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統計のお話 第30回「自分に勝つ」

(毎週火・木曜日は、パートナーエッセイにお付き合いください。)

板倉雄一郎事務所パートナーのK.Shimodaです。
本日も統計の時間がやってまいりました!

“読むだけで数字に対する直感力が身に付く”
「統計のお話し 第30回」をお届けいたします。
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【ファイナンス編】自分に勝つ
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今まで、行動ファイナンスの様々な現象を見てきました。
今回は、それを投資活動にどう生かしていくかを
扱ってみたいと思います。

1.心理的バイアス(偏り)を克服する!
今まで、下記のようなトピックスを扱ってきました。

コントロールの幻想自信過剰認知誤差メンタルアカウンティング・・・

それぞれ、どれも人が良く陥ってしまいがちなものです。
もちろん私も当てはまりますし、今記事を読んで下さっている
あなたも例外ではありません。

上記のような心理的バイアス自体は、人間である以上逃れることができないですよね。

以前読んだ本からの話なのですが、
人は、まるで機械のように反応する動物です。
特定のボタンを押されると、ほとんど、
“なぜ、それを行うのかを理解せずに”
目の前で起きた現象に従った行動を取ってしまいます。
あるいは、起きた現象に対して、特定の解釈を持ってしまうものです。

そういった、心理的バイアスの罠を回避するためにやるべきことは、
“罠があることを理解すること”です。

自分は、機械と同じく、特定の現象に対して、特定の行動を
反射的に、自動的に、取ってしまうものなんだ、と理解することです。

“どういった現象の場合に、どういった行動が現れるか”
を理解していれば、その行動を取る前に、止めることができます。
自分にとって、自動的に起きてしまう行動は何なのか、
を理解することが罠を克服する第一歩になります。

2.自分の投資行動や環境をコントロールする!

1.で心理的バイアスを理解し、克服する準備が整ったとします。
しかし、それでもまだ足りません。

例えば、おなかが空くと、すぐお菓子が食べたくなる、という
心理的バイアス(笑)をお持ちの方の場合、
「おなかが空いてもお菓子を食べなければ良いんだ!」
と気づいたとしても、現実的な行動に結びつかないでしょう。

いつかのタイミングでお菓子に手が伸びて、
ガッツリと食べてしまうんですよ(笑)。

だから、この「お菓子食べたい!」心理的バイアスに
打ち勝つためには、お菓子を買わないことが大事です。
あるいは、お菓子を買わないために、
財布を持たずに外出する、とかの行動や環境に
落とし込むことが大事ですね。

ちなみに、効果的と思われるオススメ投資環境は、
・株価をチェックするのは週末だけにする
・取引するのは月1回だけにする
・そのために、あえてオンライン取引を行わない
などです(自分の癖にあったルール作りを行いましょう)。

頻繁にチェックすると、色んな情報が目に付きますよね。
つい、騰落率ランキングを見て、
俺もココに投資してたらな~~~、なんて思ったり(笑)。
それ以外にも自分の評価損を見てヘコんだり・・・(苦笑)。

日々変化する情報や、その情報によって揺れ動きまくる自分の感情を
うまくコントロールするために大事なのは、
細かい情報を入れない、と決めることです。

罠から脱するためには、取引できないタイミングで
自分のポートフォリオをチェックするのも、有効だと思います。

また、取引するのは月1回、と決めることによって、
より慎重に、罠にはまらない取引ができると思います。
目の前に小さなチャンスがやってきたとしても
いちいち反応しない環境は大事ですね。

ちなみに、私が競馬をやっていた頃、競馬仲間の一人は、
1年に1日しか(正確にはその1日のうちの4レースのみ)
馬券を購入していませんでしたが、
その4レース中3レースは当てていました(数10万円単位で利益を上げていました)。

馬券を購入する1日以外の土日は、ずーーっと好きな競馬の
テレビ観戦や調査・分析を行っているのです。来るべき1日のために。
小さなチャンスを見つけてもそれには乗りません。

この話と株式投資は同列に扱うことは出来ませんが、
彼に見習うべきことはあるように思いませんか?
少なくとも自分をコントロールする、という点に関しては
長けていると言って良いでしょう。

3.数字の基準を持つ!

どれだけ、心理的バイアスから逃れて、
自分をコントロールできるようになったとしても、
数字で把握できないで投資活動はうまくいくはずがありませんね。
結果を出したければ、ある程度数字を読めなければなりません。

では、どんな数字が読めるようになる必要があるのでしょうか?

極論を言えば、どんな数字でも良いと思っています。
PERだろうが、なんだろうが、それに基づいて、
一貫した判断の元に投資活動を行い、かつ結果を記録し、
記録から自分自身の判断の癖などを見つけていけば、
少しは投資活動の成果である利益を出せると思います。
(様々な要因に左右はされるでしょうけれど)

ただ、ある程度確実に、そして、継続的、効率的に
利益を生み出したいのなら、
最低限の経済原則を押さえておく必要があると思います。

この原則を学ぶには、合宿セミナーがおすすめです。
DCF法をはじめ、今後も変わらない原則を
たった2日間で学ぶことが出来ますからね。

もちろん本を読んで勉強しても全く問題ないですよ!
実際私はほとんど独学でした(笑)。
ただ、学生時代だからできたことかな、と思います。

社会人になってから独学となると、一体何年かかるやら・・・。
それに、よく分からない分野で独学すると、
物事の関連性がなかなか見えてこないものです。
知識の有機的つながりは合宿セミナーでしか得られないものであると
思っています。

知らないことで損をしてしまうリスク(知っていれば回避できたのに・・・)や
独学する時間のロス(出来る人に聞いた方が、じっくり本を読むよりも
早く吸収できますね)を考えれば、
費用対効果の高い2日間であることは想像に難くないですよね?
時間をかけて独学した私が保証しますよ(笑)。

原則を理解して投資に生かしたい方は、
是非合宿セミナーでお会いしましょう!
きっと金銭的、時間的投資分以上のものを回収できますから。

2008年3月4日 K.Shimoda
ご意見ご感想、お待ちしております!

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