板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「底打ちの兆し!?」

国際政治情勢的には、不穏な動き(保守主義、インドや中国などの新興国の軍事力増強など)が、報道されていますが、一方、先進国の経済情勢的には、(欧州を除き)「底打ち」の兆しがポツポツと報道されています。

特に日本においては・・・
不動産の大口取引が上昇傾向にあること、
都心部の不動産価格が下げ止まっている「傾向」にあること、
日本企業の外国人持ち株比率が下落した一方で、個人の比率が高まっていること、
企業の連携による物流の合理化が進んでいること、
アジアへの日本企業の進出が加速していること、
そして、他でもなく、株価が上昇トレンドにあること。

これらのポジティブなニュースをポジティブに捉えれば、
「いよいよ景気回復期に入ったか!」

と思えなくもありません。

 

しかしながら、物事は、「捉え方」によって如何様にも変化します・・・

不動産の大口取引が上昇傾向にあること・・・

それは、当該不動産の収益予測から得られる価値が極めて下落し、それ以上に売り手の状況が厳しい結果、買い手にとって「価値 >> 価格」という状態が形成されているに過ぎないかもしれませんし、

都心部の不動産価格が下げ止まっている「傾向」にあること・・・

それは、「異常なまでの経済的危機感による価格下落」が収まった程度に過ぎないかも知れませんし、

日本企業の外国人持ち株比率が下落した一方で、個人の比率が高まっていること・・・

それは、価値算定の手法を持たない個人が、「なんとなく」買い進んだ結果に過ぎないのかもしれませんし、

企業の連携による物流の合理化が進んでいること、や、
アジアへの日本企業の進出が加速していること・・・

それは、「しかたなく」、やっているだけなのかもしれません。

 

何らかの明確な根拠が無ければ、いかなるニュースも、「捉え方次第で」、ポジにもネガにも捉えることができるわけです。

一度、ポジかネガか、どちらかのモードに心理が固着すると、あらゆるニュースにバイアスをかけて解釈するようになります。

そして、多くの場合、そのバイアスによる判断が裏目に出るわけです。
(↑ という考えは、ネガティブなように思われるかもしれませんが、むしろ客観的だと思っています。)

 

僕は、こう考えます・・・

経済は、お金回り(キャッシュフローの活性化)によって、好景気と成り、その逆もまた真なりです。

お金が滞りなく回る状態・・・

国内、海外、政府や中央銀行、企業、個人・・・これらのすべての部分において、合理的なファイナンスが行われる状況でなければ、経済は継続的で妥当な範囲の成長を遂げることはできないわけです。

さて、失業率が上昇している現在、そんな環境になりえるでしょうか。

僕は、まだ、時間が必要だと考えます。

 

以上は、一般的に「ネガティブな発想だ」と解釈されるかもしれません。
けれど、リスク(=不確実性)を、客観的に捉えず、ただただ「イケイケ!」で行動することが、本当にポジティブなことなのか、僕は大変疑問に思います。

 

読者の皆様もご存知の通り、「長期金利」は、上昇傾向にあります。
当然ながら、「バラマキ原資の調達」による各国の国債価格の下落に直接の原因があります。
このように、バラマキによる名目成長が得られても、他方で、長期金利上昇によって実質成長は打ち消されてしまいます。
長期金利の上昇は、あらゆる企業や個人の「資本コスト」が上昇し、経済の「ブレーキ」となるからです。

とどのつまりは、「人々が社会に対する価値提供を増大させない限り」、実質経済成長には「絶対になりえない」のです。
これもまた、ネガティブな発想だと思われてしまうかもしれませんが、言い方を代えれば、「人が働くことによって初めて経済が成長する」、と言っているわけですから、実は、極めてポジティブな発想だと思います。

逆に言えば、政府がバラマキを行ったことによって、人々が、「社会に対する価値提供を増加させもせず」、人々が優雅な暮らしを享受できるとすれば、それは、「おかしな世界」だというわけです。
(クレクレ人間ばかりの世の中なら、一体誰が与えるのでしょうか)

有給休業の方々が増加する中で、一体どうして「実質成長」に移行するというのでしょうか。

僕にはさっぱりわかりません。

 

2009年5月26日 板倉雄一郎

 

PS:
昨日のお食事会は、この1年のお食事会活動の中で、最も「目の保養」になったお食事会でした。
ネットで検索すれば、彼女たち出演のVシネ、DVD、深夜番組、写真集などが、直ちに、いくつも、出てくるような「グラビアアイドル」など10名以上。
さすがの僕も、目移りするわ、(僕がオッサンだから)壁を感じるわで、手も足も出ませんでした(笑・・・口は出てたけど)

まあ、こういうのもたまにはいいですよね。

でも、それ以上に、「いつものメンツ」の底力を見せ付けられたことに感動です。
結局のところ、夜のセッティング能力の高い人間は、仕事もデキルわけですよ。

これこそ、「エロさの価値」、に他ならないと思った次第です。

いやぁ~参った参った(笑)

今回のお食事会をセットいただいた、「一見新橋のサラリーマン」AK氏に感謝です。

ありがとう!





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