板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「日本人は気が短くなったの?」

最初にお断りしておきますが、僕は民主党員でもなければ、民主党政権を特段に支持・応援しているというわけではありません。

民主党が圧勝してからというもの・・・

「そんなの実現不可能じゃないか!」とか、
「既に始まってしまっている事業だから停止したら影響が大きい」とか、
そんな話が主にメディアを通じて流れていますよね。

たとえば・・・
「(ダム建設の)予算の2/3を既に使ってしまったから今更停止するのは云々かんぬん・・・」とか、
「(様々な予算の)基金の一部を支払ってしまったから今更返せてとはいえない」とか、
そんな理屈が通るのなら、「変化」なんてできっこないですよね。

民主党の圧勝は、有権者の大多数が「変化」を求めたわけじゃないですか。
そして、「変化」を実現する上では、様々な予測可能/不可能な副作用が伴って当然ですよね。
さらに、「すべての人を満足させる政策」なんてこの世にあるわけないですよね。

と、ここまで書いて、直近の過去の何かに似てるなぁ・・・と思っていたら、思い出しました。
自民党員みんなで選んだ「はず」の麻生党首(内閣総理大臣)についても、選んだはずの自民党内部での足の引っ張り合いによって、う~んつまりは「オウンゴール」によって敗北したんじゃなかったですかね。

まだ政権運営は始まってないですからね。
しばらく「期待しながら見守る」ってできないんですかね。我々日本人は。

この現象、ベンチャーファンドやっていたときにも同様のことを感じました。
ファンドの資金の一部を、一つのベンチャーに投資したその一月後、LP(ファンド出資者)から・・・

「で、どうですか、うまくいってますか?」

ってか、デイトレファンドじゃないんだから、ベンチャーに投資して一ヶ月でどうにかなるわけ無いじゃないですかね。

その昔、ハイパーネットというネットベンチャーを経営していたときにも同様のことを感じました。
事業がスタートしてわずか半年後・・・

「計画より遅れていますよね。ナスダック上場も延期ですよね。金返してください。」

ってね。

 

「欧米は四半期ごとの成績を求められるが、日本の事業文化は長期的な視点に立っている」

なんてことが言われた時代もありましたが、ずいぶん違いますよね。

そりゃ、首相がころころ変わったりする国になるわけですわ。

日本人って、いつから、「気が短くなり」、「足の引っ張り合い」が趣味になってしまったんですかね。

 

2009年9月4日 板倉雄一郎

 

PS:
だから僕は、「他人のお金に依存しない」と思うようになったわけです。
それは、自己資本であっても、有利子負債であっても。
やってられないもの。うざくって(笑)

PS^2:
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よろしくお願いいたします。





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