板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  ITAKURA's EYE  > ITAKURA’s EYE 「厚み」

ITAKURA’s EYE 「厚み」

僕はサッカーについて特に詳しい訳ではありませんが、アジアカップで日本チーム優勝に至る過程を観ていて、選手や監督をはじめとするサッカー関係者の「層の厚さ」が特に印象的でした。
飛び抜けた才能を持つ個人プレイヤーに依存した勝利ではなく、
ピッチに出ているプレイヤー以外は使えないというわけでもなく、
そして、運良くたまたま勝ちが繋がったわけでもなく、
選手層に「厚み」を感じながらの勝利だったと僕は思いました。

この「厚み」、日本サッカー界が世界の舞台にチャレンジすることを継続した結果であることは言うまでもないと思います。
「ただ続けた」のではなく「チャレンジを続けた」ことが幸いしたのは明らかです。

その結果、
1、世界舞台の経験を持つリタイア人材のプールができ、
2、1の人材が後輩の指導にあたる「人材育成の循環」が成り立った
のではないかと推測します。

つまり、優秀なプレイヤーを育て生かせる環境が整ってきたことが勝利の根底にあるのだと思うわけです。

カリフォルニア州はシリコンバレーの強さも、起業家というプレイヤーを育て生かせる環境を彼らの「継続的なチャレンジ」によって作り上げたことが幸いしていると言えるでしょう。

シリコンバレーには、
1、ベンチャー経営の経験を持つ人材のプールがあり、
2、スタンフォード大学を中心に「知」の集結所が優秀な人材を呼び寄せ
3、イクイティーファイナンスをベースとした「チャレンジを賞賛し失敗を吸収する」優れた金融の仕組みがある。

以上から「人」を育成する環境「厚み」が構築されているわけです。

ヤンチャだが優れたアイデアや技術、そしてアントレプレナーシップを持つ若手が次々に現れ、彼らの「面倒を見る」ベンチャー経験者の人材プールがなせる技は、例えばGoogleのラリー・ページ&セルゲイ・ブリンという若手コンビと、その「後見人(?)」としての役目を最近果たしたエリックシュミット氏との関係などに現れています。

一頃「日本ではベンチャーは育たない」などと良く言われました。
そんな言葉を聞くたびに、僕は思います・・・

「育てる環境が無いのだから育つわけがない。」

表現を変えれば・・・

「育つ環境ができるには時間がかかる。ただし、ただ待てば良いわけじゃない」

つまり、起業家自身も、金融も、社会も、チャレンジを続ける過程を経て初めて「厚み」がでるのだと思うわけです。

国や地域だけじゃなく、企業の場合も、個人の場合も同じだと思います。

さて「自分が今できること」を地道にやって行こうと思います^^

2011年1月31日 板倉雄一郎


PS:というか、お知らせ・・・

第1回【板倉雄一郎の実践・起業塾】は、本日で募集を締め切ります。
現時点で「ほぼ」定員に達していますが、本日のお申し込み分は、仮に定員をオーバーしても受け付けたいと思います。
第2回も開催の方向ですが、日程や価格など未定です。
ご興味のある方は是非この機会に。
なお、一度でも起業塾を受講された方は、以後開催される同塾の再受講を数千円程度の実費にて受講することができます。
(過去30回以上開催してきた「実践・企業価値評価セミナー」と同じ仕組みです。)

僕が思う「最適な学習方法」は、「詳細な知識の積み上げ」ではなく「ざっくりした知識の反復」です。
受講者の皆さんと共に学び過ごすことをパートナー一同楽しみにしています。
詳しくは、専用ページにて。






エッセイカテゴリ

ITAKURA's EYEインデックス