日本産の商品は、とかく「機能」を売りにする傾向があります。
確かに、すばらしい、世界に誇る、技術力ってことにはなりますし、それはこの日本を支える一つの大きな特徴でもあります。
しかし・・・
機能を売ろうとすると、売るモノの価値の大部分が機能ということになります。
そして、「機能」は、比較が容易です。
すると、誰にとっても価値算定が容易になり、常に顧客による「価値 <> 価格」の評価にさらされ続けることになります。
結果として、「薄利」ということになる可能性が高くなります。
たとえば・・・
トヨタ・プリウスは、燃費が〇Km/l、で価格が〇〇〇万円で、
ホンダ・インサイトは、燃費が〇Km/l、で価格が〇〇〇万円。
すると、「燃費価値 (比較) 車両本体価格」、によってシェアが決定される傾向にあるわけですから、(実際にそうですが)、つまるところ、「価格競争」に陥り、シェア争いで勝つ方も負ける方も「薄利」に成っていくわけです。
これ、日本人が、世界第2位の経済大国になったとはいえ、その実態は、「働き詰め」、ということの大きな原因の一つだと思います。
世の中、「価値算定がしにくいモノ」ほど、あきれた価格で取引が成立するものです。
たとえば銀座や六本木のクラブ(←ホステスが居る方ね)
そこそこの酒飲んで、結構コストのかかったいでたちの女性の「商売であるが故の」好意的な会話を楽しむだけで、年収600万円前後の平均的なサラリーマンの数か月分のお小遣いが、2時間程度で吹っ飛ぶなんて、「恋愛ゲームの価値」といった、価値算定のしようのない価値を認めなければ、まったく成り立たないですよね。
でも、「価値評価のしようのない価値」は、価値評価をしようがないがために、時として説明不能な価格での取引が成されるわけです。
超が付く高級車の場合も、白トリュフやDRCのような超が付く高級食材の場合も、LVMH傘下のブランド物も。
こういった「ブランド価値」を維持するためには、確かにそのための投資を継続しなければならない側面もありますが、その投資に見合ったリターン(←付加価値)を持っているわけです。
(「だから、銀座のクラブは不景気突入で真っ先に潰れるじゃないか!」という意見もあろうかと思います。
確かに、「ぽっと出」のインチキクラブは次々に潰れていきましたが、価値算定不能な価値の中でも、上質のサービスを提供し続けているクラブは、今でもスーパーリッチの愛顧を受け、しっかり付加価値提供を継続しています。)
価値評価不能な魅力・・・そういった価値を生み出せる企業がこの日本には少ないと思います。
(決して、無くは無いですけれど)
その原因は、価値を提供する側の人間に、「あそび心」、を洗練する機会が少ないからだと思います。
簡単に言えば、「提供する側が「エロさの価値」を知らない」ということに成るでしょう。
いいのかなぁ・・・いつまでも「機能」を唯一の付加価値としている日本企業・・・
参考エッセイ:ITAKUR’s EYE 「エロさの経済価値」
2009年6月17日 板倉雄一郎