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BTB 第9回「法人税率変更と資本レバレッジ」

昨日のパートナーエッセイ
ファイナンス基礎理論 第8回「負債の節税効果とは」は、いかがだしたか?
おそらく「Tax Shield」について、十分ご理解いただけたのではないかと思っております。

石野氏がこのエッセイを担当するきっかけになったのは、前回(2007年1月開催分)の合宿セミナーの最中でした。
合宿セミナーもかれこれ20回以上行っていると、受講生がどの部分で理解に苦しんでいるのか、という傾向を把握することができます。
そのひとつがこの「負債の税効果」です。
確かに、「借金するとなぜ投資家への配分が増えるの?」と、素朴に疑問を感じる人が大部分でしょうし、その素朴な疑問が、理論を押しのけ、理解を妨げるのだと思います。
だって私達日本人の多くは、「借金はいけないこと!」と教わってきましたから。

さてこのエッセイでは、「その理解を自分のものにするコツ」について書いてみたいと思います。
つまり、得られた知識を自分なりに「応用可能にする訓練」のひとつです。

ファイナンス基礎理論 第8回「負債の節税効果とは」の内容を理解した上で、以下の問題を解いてみてください。

設問:
法人税率が引き下げられた場合、真っ当な企業の資本政策はどのように変化するでしょうか?
主に、D/E比率について、経営者の取るべき対応について、具体的な数値と明確な理由をお答えください。

参考エッセイ:
DeepKISS第54号「最適D/E比率」
BTB第6回「有利子負債の増減(再び)」
ITAKURASTYLE「資本コストは支払い金利だけじゃないのよ」
ITAKURASTYLE「法人税の負担者」
BTB第8回「法人税減税と企業価値」など多数。


与えられた情報や知識を「受け入れるだけ」では、学習の効果はほとんど期待できません。得られた情報や知識を「自分のものにする=新しい状況を迎えたときに解決策を自ら打ち出せる自分を創る」事を通じて初めて自分自身の社会における価値が高まり、結果として自分自身の豊かさにもつながります。
何かの知識を得たときに、そのとき身の回りにある具体的な事例を、新しく得た知識によって分析してみる。

上記の設問を是非考えていただく時間を、ご自身のために作ってください。

2007年2月7日 板倉雄一郎

PS:

設問に対する解答は、気が向いたら書きます。
ちなみに、以上のような「税」に関する考察を深めると、「税制とは、お金の流れ方にバイアスを加える弁だ」ということが良くわかるようになります。