AIGの救済策が発表されました。
(僕は、このニュースを見逃したまま一つ前のエッセイを書いたのでアップデートです。)
ニューヨークも、東京も、このニュースによって、少しだけ強気になっているようです。
AIG救済発表⇒投資家の心理(少々)回復⇒ドルが買われ(=円が安くなり)⇒東京の輸出企業が買い戻された。
という因果でしょうけれど、問題の本質は(少しは良くなったが)解決していない、と僕は思います。
確かに、「何もしないでほったらかしで万歳!」となる場合に比べ、「問題の先送り」はできたと思います。
そして、米経済の回復に少なくともプラスになったとは思います。
しかし、AIGが債務保証するCDSが行使されなくなったわけではありませんし、そもそも「アメリカ合衆国の経済」という枠組みの内部での資金の融通(公的資金による救済=米国民の負担)に過ぎませんから、重大な危機は回避できた代わりに、将来へのツケを残した、と言えるでしょう。
次の破綻懸念先が出てきた場合も、Too Big To Fail の場合には、更なる政府または中央銀行による救済をするのでしょうか・・・一度やったら止められない麻薬にならなきゃいいのですけれど。
とはいえ、他に対処のしようが無いですから仕方ないですけれど。
2008年9月17日 板倉雄一郎