板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「お食事会の経済学」

過去のエッセイでも書いたとおり、2007年11月には、ほとんどのポジションを解消し、「次なる仕込み時」を狙っている僕としては、「投資は焦る必要は無い」と自分に言い聞かせながら、日々を過ごしています。

今のところ、エコノミストや経済評論家なる方々が仰るような「直近の回復」は非現実的に思いますし、最新の「日経ヴェリタス」にて特集されている「配当利回りに着目した投資」についても「国債より利回りが高い」なんてレベルでは、とても投資に値しません。

株価も一時期に比べ相当に下落している一方、「本当に価値ある企業(=時間経過と共に株主価値を増大させるであろう企業)」の株価は、その価値に対し(僕の価値算定では)まだ割高である場合が多く、どうにも手が出ない状況が続いています。

そんなことで、ここ数年の仕事三昧で失った「懲りないくん」活動を経済状況を横目で見ながら、淡々と、しかし精力的にこなしている毎日です(笑…いくつになってもアホですねぇ…)

(前置きが長くなりましたが)「お食事会の経済学」と題して、レストラン&男性陣&女性陣の基本構造について僕なりに書いてみたいと思います・・・。

新装開店「キャバクラ」の経済学なる書籍がありましたが、あそこまで綿密な内容ではありませんので悪しからず)

自分で言うのも何ですが、僕のお食事会での言動について、その場に同席した後輩(たとえば起業家、セミナー卒業生、僕の本や過去のエッセイの読者など)は、口をそろえて「(板倉の言動は)勉強になる」と評価される場合が結構あります。

そんなウソかホントか(少なくとも僕には)評価のしようがない噂のおかげで、たくさんのお誘いがあり、結果、この数か月間は平均して週に三本ほどのお食事会予定をこなしています。僕としては、「女性目当て」が無いわけではありませんが、男性陣のそんな期待に応え、彼らとの交流を深めたいという思いの方が、実はお食事会参加の主な動機だったりします。(とはいえ、めちゃくちゃ好みの女性がいると、そんな初期動機はどこかに吹っ飛んでしまい、「持ち帰り」に必死になっている自分がいて、結構みっともないのですが…)

誰がどういう理屈で決めたことか分かりませんが、お食事会について物心が付いた頃から、いくつかの暗黙のルールが存在しています…。

1、幹事は、自らの出逢いより、招待メンバーに「出逢わせること」に注力せねばならない。
2、お食事会コスト(←飲食代)は、男性陣が100%負担する。
3、女性陣が終電時間を越えて付き合った場合、男性陣がタクシー代を負担するか、車で送るかしなければならない。
他にも細かいローカルルールがたくさんあるでしょうけれど、基本は以上のようなことになっています。

読者の皆さんもご存知だと思いますし、自然と流れに乗って、暗黙のルールを受け入れていると思いますが、ニュートラルに考えて、どう思いますか?

「それじゃ、水商売と変わらないじゃないかよぉ!」

って思いませんか?(笑)

水商売と違うところは、「お金の流れ方」と、それによって感じる「気持ち」でしかありません。

水商売でのお金の流れは、「男性客」⇒「お店」⇒(その一部が)「ホステス」⇒(さらに言えばその一部がサパーなどアフターでホステスが浪費するお店)ですが、
お食事会のお金の流れは、「男性陣」⇒「お店」、で完了するという違いは確かにあります。

したがって、女性陣は、「お金で買われているわけではない(=ホステスではない)」という意識を持つことができますし、男性陣は「水商売にお金を使っているわけでは無い」という意識を持つことができる訳です。

しかし、「お金の流れ」だけではなく、「経済価値の移転」という視点で考えれば、どちらの場合も・・・

「男性陣の経済価値」⇒「お店の利益」+「女性の飲食代」
(男性陣も飲食するわけですから、その分も考慮すべきですが、それはそもそも男性陣が持っている経済価値の内部循環なので相殺しています。)

となるわけで、基本構造はさほど違いがありません。

一点、違いがあるとすれば、上記の「参加者の意識」と、それによる利害関係者(男性陣、お店、女性陣)の利益追求度合いだけです。

確かに、女性陣にとって、流動性の高い「現金」を受け取る水商売と比べ、店を決定した時点で得られる経済価値が「その店の料理とお酒」に限定されるお食事会での違いはあります。男性陣にとっても、「お金を直接求める商売上の女性の発言」という水商売の場合に比べ、「(多少)本当の気持ち度合いが高い女性の発言」を得られるという違いは否定しません。

