板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  ITAKURA's EYE  > ITAKURA’s EYE 「(大田総理風)政策発表!?」

ITAKURA’s EYE 「(大田総理風)政策発表!?」

ちょいと大田総理風に政策発表を・・・

<生前相続税の期間限定免除にしましょう!>

日本には、お金が無いわけじゃない。
一千数百兆円といわれる個人金融資産の「大部分」を保有するのが、好景気だろうが不景気だろうが年齢的に「消費意欲の無い」爺さん婆さんだったりするから消費(この場合内需)が拡大しない。
で、2年間とかに限定して、生前相続税を「ただ」にしましょう!
さらに、2年を経過した後の相続税率を、現行より高く設定し、この「免除期間」の間に金融資産の若年層への移転が進むようにしましょう!

すると、爺さん婆さん「に比べれば」遥かに消費意欲のある次世代へ金融資産が移転して消費が進む。
ただ、80歳代から60歳代への金融資産移転では大した効果がなさそうだから、2世代移転も可能にする。

この制度のおかげで、隠し持っていた「(30兆円とも言われる)タンス預金」が、世の中に出てくる可能性があります。
そもそもタンス預金ですから、贈与税や相続税を脱税することは簡単かもしれませんが、それでも脱税は脱税。
しかし、今回のこの制度の期間に、タンス預金を「表面のお金」に変えることができるわけですから、その後相続を受けた人は、胸を張って使うことができます!

でも、財務省からはこんな声が聞こえてきそうです・・・

「そんなことしたら、国債費の原資として当て込んでいた相続税収入がなくなっちゃうよ」

でもご安心を。
そもそも景気対策で国債を乱発しなければならないわけですから、それに変わる経済対策としてこの制度を実施すれば、その分、国債発行を抑制できるはず。
だから、大丈夫!
(そこらへんをうまく調整した「つもり」の政策案が、「相続税免除の無利子国債」だったりしますが、そんなの大した効果ないですよ、きっと)

この制度が実施される前から、賢い企業は、「その金を狙う商品」を次々に発表することになるから、相続されたお金はちゃぁ~んと、消費や資金運用などによって社会に還元されます!

その上、この制度によって消費が進めば、インフレ圧力(←通貨価値下落)になります。
適度なインフレ(←年率数パーセント)は、「早く買わないとドンドン高くなっちゃう」効果によって、消費をなおさら加速させます。
通貨価値が下落すれば、円安圧力にもなります。
一石二鳥以上の効果が期待できるわけです!

<法人税率を現行の42%前後から30%前後まで下げましょう!>

そもそも日本企業(←定義は利害関係者の大部分が日本で暮らす人で占められ、且つ、日本国に法人税を納める企業)のビジネスモデルは、輸出中心、外需頼り。
それはそれで仕方が無いこと。
なぜなら、生きるために必要な、エネルギー、資源、食糧などを海外から「買ってくる」必要があるわけですから、そのお金を稼ぐためには、輸出企業は欠かせないわけです。
一方で、輸出企業は、世界の企業と競争しなければならないわけですが、アメリカの法人税率は30%前後、韓国に至っては15%!
こんな企業相手に、法人税率42%では戦えない、か、現地生産に移行するしかなく、いくら税率が高くても、絶対額としての法人税収入が高いわけではないわけです。
法人税率を、42%から30%へ、およそ30%引き下げても、その結果、世界のマーケットでの企業の競争力は明らかに高くなるわけですから、税前利益が30%ほど高まれば、法人税収入はほとんど同じです。
また、うまいこと企業の競争力が高まれば、当然ながら「雇用」が発生しますから、雇用対策にも効果があります。

<財政出動は、選択と集中にしましょう!>

いわゆる古典的な「公共事業」を完全に否定するつもりはありません。
だって、道路がボコボコになったりするの嫌ですからね。
でも、「景気刺激策」として公共事業をやったりすると、「本当に必要じゃないもの」を作ったりする可能性が高いので止めましょう(←選択落ち)
その代わり、日本版のグリーン・ニューディール政策をやりましょう!

プリウス、インサイトを買う場合の補助金!
太陽光発電の家庭導入の際の補助金!
(えっと、太陽光発電に関して、パネルの生産過程での温暖化ガス排出、および、パネルの耐用年数などから換算して、実はぜんぜん温暖化ガス排出削減にはならない、という意見がありますが、この際目的は、温暖化ガス削減ではなく、経済浮揚策なので、ちょっと横においておきましょう)
このような、「補助金」によって、民間にやらせるほうが効率が良い。

で、公共事業においては、「スマートグリッド」でしょう。
特別な地域を指定して、「スマートグリッド実験都市」をまず作る。
その上で、そのモデルを全国展開する。
これですね!

