板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「GDPマイナス12.7%」

10~12月期のGDP(年率換算)マイナス12.7%ですよ。
1~3月期も、間違いなくマイナス成長でしょう。
2009年が終了して、12.7%のマイナス成長だったとしても、結構「良い数字」だといわざるを得ないでしょう。
こんな状況では、企業の利害関係者(=顧客、従業員、取引先、債権者、株主、政府や地方自治体)のすべてが損失を蒙っているわけです。
非正規雇用者だけが、被害にあっているわけではないのです。
優しさや情にを持ち出し、「仕事くれぇ!」と叫ぶばかりの「くれくれ人間」は、一体誰に向かって「くれくれ」と訴えているのでしょうか。

普段から、お食事会や仕事などを通じて、景気後退を肌で感じている僕からすれば・・・

「何を(数字が出た)いまさら驚いているのでしょうか」

というのが本音です。

暮らす場所が無い、とか、
仕事が無い、とか、
社会が優しくない、とか、
そんな次元の話じゃないですよ。

とりあえず、「未だ」、戦争になっていないだけマシだと思います。
歴史が繰り返すのだとしたら、戦争になってもぜんぜんおかしくない状況です。

でも、戦争なんて嫌ですよね。
だから、散々訴えているように、「自分が社会のために何ができるか」を、真剣に考えなければならない時なんですよ。

他人から奪うことばかり考える人間が大多数になれば、それはすなわち「戦争」を意味することになります。

私事で恐縮ですが、僕の母上は、今年で満70歳。
けれども、現役の看護婦です。
お金が欲しいわけではなく、ただひたすら、「仕事が好き」&「他人に何かを依存するのがいや」で続けてきています。
母の職場では、「人材不足」です。それもあって、仕事を続けているという理由もあります。
仕事が世の中に無いわけではないのです。
ワガママな僕や、家族に「してもらうだけ」のとんでもない父親を抱え、一人粛々と働いてきた母は、したがって、お金に困っては居ませんし、至って健康そのものです。

母が言います・・・

「最近の医者は、患者の顔なんてぜんぜん診ない。
 医療機器がプリントアウトしたデータしか見ない。」

この例に象徴されるように、世の中、本当に見なければならないもの、本当に考えなければならないことを忘れてしまっているのだと思います。

GDPがどうのこうのって、実はどうでもいいことなんです。
それは、人々の営みの「結果」に過ぎないのです。

しつこいようですが、「社会が何をしてくれるのか」を考えるのではなく、「自分が社会に何をできるのか」を真剣に考えなければ、とんでもないことになる可能性が高いのです。

各国政府や中央銀行による経済対策は必要でしょう。
しかし、それらが経済を本質的に立て直す力にはなりえません。
それらの経済対策は、人々が「社会に価値を提供しよう!」と思える「きっかけ」に過ぎないのです。
一人ひとりが、「自分に何ができるか」を考え、行動しなければ、現在の経済対策は、経済をぶち壊す原因にしかならないのです。

何度もしつこいですが、「お金がどこからか沸いてくるわけではない」のです。
政府の財政出動とは、「私達の将来の負担」に過ぎないのです。
財政出動をきっかけに、皆が努力しなければ、想像を絶する悲惨な将来が待っているだけです。

自分自身と、社会全体の両方を考えましょうよ。
今、僕ら一人ひとりができることって、「絶対にあるはず」です。

皆がそう考え行動することができれば、後に、「金融危機って、人類にとって、人類の継続性の上で、本当に良いきっかけになったよね。」といえる未来が待っていると思うのです。

とにかく、今の自分が、「くれくれ人間」になっていないかどうか、考えてみてください。

僕は今、極めてオーソドックスですが、皆がハッピーになりえる「文章」をひたすら考えています。
それを書籍として発表し、自らも印税で「ちょっとだけ」ハッピーになり、自らの文章が、皆をハッピーにできる「本当のハッピー」を得られないだろうかと、毎分考えています。

どうにかがんばってみます。
みんながんばって見ましょうよ。
くれくれ言ってる自分が恥ずかしく思えるようになりましょうよ。

2009年2月16日 板倉雄一郎





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