が、結局のところ、その後の個別デートでも、お食事会と同様、男性がコストのほとんどを負担するわけですから、やはり『経済価値移転という視点で見れば』、水商売とお食事会の構造はほとんど違いが無いわけです。

1、その上、少なくとも女性のルックスに関する保証は、お店を厳選すれば水商売の方が遥かに高いですし(笑)

2、その上、お店の選択の仕方によっては、男性陣の吐き出す経済価値は、水商売の方が安かったりしますし(笑)

3、その上、水商売の場合、女性の側が明らかに「私の商売」という認識があるために、クロージングに難はありますが、絶対に不可能ではありません。事実、忙しかった頃の僕は、そのころ同棲した彼女の多くは、水商売上がりでした。

4、その上、水商売の場合、女性の側が明らかに「私の商売」という認識があるために、アフターの「お礼メール」など、いわゆる常識的なマナーをしっかりわきまえています。

お食事会参加の女性は、「お礼」という認識が無い馬鹿者が結構います。何というか、「私の時間を割いてあげたんだから」という意識でもあるんでしょうか?

つまり、何が言いたいのかというと、これまで書いてきた「参加するときの気持ち」の違いに、お食事会というシステムの存在価値があるに過ぎないということです。
つまり、人は、「気持ち」に対して相当な経済価値を認める傾向がある、と行動ファイナンス風には解釈できるというわけです。
食べもの、飲みもの、出会う異性には、さほど違いが無いのにです。

ここで一つ、「お食事会のビジネスモデル」を実践しているある女性を取り上げたいと思います・・・

僕は先日、この女性が女性陣幹事を務めるお食事会に、友人男性からのお誘いでマンマとハメられました(笑)

以下、そのお食事会で初めて会った「お食事会のプロ女性」(以下:プロ女性)からのその後のメールの抜粋です・・・(もちろん個人が特定できるような部分は削除しています。)

彼女からの丁寧な「お礼メール」に対し、僕の「脊髄反射(無条件反射)」による・・・
「幹事ご苦労様でした。何かイベントあれば是非誘ってください」(←概略)
という、それこそ僕からの「お礼メール」に対する彼女からのメールが以下の通りです・・・

「再来週でしたら〇日月曜日か〇日金曜日が空いてて、再々週でしたら〇日水曜日以外の平日が空いてますがいかがですか(デコメ文字)

男の子ですか(デコメ文字)
そうですね(デコメ文字)爽やかな感じの方がいいです(デコメ文字)

後は、できたら食事にうるさい女の子が多いので、まずくない所がいいです(笑)(デコメ文字)」

これ、どう思います?

PC画面で見ると、大した文字数ではないですが、ケータイの画面で見ると、何だかわんさか、しつこく、お食事会で予定を埋めたがる「お食事会中毒」がうかがえます。

僕は、滅多に頂いたメールを無視することはしないのですが、さすがにこのメールを見たときは、辟易してしまって、返事をする気が無くなり、結果無視することになりました。彼女の伝えたいことは、最後の一行「飲食店選び」に集約されていることが、後に判明します。
 
こういうときは、男性陣ネットワークによる情報収集の出番です。

早速、彼女に関する情報を集めたところ、複数の男性からいくつかの情報を得ることができました。

彼女は、
1、ほとんど毎日、お食事会の幹事を務め、
2、お食事会の場所(飲食店)は、上記の彼女からのメールにあるように「食事にうるさい女の子が多いので」と飲食店を彼女が指定し、
3、その上、「飲食店情報」をさも自分のコストで飲食したような書き方でブログ掲載している。
 
という、ある意味「お見事なビジネスモデル」を実践している女性であることがわかりました(苦笑)

悪意があるわけではありませんし、そこそこの女性陣を調達するし、お食事会の場では、しっかり幹事を務めるわけですし、毎日飲食店情報を社会に提供し、毎日女性と男性の出逢いの場を提供しているわけですから、、、毎日いいものを無料で食べられることぐらいは許せると思います。
 
