板倉雄一郎事務所パートナーの吉原です。
100年に1度なんて言われた金融危機から1年が経ちました。
金融危機の引き金を引いたとされるリーマンショックは1年前の9月15日に起こった出来事で、その後世界中の株価が大きく下落したのは記憶に新しいところです。
ちなみに、昨年の日本の株式市場において、株価(日経平均)が一番下がった日(終値ベース)は10月27日で、日経平均株価は7,162円90銭でした。
バブル経済崩壊後の最安値を更新して昭和57年10月の水準まで下がったということで、当時は大きな話題になりました。
(当時の参考記事はこちら)
あれから約1年が経過し、先週末(10月9日)の日経平均株価終値は10,016円39銭でした。昨年の最安値から比較すると39.8%上昇したことになります。
ところで、この1年で株価が上昇した銘柄って、どんな銘柄なのでしょうか?
この1年の株式市場を振り返るために、ちょっと調べてみました。
【高パフォーマンス銘柄 TOP5】(全上場企業対象)

(※)2009年10月9日終値と2008年10月27日終値を比較
ここ1年世の中は元気がなかったですが、これらの銘柄はものすごいパフォーマンス・・・。トップの「そーせいグループ」は1年で16倍!ですから驚きです。
とはいえ、これらの銘柄は全て、昨年の金融危機の際に時価総額100億円未満にまで落ち込んでいます。そーせいやダイヤモンドダイニングに至っては当時の時価総額は10億円以下です。
このため、当時、これらの銘柄に投資できた投資家はさほど多くないでしょう。また、これらのランキングから全体のトレンドを読み解くのは難しそうです。
それでは、もっと規模の大きい銘柄に絞るとどうなるでしょうか?
今度はTOP10まで発表です。
【高パフォーマンス銘柄 TOP10】
(08年10月27日時点 時価総額500億円以上対象)

(※)2009年10月9日終値と2008年10月27日終値を比較
GSユアサは環境関連の主力銘柄ということで注目を集めましたね。
トヨタグループ系列でトヨタ紡織や豊田合成がランキング入りしているのがちょっと意外でした。スマップのCMがやたら目につくソフトバンクも好調です。どうでもいいですが、キムタクはCM出演し過ぎじゃないですか?こんなところでも世の中が保守的になっているのを感じます・・・。
それはさておき、このランキングを見ていると電気機器・機械の業種が多くランクインしていることに気付きます。
今度は業種別のパフォーマンスを見てみましょう。
【主な高パフォーマンス業種】

【主な低パフォーマンス業種】

(※1)東証1部銘柄により構成される業種別インデックスの分析
(※2)2009年10月9日終値と2008年10月27日終値を比較
上記の結果を見ると、好調だったのは電気機器・機械系のグループと鉱業・非鉄金属等の資源系のグループだったことが伺えます。一方、不調業種は金融業、電気・ガス業そして空運業ということで、国内市場がメインのいわゆる規制業種が多いですね。
【まとめ】
今回の分析は過去の結果について解説を加えたに過ぎず、この分析から今後上昇する銘柄や業種を予測できるわけではありません。
ただ、今回の分析から自分が改めて感じたこととしては、世の中が総悲観な時にこそ大きな投資チャンスがあるということです。
最近、日本という国の成長性を疑問視する報道が多く、私としても同意できる部分はありますが、それでも個別の銘柄ごとに見ると成長を達成する銘柄は出てくると思います。
これらの外部環境を前提に置いた上で、今回の分析結果を参考に自分なりの投資手法を模索してみたいと思います。
今回の情報が皆さんにも参考になれば幸いです。
2009年10月15日 S.Yoshihara
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