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ITAKURA’s EYE 「グローバリズムを忘れた民主党100日」

政権交代から100日。

民主党政権は、「国内のパイをちまちま配分しなおすだけ」だと、少なくとも経済政策については思います。

どうやら、「グローバリズムという現実を忘れた民主党」、と評価せざるを得ないのではないでしょうか。

1、企業は人を切ってはいけない⇒採用に慎重にならざるを得ない⇒雇用が生まれない。
2、低所得者への配分を増やそうとしている⇒その原資である稼げる企業の法人税率は国際的にも高いまま⇒企業は部分的に海外へ出て行く⇒国内の雇用が失われる。
3、マクロ経済に対する政策が無い⇒国内外の資金は国内に投資されない⇒雇用が生まれない。
4、非効率な「国有化」が益々進みそうな政策⇒国内全体の生産効率が低下する。

つまり、足元の雇用や生活を守ろうとする政策(というか票田意識政策)は、中長期的に益々雇用を失い、少子高齢化を加速させ、縮小均衡経済に向かう。

僕にはそう見えます。

日本モデルは、自給率が低く、少子高齢化人口減少が進む・・・モデルを大幅に変更しない限り、海外依存度はこれまで以上に高くなることは必然。

 

一家計内で、子供の小遣いがどうとかこうとか、かーちゃんの家事がどうとかこうとか、衣替えがどうとかこうとか、父ちゃんの小遣いがどうとかこうとか、そんな話ばかりで、あらゆることの原資であるところの父ちゃんの稼ぎ、父ちゃんの職場での立場、父ちゃんのスキルアップ、そして近所付き合い・・・そういったことがまるで政策に乗っていない。

で、じーちゃんは、「最後は俺が決める!」、というばかりで何も決めてくれない。
その上、親戚のじーさんは、この家計に乗り込もうとウザイ事ばかり言って来る。

この家計はダメになりますよね。
少なくとも、家族が我が家の将来に希望を持つ!なんてことにはなりそうにもありません。

 

クリスマスムード・・・ほとんど感じません。
潤沢なキャッシュフローを持つ者は、持つ者同士で「ひそかに集い遊ぶ」。ヒンシュクかいそうだから。
マスメディアからは連日、「暗い未来の日本」が伝えられる。

そんな日本になってきているように思います。

 

日本が持つ資産は、「人」しかありません。
しかし、人であれば誰でも経済的な資産価値があるわけではありません。
誤解を恐れず表現すれば、「やろうとしない人を支援し、やれる人を伸ばす政策の不在」、そういえるのではないでしょうか。

政治だけの問題ではない。けれど、民主党政権になってから、益々将来が見えなくなった。と思うのは僕だけでしょうか。
(だからって、自民党政権の方が良かった。と主張したいわけではありませんけれど。)

 

日本は、世界の中の日本です。
それ以外の立ち位置は無いわけですから。

 

2009年12月7日 板倉雄一郎





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