板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「バイアウト・イクジットという選択」

このところのネットビジネスモデルの競争優位性(乗り換え防止性)として「顧​客資産預りモデル」が挙げられます。

人間関係資産をfacebookが、
音楽資産をAppleが、
メール、スケジュール、フォト資産をGoogleが・・・

書籍資産を裁断サービスと共に提供したり、
映像資産をアップロードサービスと共に預かるサービスなども沢山出てくることでし​ょう。

このような「顧客資産預かりモデル」は「数少ない勝ち組とそれ以​外」という市場占有率を形成する可能性が高いわけですが、その過程で多く​のM&Aも発生すると思います。

つまり、「わずか」1万人の顧客資産をもつ企業から顧客を「奪うより買う​」というケースが増える可能性です。

もしそうであれば、起業家の一つの選択肢として、
「どうせ勝てやしない」と諦めるより、
「ビッグプレイヤーを超えてやる!」と鼻息荒く構えるより、
将来のバイアウト・イクジットを戦略上の選択肢に入れた事業も成​り立つと思います。

【ただし!】
バイアウト・イクジットを「選択肢」とした戦略ではなく「唯一のイクジット」とした場合、収入モデルの確立がなされない場合が往々にしてありますが、これは危険です。
なぜなら、バイサイドから観て「放っておけば干上がるはずだ」と足下を見られるからです。
バイアウト・イクジットは、あくまで「一つの選択肢」とした戦略を採用すべきです。

以上、クラウド時代のベンチャー戦略の一つの提案です。


【ところで】顧客資産の預かりサービスとして古くからある業種は何でしょうか?


これは簡単すぎますね、いわずもがな「金融業」です。
まさに「クラウドサービスの走り」ですね^^

だから彼らは何か事業継続上の問題が生じるたびにM&Aを繰り返しているわけですね。

2011年7月19日 板倉雄一郎

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