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ITAKURA’s EYE 「カネで解決ジャジャジャジャン!」

なんとかダムの建設中止で、住民や自治体が怒り心頭!

羽田空港の国際ハブ化発言で、成田国際空港を抱える千葉県知事や成田市長が怒り心頭!

民主党政権に移行してからの様々な「配分変更」は、いろんな分野で波紋を広げているわけですが、ぶっちゃけ、怒りをあらわにするその本質は・・・

「みんなお金が欲しい」

だけなんですよね。

 

たとえば、成田市も千葉県も、「どうしても国際空港が必要」というわけではなく、お金を得る「手段」として、空港があったほうがいいだけですし、
(ちなみに僕の住所は千葉県船橋市ですから、千葉県や船橋市に地方税を納めています。)

ご先祖からの土地の放棄を決断した以降については、ダム建設に代わるお金が欲しいだけなんですよね。

 

だから最後は、「カネで解決ジャジャジャジャン!」、となるわけですが、それって聞こえは悪いですが、本当に悪いこととは限らないですよね。

 

羽田空港のハブ化は、もう後戻りできないですし、日本全体の利便・利得を考えれば、羽田の国際ハブ化は当然ですよね。

「日本国内の配分」を考えれば、「あっちじゃなくてこっちによこせ!」、となるわけで、それを調整することにばかりに着目した自民党政権の汚点の一つが、わざわざ都心から離れた成田空港であり、必要性をでっち上げた数々のダムだったりするわけです。

日本全体の利得を考慮すること・・・それはすなわち経済のパイを大きくすること、同時に無駄をなくすこと・・・を考えなければならない状況なのは言うまでも無く、その手段の実現の影で損失を蒙る「一部の」業種や、「一部の」地域に対して、「お金あげるから許してね」、ってやり方は、決して悪いことじゃないと思います。

日本国内のパイの奪い合いに気をとられている間に、たとえば空港であれば、韓国インチョン空港などに需要を奪われ、パイそのものが減少してしまうのではお話にならないですから。

日本全体のパイを大きくし、同時に無駄をなくすための政策実現の上で犠牲になる「一部の」人に対して何らかの名目でカネを与えることによって解決する・・・それって誤解を恐れずに表現すれば、最もスピーディーですしスマートですよね。

ダムだって、完成させ、その後の維持をすることに比べれば、建設を中止し、地域住民や請負ゼネコンに賠償金を支払った方が安く済みます。
完成させたほうが安上がりなんて話は、建設を続けたい方々の思惑によって作られたスージに過ぎないですから。

 

お金を与える手段が、本来必要の無い公共事業でやるのはいただけません。
極端な話、穴掘って埋めたって公共事業という名のバラマキにはなるわけですが、穴掘って埋めただけじゃ、経済波及効果はゼロです。
だったら、穴掘って埋める代わりに、お金あげちゃったほうが合理的です。

 

なんだかんだ言って、みんな結局はお金が欲しいわけですから。
(もちろん、それだけじゃないですけれどね)

 

2009年10月14日 板倉雄一郎

 

PS:
それにしても、「我が千葉県」の知事の森田何とかって俳優は嫌いだなぁ。
なんというか、あのインチキっぽさが(笑)
千葉県民って、ああゆうのが好きなんですかねぇ・・・





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