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ITAKURA’s EYE 「俺のモノ、という価値」

たとえば、カーシェア。
たとえば、ルームシェア。
たとえば、家具付き、資金礼金ゼロの賃貸住宅。
たとえば、クラウド・コンピューティング。
たとえば、SAAS(=Software As a Service)。
たとえば、自分だけの冷蔵庫より、必要なときのコンビニ利用。

・・・書き出したらキリが無い程、モノや機能の「所有」から、「サービス利用」へと消費や生活のトレンドが変化していると思います。

「俺のモノ」、より、「俺の便利」、へと。

トヨタの歴史に残るキャッチコピー・・・「いつかはクラウン」(笑)に代表されるように、「自分だけのモノを使途に応じて所有する」、という消費欲は減衰し、「気持ちのいいサービス」、「無駄の無いサービス」、「負担にならないサービス」へとトレンドが変化していると思います。

マツダ(だったかな)のようなモノ作り企業自らが、カーシェアサービスに乗り出すケースも出てきています。

お金がないから、「しかたなく」、そうしている。のではなく、本質的な「変化」だと思うわけです。

持続的な景気回復があるとすれば、それは「バラマキ効果」、「救済効果」によるものではなく、生活者のトレンド変化に合致したビジネスモデルへ、ドラスティックに変化できる企業群による景気回復となるのではないでしょうか。

この変化、金融危機⇒世界的な不景気、という「悪いきっかけ」によって加速しているようですが、意外と「社会の進化」ではないでしょうか。

これまでのビジネスモデルを延命することは、なおさら社会のコストを増大させるだけに思えてなりません。

関連エッセイ:
など多数。

2009年3月27日(二つ目のエッセイ) 板倉雄一郎

PS:
僕は、オッサンですから、「いつかはクラウン的」な所有願望が、少なくとも現在の若い世代よりある方です。
そんな僕としては、ちょっとがっかりなトレンド変化だと思います。
いい車乗ってても、その効果(?)は、自分の満足に限定されますし、友人と、「俺の車の方が速いぜ」とか、「俺の車の方が高級だぜ」といった良い競争も、最近はまるでありません。
車に限らず、「俺の~~」という「押し出し」には、既に価値が無いのだろうと思います。

そういえば、「あの娘は俺の女だ!」なんて台詞、ぜんぜん聞かなくなりました(笑)

それが社会の「変化」ですから、ビジネスという意味では、その変化を感じ、変化に応えられるようなビジネス展開をすればよいことです。

けれど、なんか物足りない(笑)
古くなったんですよね。僕の感性も。




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