板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「読者からの意見や感想そして情報」

今日は、ちょっと嗜好を変えて、一般読者の方々や当事務所プレミアクラブ会員の方々からの様々な意見や感想などをいくつかご紹介したいと思います。

<モノづくりとサービスの融合>


先日、ITAKURA’s EYE 「日本企業には作れないiPhone」にて、アップル社がイノベイティブな商品を作れる理由について書きましたが、その後、プレミアクラブ会員から以下のような情報とご意見を頂きました・・・

---引用開始---(少し長いです)

 8か月ほど前、使っているiPhoneがなんらか不具合が起き、ある程度自分で修復をしてみましたが、改善ができなかったので、Appleのサポートセンターに電話しました。そのやり取りです。

自分の顧客情報を伝えるとオペレーターが、端末から検索された購入時期やハード型番を調べ、要件を聞いてきます。不具合の状況を伝え、自分で行った修復方法を伝えます。

すると、

「今使っている端末を新品と交換します」と、オペレーターからきます。

「交換方法は?」と、聞けば、

「郵送かアップルストアーで」と、回答が来て、

「銀座店が会社から近いのでストアーで」と、答えると、

「今から銀座のストアーの空き時間を調べます。」と、その場で調べだしました。

「○日の何時からが空いてますが」と、すぐに案内され

「では、その時間に」というと、

「わざわざお越しいただくことになりまして、申し訳ございません。当日はお気をつけて、お越しください。」と言われ、外で電話をしていたので、気持よく電話を切り会社に戻りました。

すると、

「○月○日○時から銀座店でお待ちしております。」と、すぐにメールがアップルから届き、すげー対応だなと驚きました。

で、当日アップルストアーに行けば、サポートカウンターで名前の入った、いかにもAPPLEらしいウェルカムボードで出迎えられ、名前を伝えると、PC端末から履歴を調べ、先日電話サポートに伝えた内容を、わずか数秒で読み取り、同じことを再度説明しなくとも、瞬時に対応をしていただきました。

この一連のサポートの流れは、すごく勉強になりましたし、今まで、さまざまなサポートを受けてきましたが、このような気持ちのいいサポートを受けたことはなかったです。

iPhoneは、通信関連のサポートはSoftBankですが、ハードサポートはAppleで受けてくれるので、こんな経験から、次回はMacを使ってみたいなと思いました。

こんなところまで、きちんとできているAPPLEってすごいですね。
こんな、仕事をしたいと感じた出来事でした。
サポートを受ける側も、提供する側も気持ちがいい取引ができました。
こんな仕事が理想ですね。

経験上、特にSOFTBANKのサポートは最悪です。

iPhoneの通信を提供しているSOFTBANKのサポートは・・・

1:電話をしても繋がらない。

2:メールで問合せをし、

「回答がないから電話をしてメールで送ったのですが」というと、

「こちらでは個人情報保護の関係で、メールの内容は見れませんので要件を最初からお願いします。」と・・・

メールでの問合わせで、電話番号・暗証番号・名前・住所・その他等のかなりの個人情報を入力させられたのに・・・そして、電話での受け付け前に、電話番号・生年月日等の必要以上の個人情報を聞かれたのに・・・おかしな話です。

3:別件で請求書に書かれている問合せに電話し、

「宛先の担当者をかえてほしい」との依頼に、
「担当でないと分からないので、担当から折り返す」と言われ、
2日待つが折り返しもなく、再度電話すると、また担当から押し返す・・・こんな簡単な変更に5日かかったことがつい2週間前にありました(笑)

こんなことやってるから、顧客がどのメーカーの製品でも、サービスでも同じと感じるんでしょうね。

ソニーはどうだだの、松下はどうだだの・・

国産の車ならホンダだ!!とか、日産が好きとか、なんかそんな企業へのファンって減りましたよね。

そこの作っている、製品のポリシー等にひきつけられたファンが過去には多くいたかと思うのですが・・・

もう製品の違いだけではファンを作れないんでしょう。

製造業はサービス業との数日前のエッセーにもつながりますが、性能や価格ばかり目が行ってたのはもうやめて、サポートサービス等を含めたものを見つめ直して、企業ファンを作れる方向に動いていただきたいものです。

今の日本人がその企業のファンだという企業って、アップルなと外資企業が多いような・・・(笑)

そして、ファンと言える企業ってすごく少ないような・・・

iPhoneのやりとりで、アップルファンになってしまいましたし(笑)

新橋の居酒屋で、サラリーマンが、トヨタ車 VS ホンダ車 のファン討論からの喧嘩や、Panasonic VS SONY のファン討論を時折見れるようになったら、日本企業にも、ファンが戻ってきたと感じますかねぇーーー(笑)
こんなことを、板倉さんのエッセーを読み、メールで感想を書いていたら感じました。


---引用終了---


引用が長くなりましたが、最も大切なことだと僕が感じたのは、サービスの中身より、気持ちの良いサービスを受けることによって・・・

「こんな仕事がしたいと思った 」

という点ではないかと思います。

モノづくりであれサービス業であれ、突き詰めれば人と人の関係に行き着きます。その意味で、モノづくりであってもサービス業であると僕は感じます。モノを媒介にしたにせよ、人が直接サービスするにせよ、良質なサービスを提供する企業が一つまた一つと増えることによって、良質なサービスが多くの企業に浸透する可能性があるのではないでしょうか。

