リーマンショック以降の世界は、過ぎたコンプライアンス重視が目立つように思います。
たとえば・・・
医師が、「何とか助けられるかもしれない!」、と判断したとしても、「万が一の訴訟リスク」を認識すれば、「うちでは対応できません」と、リスク回避をすることになるケースが増えていると聞きます。
ゴールドマンサックスに対する追訴のニュースを材料に、金融機関に対する規制が世界的に強化される観測も広がっています。
実は、当事務所に関わる問題として、クレジットカード決済会社の切り替えを行っているわけですが、これが複数のクレジットカード会社による審査が「NG!」だそうで、本当に困っています。
調べてみると、「コレで儲かる!」とか、「年収〇億円も夢じゃない!」とか、そういった類の「インチキ情報商材」と混同され、NGになっているらしいのです。
余談ですが・・・
クレジットカード決済代行会社を変更する理由について記述します。
これまで決済代行を依頼していたクレジットカード決済代行会社の経営状態が年初あたりから悪くなり、当事務所の商品販売におけるクレジットカード決済による売上の当事務所への入金が遅れ始め、調査したところ・・・
1、代表取締役がトンズラ
2、その友人が仮代表に就き、当事務所をはじめとするクライアントの対応をしている
3、しかし資金不足で満足に支払ができない。
そんな状況であることが2月の下旬に発覚し、当事務所としては決済代行会社の変更を余儀なくされたというわけです。
これ、単なる「取引先への支払遅延」ではなく、「本来その会社の売上ではない資金」を、その会社の運営のために使ってしまったという、「業務上横領」の可能性も十分にある事件です。
比ゆすれば、証券会社が顧客のお金を自らの運営のために使い込んだとか、集金代行業者の社長が、クライアントから依頼されて集金したお金を自らのために手をつけたとか、そういった類の事件です。
あちゃ~~~~、その被害を当事務所は直接受けているというわけです。
で、新規の決済代行会社にクレジットカード決済代行を申請したところ、上記のようなインチキ業者と混同され、審査が通らないというフンダリケッタリなわけです(笑・・・だって笑うしかないですから)
世の中おかしなことが多いです。
不動産賃貸において、いわゆる「敷金」や「保証金」を差し出す側(←つまりクライアント)が、保証金や賃料を受け取る側によって「審査」されるとか、
今回の当事務所のケースのように、クライアントである当事務所が、「場合によっては当事務所の資金を使い込んでしまうケースもある取引先」に審査され、審査が通らないとか・・・
今まで5年もの間、同じクレジットカードによる決済で、一つの問題も起こしていないというのにですよぉ。
わけわかんないですよね(笑)
この春から、当事務所における新規事業をいくつか企画していたのですが、出鼻をくじかれた感じです。
コンプライアンス重視それ自体は大変結構なことだと思いますが、今の世界は過ぎたコンプライアンスがさらに加速しそうです。
「リスクを取るやつは馬鹿だ」・・・そんな世界が本当にハッピーな世界なのでしょうか。
若者は、スキルアップと合理的な転職より「終身雇用」を望み、
海外に行くことを拒み、国内で縮こまり傾向が強くなっていると聞きます。
金持ちは、それがばれない様に、小さくまとまって密かに遊んでいます。
休日は、自宅にこもって小さな幸福を楽しむ国民が増えていると聞きます。
出る釘は、公安だか、社会だか知りませんが、次々釘抜きされてしまいます。
義務教育の現場では、教師がモンスターペアレンツにおびえ、腫れ物に触るような態度で生徒に接していると聞きます。
資本市場では、現物より、CDSなどのヘッジに対して多くのお金が注がれていますし、
新規上場基準が厳しくなり、且つ、上場維持コストがコンプライアンスの下、益々高くなり・・・つまり企業家精神をそぐことばかりが行われています。
「コンプライアンスだぁ!!!」と言われると、
「ははぁ~~~」と、無条件に従う人ばかり・・・
つまんねぇ世の中、おかしな世の中だと、つくづく感じます。
日ごろから、「コンプライアンス第一!」なんて言ってる男って、セクシーだと思いますか?
ぜんぜんセクシーじゃないですよね。だって、要するに、「リスク取りたくない」ってだけのつまらない人間ってことじゃないですか。
自分に降りかかった問題それ自体も僕にダメージを与えていますが、それ以上に、そんなつまんねぇ世の中に暮らしていることがダメージを大きくしています。
暫くエッセイも含め、活動を休止したいと思います。
(ただし、5月30日に予定している「実践・企業価値評価1日セミナー」は、行います。詳細が決まり次第この場でご案内いたします)
2010年4月20日 板倉雄一郎
PS:
自分に降りかかった問題と、社会のつまらなさに、めちゃくちゃ凹んでいる板倉でした。
あは。