板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「有権者の選択権」

「民主党が政権とっても3ヶ月で潰してやる!」

 

という発言をする官僚が居るとか居ないとか・・・

 

日本という国は、「経済規模世界最大の社会主義国家」と揶揄されるほど、GDPに占める国家関連予算・・・一般会計、特別会計、独立行政法人などの事実上の「官僚予算」の比率の高い国です。
(GDPおよそ500兆円に対して、一般会計+特別会計-重複分でおよそ200兆円超)

現在審議中の経済対策補正予算についても、(それが細かくてよくわからないのですが)、つまるところ、「官僚の采配に委ねられる予算」となるわけで、現在、官僚はウハウハなわけです。
(それに群がる「民」の存在もたくさんありますが)

 

長期に渡る自由民主党政権は、「政治と官僚の暗黙の癒着」を生み出し、国民にはその詳細がうまく見えない仕組みになっています。

したがって、民主党政権が実現したときに、「最も都合が悪い」のが「自民党員より官僚」というわけです。

 

もし、冒頭の発言が本当のことであり、
もし、民主党政権が実現し、
もし、今、民主党が掲げている「官僚主導から地域主導へ」を実現しようとすれば、
間違いなく、官僚からの圧力が「相当強く」あることでしょう。

 

でもね、(空想物語ですが)、政権を取った民主党議員が次々に、
検察による調査を受けたり起訴されたり、
担当大臣の意見をまるで受け入れない事務次官以下の態度が鮮明になったりすれば、

「むしろ世論は、民主党への支持を高めることになるのではないか」

と予測します。
(官僚がやりすぎればね)

 

経済政策は、誰がやっても「時間がかかる」わけです。
消費税は、どれほど国家予算を削減しても、少子高齢化を前提にすれば、いずれ上げなければならないわけです。
そして、民主党は、共産主義を標榜しているわけではありません。

だから、一度彼ら(民主党)にやらせてみたらどうだろうか。

僕はそう思います。
それによって、「日本の正体」が国民の前に見えてくる可能性が高いと思います。
それは、この国で暮らす人にとって、非常に大切なことだと思います。

自由民主党か、民主党か?

それを政策的に選択するという「次元」ではなく、

「官僚お任せ政治」を続けるのか、それとも、「有権者が本当の選択肢を得るか」

そういった視点で選挙に挑むのも、ありじゃないでしょうか。

 

民間経済においても、「競合他社」の存在が私たちの手にする商品の品質を向上させるわけです。
私達に「選択権」があるからに他なりません。

しつこいようですが、自民か民主か?という次元より、「納税者≒有権者が少なくとも2つの選択肢を持つか持たないか」という視点が大切だと思います。

 

2009年5月17日 板倉雄一郎

 

PS:
ちなみに僕は、民主党員でも、自由民主党員でもありませんのであしからず。

メディアでは、細かくて、小難しい議論が続いていますが、そんなことではなく、55年体制を崩壊させてみるのが、「面白い!」と思うんですけどね。





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