板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「道」

「起業とは、すなわち「道(未知)」を切り開くことに他ならない。
  開いた道は、当人にも社会にも多大な価値をもたらす。」

と、このところ強く思います。
追加の文章として、

「仮に当人の収益にならずとも」

と加えさせていただこうと思います。

ビジネスは「結果が全て」です。
疑いの余地はありません。
しかし、起業に置ける「結果」とは、当該事業の収益的結果「だけではない」と思います。
ある者のチャレンジが、収益を目的とした企業としての失敗であったとしても、(もちろんそれは好ましくないことに違いありませんが)、社会に対して何らかの価値をもたらすのだと思います。
残念ながら、企業業績以外に、社会に対する価値提供を客観的に計る術が無いのですけれど。

この夏から、板倉雄一郎事務所では、「社長失格」の電子書籍化に取り組んできました。
途中、9月上旬の時点で、版元を他社から板倉雄一郎事務所へ変更した関係で、板倉雄一郎事務所としてのプロジェクトは、わずか二ヶ月に過ぎませんが、優秀なパートナーのおかげで、なんとか、リ・スケジューリング後はオン・スケジュールを実現できています。

いろんなことをやりました・・・

追記執筆や文章の再校正、
表紙やプロモーション用のグラフィックデザイン、
付録である(僕の)ビデオ収録や当時の写真の収集と編集、
そしてアプリケーションのビルドと複数機種上でのテスト。
以上は、幸い高校時代からの友人がいつも事務所コンテンツのアートディレクターをやってくれていますし、アプリケーションに関しては、新規にパートナーになっていただいた方の尽力あってのことです。

こうしたコンテンツそのものの開発だけではなく・・・

ビューワーの選定とライセンス契約(これには結構苦労しました、3社のビューワーの、機能、サポート体制、柔軟性、契約条件などを考慮した結果、モリサワのMCBookに決定しました。)
アップルとのデベロッパー契約(英語とコンピュータ技術が無ければ不可能です)
これらの契約に伴う板倉雄一郎事務所の株式会社化(僕個人的には「箱」や「器」はどうでも良いことなのですが^^)

以上のような発売前の作業もさることながら発売後をにらんだ・・・

プロモーションプランの立案、
プロモーションスケジュールの調整、

そして、以上全体に関する投資判断、収益予測、収益配分案作成、そして組織運営。

よくもまぁ二ヶ月という短い期間に実現できたものだと思います。
しつこいようですが、我がパートナーの「力」を改めて思い知らされました。

「なんでこんなこと、わざわざやるのか?!」

そう、僕自身も、我がパートナーも。

「社長失格」が予想以上に売れたとしても、正直な話、僕を含めプロジェクトメンバー全てが「収益について」十分満足の行く結果になるとは思っていません。
(もちろん満足する結果になる方が良いのですが^^)
それなのに、なぜやるのか。

それはすなわち、

「我々自身も、他人も、切り開いた道を利用して、何らかの価値を社会に提供し易くするため。」

なのだと思います。

社会に向けて、何らかの価値ある情報を提供する合理的手段を実現する。

これ、「規模は小さいですし、他社は既に実行していること」ではありますが、一つの大きな目的実現のための大切な「第一歩」という手段なのだと思います。

起業とは、すなわち、自らが求める未来を実現するための「道作り」なのだと思います。

当事務所の理念である、

One for All and All for One.

を再び強く認識です。

2010年10月22日 板倉雄一郎


PS:
「社長失格」の電子書籍化の提案があったのが7月22日。
ツイッターを始めたのが7月22日。
ちょうど3ヶ月目ですね。

そして、初版の「社長失格」が発売されたのが1998年11月ですから、こちらもちょうど12年です。

この12年間、僕は一体何をやってきたのだろうか?

なんていう「バックミラーを観る行為」が最近増えましたが、未来のためにバックミラーを参考にする行為は、実は大切なことだと思います。

この12年間、いくつかの「道」を僕なりの規模で切り開いてきました。
しかし振り返ってみると、道を切り開いても、苦労して作った道を僕自身が上手に利用できていない現実に気がつきました。
今後の人生は、自ら作った道を僕自身「も」上手に利用したいと思います。
いつまでも「道」を切り開き続けるほど若さを維持できませんからね^^
精神的にはできても、肉体的には間違いなく老いる訳ですから。

PS^2:

「社長失格」電子書籍は、この週末でほぼ完成する予定です。
後はアップルによる審査~リリースということになりますが、何せ他社に依存することですから、リリース日程についてお約束することはできません。
が、恐らく11月上旬にはAppStoreからリリースされると思います。
あくまで、予測に過ぎませんけれど。
そして、何らかの理由でアップルによりリジェクト(却下)される可能性がゼロではないことをお断りしておきます。

PS^3:

良い週末をお過ごしください。
僕はiPadで最終原稿チェックです。
何しろ「社長失格」って、25万文字!ですから大変です。




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