板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「シフト・アフター・リーマンショック」

リーマンショック以降の世界的な経済対策(≒金融緩和を含むバラマキ)の効果が、経済の川上・・・資源および資本市場・・・においてインフレとして顕在化しています。

川上でのインフレが意味するところは明確で・・・

「運用できる者」 と、「そうでない者」、の純資産の差が益々開くわけです。

また、日本においては川下デフレが続いていますから、日本国内を商品市場とする企業にとっては、川上インフレと川下デフレの狭間でキャッシュフローの減少が続き、

他方、成長著しい新興国や先進諸外国を商品市場とする輸出企業の場合は、川上インフレ分を商品価格に上乗せできる余地がありますから、(というより、そのような新興国の成長による需要増が川上インフレの原因の一つでもありますが)、「他国の巨大企業と競争を行える企業であれば」、業績は益々上向くでしょう。

産業のシフトが今後顕著に現れると思います。

 

様々なモノの流通の面でも変化が起きていますよね・・・

書籍の電子化、物販のネット通販化、映像音楽コンテンツのネット配信の増加・・・

つまり、ネット化できるモノは、なんでもネット化する傾向が「強く早く」なるでしょう。

 

金融の世界でも大きな変化が起きています・・・

それはすなわち、「お金のオフショア化」。

各国政府は、金融危機を引き起こした原因が一部の巨大な金融機関の高リスク投機にあるとし、金融機関に対する規制を強化させようとしていますが、その反動として、規制の緩いオフショアへと、投機資金が流れ、オフショアベースで世界の資本市場からお金を吸い上げています。

ネットであれば当然ながら世界リージョンで考える「頭」にシフトする必要があると思います。

 

他にも様々な分野、地域、産業にて、「シフト」を感じることが多くなりました。

シフトに乗れれば生き残れるし、儲けることもできる。

シフトに気がつくことができなければ、経済的に相対的劣勢になる可能性が高まる。

資産運用においても、普段の仕事においても、この1年間程は、「世界のシフト」に合わせた「自らのシフト」に注力すべき時だと思います。

この1年が、その後の10年を支配するような気がします。

 

2010年4月6日 板倉雄一郎

 

PS:

「愛は消えない」

なんだか安っぽい歌謡曲のタイトルのようですが、この言葉、最近とても胸に刺さった言葉です。

先日、ある育ちの良い女性との会話の中で、彼女から教えていただいた言葉です。

彼女は、両親や親族からの愛情をたっぷり受けて育ったせいで、他人から何かを奪おうとする姿勢が無く、それこそ、「Give and Given(・・・与え、与えられる)」という生き方が身に染み付いている女性です。

 

板倉:「〇〇〇は、家族からたっぷり愛情を注がれて育ったから、他人にも優しくなれるんだね。きっと将来〇〇〇の子供に対しても同じように接して、その子も同じように生きるんだろうね。」

彼女:「そうだと思う。愛は消えないんだよ。」

 

なるほどなぁ・・・「継承する」という言葉からすぐに思いつくのは、経済的資産や技術や文化ばかりだけれど、それらを包括的に運ぶのは「愛」なのだろう、と、つくづく思うようになりました。

さて、僕の愛は、(そもそも愛があるのかどうかさえわかりませんが)、誰に継承するんだろう???

ワンコや親は死んじゃうしなぁ・・・

こんな人、(性別も関係も問わずだが、もちろん深い関係を持てる男女の場合が最もいいですよね(笑))、と、常に接していられることは、僕自身の精神においてもポジな状態を維持できるのだろうと思います。

また、自身がポジの状態であるからこそ、こんな人が接してくれるのだろうと思います。

思い起こせば、昨年中、多数の「マニーちゃん」に遭遇し、時間とお金と精神を浪費したのは、そもそも自分の心に問題があったのだろうと、今になって思うところです。

匿名掲示板を読んだり投稿したりする行為、マニーちゃんをお金で釣って目先の欲望を満たそうとする行為、そんな行為を積むと、心がダークサイドに引き込まれていってしまい、普段の生活でもダークサイドに片足突っ込んだ人間ばかりに接することになるのだろうと思います。
(もちろん僕は、匿名掲示板には行かないですし、マニーちゃんをお金で釣ろうとも思ったことはありませんけれど。)

すべては自分から。





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