2009年は一体どんな年になるのだろう・・・
経済を予測するということは、すなわち「人々がどのように行動すか」を予測することに他なりません。
個別企業の企業価値評価であれ、マクロ経済における為替や金利の動向であれなんであれ、つまるところ人々がどのように行動するかを予測することに尽きます。
経済は、人の心が動かしています。
人々の行動を予測することの難しさは、「人々が(ある一定の目的に対しても)合理的に行動するとは限らない」という永遠の課題にあります。
(たとえば、ポイントシステム・・・そんなの経済的合理性を前提にすれば、ポイントを発行する企業にとっては「無利子の借金が可能」や、「有効期限切れによる借金の無効化」などの経済的メリットがありますが、(顧客囲い込みという効果は、ポイントの相互交換によってその効果は薄れています)、ポイントを受け取る消費者にとっては、(同率の単なるディスカウントに比べ)「何のメリットも無い」にもかかわらず、現在ではポイントシステムは普及しています。)
そんな「予測の難しさ」を考慮した上でも、2009年は、2008年以上に、
「むちゃくちゃ悪くなる」
と予測できます。
というのも、このところのエッセイでも書いていることですが、
「2008年12月現在、多くの人々が本当のヤバさに気付いてない」
と感じるからです。
つまり、これから起こるであろう経済変動を、株価なり、消費なりが、「まだまだ織り込んでいない」と思うわけです。
経済の仕組みがわからなくても、明日の収入さえ不確実になれば、誰だって「やばいな」と気がつくことでしょう。
けれど、幸か不幸か、(一部の契約解除された派遣労働者などを除き)、一般的なサラリーマンのような「デット配分労働者」にとって現実的な心配事は、「ボーナス減るんだろうなぁ」程度のものでしかないのが現実だと思います。
「解雇するなぁ!!!」
などと叫んだところで、じゃあその人件費はどこから出てくるっつーの!
それが現実なのに、それに気がついていない人が、まだまだたくさん居ます。
何度も書いていることですが、現在「始まったばかりの」世界的な景気後退は、生産~在庫調整における周期的な(スタンダードな)景気循環の中での景気後退局面などではなく、これまでアメリカ流資本主義が成長してきたビジネスモデルそのものの崩壊です。
世界的な景気後退が、「ニュースの中での他人事」から「わが身の不安」へ進行するのが2009年ではないかと思います。
その意識が広まった頃に、たとえば、合理的な範囲を超えて株価が下落したり、将来に対する不安が治安を悪化させたり・・・そんなことが起こるように思います。
実のところ、「逃げ場」はありません。
あるとすれば、「自分の賢い脳みそ」だけが、逃げ場となるでしょう。
誤解を恐れずに表現すれば、経済的な成功は、たとえば株式投資においては、「相場が上げるか下げるか」ではなく、「読めるか読めないか」に依存します。
つまるところ、どんな状態でも「読めさえすれば」儲けることができます。
もちろん、金融システムが崩壊しない限り、という条件をつける必要がありますが。
円高は、実のところ我々日本で暮らす人にとって幸いです。
輸出で儲けられなくても、幸いこの国には「日本円の蓄積」があります。
日本の経済モデルは、あらゆる生活物資を世界から輸入する必要があります。
円高によって儲けられなくなっても、円高によって価値を増した円貯蓄を使って必要なものを買うことができます。
とはいえ、せっせと溜め込んでいるだけでは、いずれその自分さえ世界の景気後退の中でハッピーではなくなってしまいます。
せっせと稼いで、せっせと「自分が価値あると認めた対象に対して」使う。
使うのは、消費でも、投資でも、なんでも、とにかく「こういう企業が継続して欲しい」とか思う対象に対してです。
ああ、政治さえ真っ当なら、この国にとってまたとないチャンスなのに・・・
政治家の問題じゃなく、有権者の問題なのです。
もっと有権者が、様々なことを学習しなければならないと思います。
2008年12月12日 板倉雄一郎
PS:
「じゃあお前政治やれ!」って文句が来そうですが、僕には絶対に無理(笑)
だって、「つっつくところ」たくさんありすぎですから僕の場合。
その上、「有権者が馬鹿だ!」とか言い出してしまいそうですから(笑)
PS^2:
不景気の影響でしょうか・・・
(1)女性の反応
20代の若い女性を口説くと、「一生世話してくれるなら」といった趣旨の条件を提示されるケースが多くなってきました。
Hもしないで、一生のことなど約束できるわけがありませんし、そもそもそんな「他人依存の女性」には興味がありません。
そんな会話をしていると・・・
「だって女性には賞味期限があるから」
といった反応が返ってきますが、体を切り札にした取引の条件を提示したところで、賞味期限中に「長期契約」を取り付けられる可能性が高まるわけではありませんし、そもそもそんな条件を出していたら、結果的に長期契約になるかもしれないチャンスさえ逃してしまう可能性が高まるだけなのに・・・
不景気(=先行き不安)のせいではないかと思うのは僕だけでしょうか。
(2)世界が騒がしい
テロや暴動、世界中がなにやら騒がしくなっています。
暴動が起きているギリシャでは、20代の失業率が20%を超えているそうです。
暴動の本質的原因は経済問題ですよね。
PS^3:
そういえば、久々のメディア出演です。
(とはいえ、雑誌などの取材は結構受けていますけれど)
2008年12月13日(土)22:00~22:45
J-WAVE 大和証券MakeIT21(生出演)
この番組は2回目の出演ですが、DJのショーンKさん、感じが良くて話しやすくて、速攻OKしました。
ご興味があればお聴きください。
テーマは、
「100年に一度の大不況というのは本当なのか?」
「世界経済はそんなにダメなのか?」
「景気は本当にもっと悪くなるのか?」
「そんな今こそ自己投資すべきものは何なのか?」
「こんな今、自分の資産運用はどう考えれば良いのか?」
です。
僕、編集を伴わない「生」、もしくは、編集後に内容をチェックできる場合に限り、メディアへの出演をお引き受けいたします。