりました。

後は、姪にサイコロでも振って決めてもらいます。(笑)

20年間の投資成果によって、20年後の資産残高が変化し、
姪が享受できる自己投資の内容が変わります。

仮に、20年間の年平均運用利回りが11%だった場合、
20年間で3.3万円が26.6万円となり(3.3×(1 + 11%)^20=26.6)、
板倉雄一郎事務所主催の企業価値評価セミナーを受講できます。
(セミナーが20年後まで存続していれば、63歳の板倉氏が講師!?)

仮に、利回り5%の場合、資産残高8.8万円となり、
格安航空券でロサンゼルスへ行けます。

仮に、利回り0%の場合、資産残高3.3万円となり、
ユーキャンの通信講座が受けられます。

仮に、利回り-12%の場合、資産残高2,560円となり、
石野氏著書「道具としてのファイナンス」が購入できます。

20年後の結果が楽しみです。
最終的には、サイコロを振った姪の自己責任ですけどね。
(上記の計算は、現在の価格をベースにしており、
値上げ、値下げによる価格変動は考慮していません。)

2007年1月11日  Takamura
ご意見ご感想、お待ちしています。

次回パートナーエッセイは、1月13日(土)に、Ohashi氏が
担当します。

実践バリュエーション 第5回 「年末ジャンボ宝くじ」