板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「週中の徒然」

月曜日、火曜日とエッセイをお休みしてしまいましたので、本日は溜まったネタによる徒然です・・・

<楽天・TBS買収・提携を断念~TBS株売却へ>

この件、ライブドア騒動のかぶる部分が多かったので、特に触れませんでした。
買収による事業拡大「そのもの」に、経済的効果(←企業価値の最大化)が期待できない(=提携で十分)というのが僕の考え方ですから・・・と書き始めたら大昔のエッセイを思い出しました。


買収とそれによるシナジー効果を当時のライブドア騒動に絡めてわかりやすく物語り化した文章です。
是非お読みください。

それにしても、当時の三木谷氏は、実業家としての夢の実現にむけて、やりたいことをやれたのではないでしょうか。
もちろん、現在の三木谷氏にしてみれば、「余計なこと、しなきゃ良かった」ってことなのでしょうけれど。莫大な損失ですからね。

「人は、やってしまったことより、やらなかったことを深く後悔する」
(words by どこかの詩人、だったかな)

ネットバブルが崩壊した直後、いくつかのネット系上場企業の経営者の口から・・・

「あの時、富士通とか買収しておけばよかった。家の方が時価総額でかかったからねぇ」

なんて言葉をよく聴きました。
「やらなかったことに対する後悔」は、三木谷氏の当時の活動を指を加えてみているだけでしたから、なおさら後悔の念が積みあがったことでしょう。

お食事会で、気に入った女性を見つけ、それがとんでもなく気に入ってしまったせいで、なかなか誘い出せず無念を味わった時の方が、玉砕した時より、その無念は後に残りますからね(笑)

かく言う僕も、「やってしまったクチ」ですけれど・・・

<追加景気対策>

麻生総理は、定額給付金や高速道路料金値下げに対する国民の支持の高さを見て、「バラマキをやればやるほど支持率が上がる!」なんて勘違いをしていなければ良いですけれど。

それにしても、バラマキを受ける国民の大部分は、「受け取る側」ばかり見ていますよね。
結局、将来の自分が出しているだけ、なのにね。

国民(=有権者)がそうだから、どこの国の政治も、「今のことしか考えない状態」になってしまっているんですよね。
世界的に、ドンでもない後遺症に苦しむ将来が待っているような気がしてなりません。

<SDR構想>

ドルの信認が揺らいでいる現在、SDR構想に対する姿勢から世界のバランスオブパワーが見て取れます。
日米は、(というか戦後は、常に、米=日なんですけれどね)、ドル基軸維持に「当然」賛成。
ユーロ圏、そしてブラジルやロシアなど資源国は、SDRに賛成か、または、ドル基軸に疑問。
特に重要なのは、最も「ドル資産(=米国債)」を多く持つ中国がSDRを推し進めようとする姿勢は、アメリカにとっては脅威ですね。

喧嘩すんなよっ!

<世界経済マイナス成長~景気対策やるならど~んとやるべき>

メディアからは、連日、各国の財政出動、金融緩和などが伝えられています。
けれど、「連日伝えられる」ということは、「その一つの政策」では効果が薄いということでもあります。
実際、毎日ニュースを追いかけている僕も、日本に限っても、一体どれほどの政策が平行しているのか、徐々にわからなくなってきたぐらいです(笑)

企業経営に失敗した僕の経験から言わせていただくと、「小出しにちょろちょろやっているのでは対処療法にしかならない」、ということです。
出てきた一つ一つの問題に対して限定的な政策をちょろちょろやる・・・これじゃダメ。
延命にはなっても再生にはなりえない、か、または、再生までの時間とコストが余計にかかる。

だから、「やるんだったらど~~~んと一気に!」、じゃないとね。

「追加」の必要の無い政策が必要なのだろうと思います。
その方が、後遺症も少なくて済むはず。

GMの例が物語っています。
このまま延命を続けても、社会コストが膨大になるだけ。
その上、GMのような巨大企業の「体質改善」なんて、そう易々とできるはずもありませんし、そもそも「体質改善」には、膨大なコストが必要なのは言うまでもありません。
事前協議破産が最も合理的だと思いますけれど。

2009年4月1日 板倉雄一郎

PS:
エイプリルフールですから、よっぽど冗談エッセイを書こうと思いましたが、そういったエスプリの効いた文章を書くのって、結構エネルギー必要なので、お遊び疲れモードの本日は、止めました(笑)

PS^2:
このところ、世界の株価は、「割と」堅調に推移していますが、のんきだなぁと思います。
たとえば、皮膚の損傷など、体の「一部」の損傷なら、短い時間で治るわけですが、体全体が機能不全に陥ってしまうと、そう簡単に治らないわけです。
それと同じように、2007年から顕在化した金融危機(←循環器系の危機)と、それによって起こった経済減速(←腎臓、肝臓などあらゆる臓器の不調)は、体の全器官の不具合ですから、ICUにて医師による治療がなければ治らないですよね。
でもね、ICUや「医師」といった「外部の人間」が居ないのが世界ですから。

2009年の後半は、「良くなるはず!」と言っている人が多いですが、僕はそうは思いません。
むしろ、ボディーブローが効いてくる時期ではないかと思うわけです。

世界経済が再び浮揚するとき、今とは全く違った世界経済地図になっていると思います。

PS^3:
春って、やっぱり恋の季節だと、毎年感じます(笑)
恋って、実は、「混乱」であったり、「冷静な判断力の欠如」あたりから生まれるのだろうなと思います。
それが人間らしさであり、面白さでもあります。

読者の皆様も、恋を楽しみましょう!(←なんのこっちゃ)




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