当然ながら、雇用が生まれますし、グリーン化(?)にも貢献しますし、何より「将来への希望」が持てるようになるわけですから、益々消費が進みます!

また、日本が海外から買ってこなければならないエネルギーや食糧の一部でも、太陽光発電などによって国内で生産できれば、内需の拡大に繋がります!

<食物自給率アップ!>

忘れちゃいけないのが、食糧。
アメリカさんがひねくれるでしょうけれど、(彼らだって「バイアメリカ」とか言い出してるわけですから)食物自給率を上げましょう!
そのために、酪農や漁業への補助金や税制優遇制度を設け、自給率のアップと同時に雇用の確保も可能になるわけです。

世界が「保護主義」に向かってまっしぐらです。
貿易によって成り立つ日本経済は、モロにその打撃を受けます。
だからこそ、「プチ保護主義」というか、「最低限の(どこの国でも以前からやっている)保護主義」をこの国もやらないとならないですよね。
だって、日本は、貿易無かったら、食糧も無いし、エネルギーも無いし、軍事力も無いんですからね。
(↑ そうやって「保護主義」が加速してしまい、最悪は戦争に至ってしまうわけですけれどね)

っと、今日はこんなところで。
後は皆さんで考えてみてください。

 

 

というのも、ある読者から貴重な情報とご意見が寄せられました・・・

TVタックルなどで、「?」マーク全開発言の森永氏が、あるサイトにて懲りずに「政府紙幣」の実現に向けた「?」マーク全開の意見に対して、そのサイトの一般読者から寄せられたコメントには、政府紙幣に対する反対意見が多数あり、そのコメントを見る限り・・・

「実は、多くの日本人のマネー感覚は、案外真っ当なんじゃないか?」

「多くの日本人は、マスコミや(エセ)経済評論家などより、ずっと真っ当じゃないか!」

という感想を持ったという内容でした。

う~ん。確かに。
もしかして、「真っ当な意見」を訴えていれば、政治を飛び越えて、何か成しえることができるんじゃないかとさえ思うわけです。

皆が日本や世界のことを、しっかり学習して、しっかり考えて、自分の意見を持つ。
これが大切なんじゃないでしょうかね。

今、世界中が、「国家とは何か」、「政治とは何か」、「企業とは何か」を真剣に考え「つつある」時なのだと思います。
この機会に、自分なりの意見、を持ちながら、選挙に挑んでいただきたいと思います。
意見を持つ前に、しっかり経済の基礎の学習はやっていただきたいですけれどね。
画面に出ている頭でっかちの経済評論家の意見に、何の疑問も持たずに「うんうん」聞いているな人ばかりが投票するようじゃ、何の改革にもならないんですけどね。

2009年2月17日 板倉雄一郎

PS:
いやぁ~参ったなぁ・・・
以前、エッセイで、中川昭一氏を褒めちゃったんですよぉ~
昨日テレビ観ていたら、ろれつが回らないほどの泥酔状態で会見でしょぉ
不謹慎だけれど、あの映像見ながら、爆笑しちゃいました。
だって、パロディー映画より面白かったから(笑)
久しぶりに「一人笑い」で腹筋が痛い。

皆さんも風邪薬とアルコールのセットには注意しましょうね。

実は、度胸があるのかなぁ・・・(笑)

確かに、ヨーロッパのランチでは、ほとんど全員がアルコール(特にワイン)飲みます。
日本人でも、ヨーロッパ駐在員などは、ランチでワイン飲みます。
午後のオフィスは、酔っ払いだらけだったりする企業もあります。
いつだったかのエッセイで散々コケにしたダイムラーの前CEOは、毎日ランチで飲みすぎて、それこそ中川氏状態で午後のオフィスで暴れていたという噂もあるぐらいです。
言ってみれば、「文化」ですからね。ある程度は仕方ないですよね。

でも、中川氏の場合、「国際舞台」ですからねぇ・・・
笑うしかないですよね(笑)

PS^2:
このところ、「ぶつかちゃった事件」が多いように思うのは、僕だけですかね?

ロシアとアメリカの人工衛星がぶつかって、空から破片が降ってくる、とか、
イギリスとフランスの原子力潜水艦同士がぶつかった、とか、
そして最近地震多いと思いませんか?
プレートとプレートがぶつかって。

幸い、「国と国」がぶつかった話になっていないのですが、なんだかあんまりいい感じじゃないですよね。

経済危機で、自国のことで精一杯のアメリカが、「ぜんぜん相手にしてくれないよぉ~」と、どこかの国がぶっ放す可能性が高くなってますよね。
アメリカの過去の戦争は、「肉を切らせて骨を切る戦略」ですから、どっかの国がぶっ放したら、「これ幸い」と、動き出しちゃったりするんですかねぇ・・・





エッセイカテゴリ

ITAKURA's EYEインデックス