けれど、「自分のブログ執筆(によってどれほどの経済価値を受け取っているのか僕にはわかりませんが)のための飲食店選び」を、調達する女性陣の都合(←自分の欲求ではなく他の女性の欲求)のように表現する姿勢はいただけないと思います。
 
その上、僕ら男性陣は、「いい金づる」という彼女の認識が、メールの内容と集めた情報からにじみ出ているわけですから、何ともいえない不愉快な気分になります。
 
以上で表現したいことは、「プロ女性」の批判ではありませんし、そんな「プロ女性」は彼女以外にも実はたくさんいるのだと思います。

表現したいことは、「そんな彼女たちを生み出しているのは僕を含めた男性陣である」ということです。彼女の言動によって受けた僕の不愉快さは、元を正せば、自らの行動の累積によって生み出されているという反省に繋がります。
 
「プロ女性」本人は、自ら行っていることを十分認識しているでしょうから、勝手にやっていれば良いと思います。けれど、彼女に誘われ、ある意味彼女の『道具』とされている女性陣については、少々危惧する部分があります。
 
若い女性である、ということ以外に取り立てて長所があるわけでもない女性が、プロの水商売女性(の場合、稼ぎのために自分を磨くことに結構なコストをかけています)のように、連日の「無銭飲食」と「その場限りの」男性からのチヤホヤに溺れ、自らを勘違いし、自分を磨く努力を怠り、あるとき突然、お誘いがなくなり、本当の自分に気付いたとき、失った時間を取り戻すことができない事にどう向き合うのか。

余計なお世話だとは思いますが、とても気になります。

と同時に、既に書いたように、そんな彼女たちを生み出しているのは、自分自身であることに対する反省も膨らみます。
 
「玉の輿」に乗れるのは、彼女たちの恐らくは数%に過ぎないでしょう。大部分の女性は、「あのときの私は輝いていた!」という幻想を抱えながら、納得のいかない結婚生活を続けることになるとすれば、不幸な人が大部分を占める社会になってしまうかもしれません。

そんな社会は、いただけないですよね。
 
つまるところ、以上の現象の根源を突き止めようとすれば、やはり、「男性諸君がだらしない」からだと思います。

もちろん、現在の僕自信も含めて。
 
お金を効率よく、自分と社会のために投資する。
ここでも、「お金は社会に対する議決権」という言葉が浮かびます。僕自身も、「言ってるだけ」ではなく、しっかり実践しないといけないですね。
 
以上、本日は、かるぅ~いノリからスタートしましたが、書いているうちに自らが抱える自らに対する疑念にたどり着きました。
 
2008年中は、恐らく、お遊びを続けることになると思います。
けれど、そんな活動から、何かを学び、再び本当の自分に戻り、社会に対する価値を提供できる状態に成れれば幸いです。
 
2008年9月10日 板倉雄一郎
 
PS:
本文で書き損じたお食事会観察について、箇条書きにて・・・
 
1、明らかにお食事会用スペースを持つ飲食店、増えましたよね。
2、男性陣は、車を持つことより、都心に住居を構えることに消費の向きを変えていますよね。飲酒運転の規制、駐車違反の規制の強化の影響でしょう。
3、パーティーでも、お食事会でも、男性陣を集めることの方が難しい場合が多くなっているようです。先日の大規模パーティーでも、女性360名!男性180名!なんてことがありました。コストを負担する男性陣が経済状況の悪化の前で自粛しているのでしょう。
(以下、私事で恐縮すが)
4、昔ほどクロージングへの執着がなくなっている自分を認識して、「老い」を感じます(笑)
クロージング率の下落は、自らがモテなくなったというより、自らのその勢いの減少が原因であることを、友人から指摘され反省中です(←なんのこっちゃ…)
5、ナビの進化のおかげで、昔のように都内の道順がすぐに頭に浮かばなくなりました(笑)
6、お食事会には可能な限り車で出かけるようにしています。お持ち帰りのためではなく、アルコールを飲む機会を積極的に減らす為にです。昔ほど飲めなくなりました。
でも、年齢を考慮すれば、元気ハツラツです(←本当に年齢相応の言葉です(笑))
以上。





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