そしてもう一つ重要なことが読み取れます・・・

アップルの上記の一連のサービスは、実は、「多くの費用を必要としない」という点です。
上記のサービスを実現するために必要なのは、どの企業にもある顧客データベースとCTI(=コンピュータ・テレホニー・インテグレーション)端末、そして少々のオペレータ教育。
つまり、「あるモノをどう使い、どう見せるか」、という点においてアップルは優れているのだと思います。

アップルの対応は、先日PSで書いた「サービスそのものが商品の中核であるはずの」某ホテルの対応より遥かに優れています。

見習うことが多いですね。
そして、日々、良質のサービスに出会い、「自分の仕事に生かそう」とか、「こういう仕事がしたい」と思うビジネスマンが増えることを期待します。

とにもかくにも、業績不振をリーマンショックのせいにし、業績の回復は諸外国の経済対策に負うという他力本願な現在の日本経済ですが、一体どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。

それは、政治や金融にも原因があるのでしょうけれど、それ以上に、一人ひとりが自らの仕事についてプロ意識を失ってしまったからなのではないでしょうか。


 <アダルト税>

こちらも面白い意見です。

---引用開始---

いつも大変おもしろい記事をありがとうございます。
少し古い話になりますが、ITAKURA’s EYE 「消費税率引き上げないとね」や
「非ケインズ効果」「エロさの価値」などをみて、
唐突ながらふと思うところがありましたメールいたします。
お気に召されるかどうかわかりませんが、
もしできればぜひブログのテーマにしていただきたいなと思いまして、
題して、アダルト税についてです(笑)

タバコ税や酒税など、個別消費税と言うものがあるようですが、
これに加えてR18など特定の描写を含むコンテンツに対して、
追加の課税をしてはどうか、という案です。
先の消費税の議論について、段階的に税率を上げていくと言う事については賛成なのですが、
やはり一部の政治や経済へ不理解な人からの反発のために、導入がしづらく時間がかかるかと思います。
その一方で、東京都の青少年健全育成条例であるとか、
ポルノ系への批判は割と近頃よく取り沙汰されているので、
これらのコンテンツの販売への緩やかな抑制も期待できるように思いますので、
抜け道はあるかもしれませんが、比較的通りやすいのではないかと思いました。そういうコンテンツが嫌い、では無いですけど、
コンビニの書籍コーナーやWEBのバナーなど、
明らかにエロを売り物にしたものが氾濫しているのはいい状態ではないなと思います。

こども手当も、財源はどうするとよく議論されていますが、
反対にアダルトに課税すれば、別のコンテンツの販売に企業がより力を注ぎ、効率化され、
非アダルトコンテンツが安価になれば、実質的にこども手当になるようにも思います。

自分は見てはいませんでしたが、月亭八方さんが某テレビ番組で似た話をされていたとも聞きます。
個人的にはちょっとおもしろいかもしれないと思うのですが、いかがでしょうか。
ご意見していただけましたら幸いです。

---引用終了---

これ面白いですね。
少なくとも現在の八方美人政権には思いも付かないアイデアではないでしょうか。僕は、この意見に賛成です。
なぜなら、実質効力の無い「アダルト規制」などより、どうせそういった欲求があるのなら「アダルト課税」の方が現実的だと思うからです。

やっぱり、エロには金がかかる ≒ エロさには価値がある。

(もちろん、僕がエッセイ「エロさの経済価値」にて書いたことは、「エロ=アダルトやセックス」という意味ではなく、もっと広い意味の「魅力的な付加価値」という意味で書いていますのであしからず。)


まだまだたくさんの意見を頂戴していますが、本日はこのあたりで。


2010年3月24日 板倉雄一郎


PS:

8輪EVの「エリーカ」を作る慶応大学のプロジェクトが自動車工場を作るとか何とかのニュースを見ました。
ベンチャーを起業すること「そのもの」は大変素晴らしいと思うのですが、この「ホイールハブ内モーター」という方式の利点が、少なくとも僕にはさっぱりわかりません。

自動車のサスペンションが美味く機能するためには、「バネ下加重の低減」は最も重要なことの一つです。
可動部分であるバネ下が重ければ、その慣性重量が大きくなり、サスペンションがバタつき、サスペンションの最も重要な機能の一つである「路面追従」が満足に出来なくなってしまいます。
乗り心地が悪いだけではなく、悪路では場合によっては危険性さえあります。さらに、ジャイロ効果によって「曲がりにくい」んじゃないかと思います。なのに、なぜ、わざわざ、バネ下加重を増やすことになるホイールハブ内モーターなんでしょうかねぇ・・・

問題は他にもあります。
路面からの衝撃をダイレクトに受けるところにモーターがあること、路面からの泥や砂やホコリをもろにかぶるところにモーターがあることは、メンテナンス上、芳しくないと思うわけです。

完全EVなら、Mercedes-AMGの時期スポーツカーSLSの電気モーターバージョンが採用する方式の方が遥かに合理的だと思います。
SLSが採用する方式は、4輪それぞれの直近のシャーシ内にモーターを配置し、モーターとホイールは、従来通りドライブシャフトで結びます。これなら、バネ下加重が増えるわけでもないですし、モーターはホコリや振動から離れたシャーシに置けます。
もちろん、モーターの分だけスペースは必要になりますけれど、そのデメリットより、メリットの方が大きいと思いますけれど。
ちなみにSLSの電気バージョンは、最高出力500馬力!です。

エリーカ・・・技術的には面白いと思いますし、車輪の数だけモーターを乗せられるので、8輪のエリーカは、Porsche 911 Turboより「フラットな直線では」速いのは知っています。

けれど・・・やっぱり僕には意味わかりません。

最近、「新規の日本製」の意味わかんないです(笑)

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