板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「僕の場合のストーリー」

本日は既刊の電子書籍版「社長失格」の文章から「2010年の追記」の一部抜粋を掲載したいと思います。
掲載の直接の目的を正直に記せば「社長失格」および「実践・起業塾」のプロモーションですが、これらの当事務所の活動が一定の成果を収め、継続することができれば「元気な日本」の一翼のさらに一翼ぐらいは担えるであろうという「ストーリー」があるからです。

【電子書版「社長失格」~「2010年の追記」より抜粋】

(前略)


 二〇〇八年以降の世界経済は混沌を極めている。中でも日本経済は、円高、デフレーション、少子高齢化人口減少、地政学的問題、国家財政問題、不安定な政治などなど問題山積みで先行きが極めて不透明であるといわざるを得ない。この経済状態の下では、企業も個人もリスクテイクを恐れ、将来の不確実な収益を得ようとする投資より足元の確実な現金に価値を見出す。企業の場合、設備投資や研究開発などの投資を控えるばかりではなく、人材に対する投資――すなわち人材確保にも消極的にならざるを得ない。その結果が失業率の増加であり就職難である。つまり金はあるが、投資するに値する対象がないということになろう。

先行き不透明な経済であろうとも、私たちは生きて生活していかなければならない。だとすれば、そのための「ひとつの選択肢」としての「起業」がもっと注目されてもよいのではないだろうか。いやむしろこんなご時勢であるからこそ起業という選択肢の価値も高まるのだろうと思う。

大失敗をやらかした僕ではあるが、それでも起業はすばらしいと思う。起業に限ったことではないが何かを始めることは、将来に夢や希望を持つことができるからだ。一歩でも前に進み、歴史の一端を自らが作ろうとすることは、すなわち他人依存の生き方から自分本位の生き方に変化させることである。誰かが与えてくれる仕事を待つのではなく、自らが自らの仕事を創造することである。それが人間にとってすばらしいことでなくていったいなんだというのか。僕はこう思う、「未来は予測するものではなく、私たち一人ひとりの日々の言動によって作られるものだ」と。


とはいえ、「イケイケどんどん」、「数打ちぁ当たる」といった博打を進めているわけではない。どれほど熟考を重ねた上でも、どれほど知識や経験を積んだ上でも、絶対に失敗しない起業などこの世に存在するはずもない。さらに前述のとおり現在の経済状況は決して順調な起業を後押しするような状況ではない。したがって、起業するに際し、現在の経済状況に合致したビジネスモデルを構築する必要がある。それは、前述した「ダウンサイド限定、アップサイド(理論的に)無限大のビジネスモデル」であり、「経営リスクに応じた経営資源の選択」であり、「足元の日本市場だけではなく、当初から全世界を市場とみなしたグローバル戦略」である。このあたりだけでも本を一冊かけるほどの説明が必要になるので、今後のぼくの書籍やセミナーに譲ることとするが、この場でひとつだけ読者に伝えたいと思うことを最後に記して起きたい。

それは、起業というリスクテイクをする以上、結果として失敗することはあるとしても、起業とその後の経営において、当たり前のこと、を知らなかったが故の失敗ではもったいない。ということである。本書を通じて、愚かなベンチャー経営者が招いた数々の失敗から学び、同じ轍を踏む起業家の抑制になれば幸いである。十二年経った今だからこそ同書からビジネスの普遍的要素を掴むにはむしろ適していると思う。


(後略)


関連するコンテンツはこちら↓

「社長失格」(電子書籍版およびハードカバー版)

「失敗から学べ」(電子書籍版、ハードカバー版は絶版)

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関連エッセイはこちら↓」

ITAKURA’s EYE「経済成長の条件(起業塾の理由)」

ITAKURA‘s EYE 「ストーリーを持っているか


2011年1月20日 板倉雄一郎



PS:

本を書き、エッセイを書き、一部を電子出版し、リアルセミナーを開催する・・・この一連の流れ「1回分」は本当に小さな事業規模です。

けれど、継続的に実施できるほどの需要があるとすれば、読者や塾生の「その後」次第で、決して小さな事業規模ではなくなると思います。


PS^2:

第1回「実践・起業塾」のDay-2最後の「ワークショップ」は、具体的な上場企業の「自分ならこうするチーム考察~発表」になります。

社名はワークショップ直前に発表!^^

当事務所パートナーによる同社のバリュエーション(企業価値評価)もお楽しみに!

(ヒント:この会社の代表者が、中核技術者をスカウトするときに「社長失格」が役に立っていたそうです。)





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