板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「サラリーマン起業とP.D.」

「サラリーマン起業(副業とも言う)」と、
「PD(プロジェクト・ドライブ)」(←企画単位の組織運営)と、
「PF(プロジェクト・ファイナンス)」(←PD資金提供と回収)と、
「SNS」(←プロジェクト提案と人材募集とその後の運営およびマーケティング手段)、
これらの相性は抜群じゃないでしょうか。

1、誰かが「単発事業プロジェクト」を思いつく。
2、自分だけでは能力や資源を満足できないからSNSで募集。
3、必要な知識、経験、資源が集まる。
4、PF業者(個人のエンジェルでも良い)が審査~ファイナンス
(母体は法人でもSPCでもLLPでも何でも良い)
5、ネットを屈指し、プロジェクト運営
6、収益を配分し、1ターン終了。
7、継続性が認められれば法人化という選択もある。

具体的プロジェクトとして様々思いつく・・・

スマホ・アプリ・プロジェクトあり、
電子に限らず書籍あり、
特定分野の知識や経験をシェアするセミナーあり、
特定目的のパーティー・イベントあり、
(キリがないので止めます)

この方法のメリットは、

1、本業の安定収入とプロジェクトのトレードオフにならず、プロジェクトでのリスクテイクが比較的容易。
2、プロジェクト参加者の収入の「デッド・イクイティー・バランス」の最適化が図れる。
3、ビッグ・プロジェクト以外のスモール・プロジェクトも実現可能。
4、収入が不安定、または、一度きりのプロジェクトも実現可能。
5、資金提供者による事業審査も「事業の収益性だけに限定できる」ので審査が容易、且つ、正否が早いので回収(または損失)の確定が早い。
6、継続的な法人化(つまり本格起業)へのテストにもなる。
7、プロジェクトと本業の間での知識経験のフィードバックが働く
などなど。

対するデメリットは、強いリーダーシップの欠如によるプロジェクト頓挫の可能性が比較的高い、ということが最も懸念される。

(実は「板倉雄一郎事務所」がまさにプロジェクト・ドライブによる活動拠点だったりもします)

【何が言いたいのか!】

僕が言いたいのは、

帰属する一つの企業に、仕事も収入も依存し縛られる雇用形態に異を唱える。

ということです。

なぜなら、社会にとっても、当人にとっても、人材がもったいないと思うからです。

(時代背景的には「一つの企業にガッツり縛られたい人」が多いのかもしれませんが、社会全体としては「稼ぐ機会と方法」が多様化した方が経済活性化に繋がると考えます。)

何も本業に競合するプロジェクトをやるべきだ、などと言っているわけではありませんし、本業の機密を盗み出せと言っているわけではありません。

実は、わざわざここで表現しなくても「やっている人は既にやっている」という現実が僕の周りに複数あります。
けれど、割と「こそこそ」やっている場合が多いので、もったいないと思うわけです。
もちろん、本業の雇用契約に「アルバイトの禁止」みたいな内容があるからなのですが。


毎度、シリコンバレーの話で恐縮ですが、スタンフォード大学のセンセ達は、確か最大5社までの社外取締役などの「アルバイト(?)」が認められていると聞きます。
10年ぐらい前の情報ですので、今はどうなっているか知りません。
実業からのフィードバックが講義の価値を高めるからという理由からです。
同時に、あまりたくさんの企業でアルバイトすると、本業が疎かになるということから5社という制限があるようです。
僕はこの方法、とても合理的だと思います。

一方、日本の大学のセンセの場合はどうでしょうか?
国公立大学であれば「いわずもがな」ですよね。
アルバイトなんてもってのほか。
その結果、例えば経営学部では「経営したこと無い人が経営について教える」という摩訶不思議なことが起こってしまうわけです。

まるで、

「アダルトビデオを1000本観て研究した童貞君の教えるセックス」

みたいじゃないでしょうか。
(もちろん、全てのセンセがそうであるという意味ではありません。誇張しています^^むしろ、そもそもセンセとして働く人の知識や経験を広げる手段を限定することは、もったいないという主張です。)

何しろ、人類はもっと「交わった方が良い」と思うわけです。
(↑ 僕がこんなフレーズを使うと誤解される場合が多いのですが、変な意味じゃないです。結構真面目に言ってます。)

2011年2月1日 板倉雄一郎




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