板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURA’s EYE 「不満と不安」

「独立起業すると、それまでの不満が不安に変わる。」

独立起業を選択する「一つの」判断基準として、「不安と不満のどちらを受け入れるか」という問いが有効だと僕は思います。

「不満」とは、上司や部下などの他人や環境といった「自分の外側」に向けられる場合が多いと思います。
一方「不安」は、自分を置く環境に対して自分の能力が合致しているか否かといった「自分の内側」に向けられる場合が多いのではないでしょうか。
つまり、無理矢理大別すれば、「不満」は他人依存から生じ、「不安」は自らに向けられると思う訳です。

もしそうだとすれば、他人を自分の都合に合わせるように変化させることより、自分を理想の自分になるように努力することの方が、解決策を導き出し易いと思います。

以上から「不満より不安を許容できる」というのなら、従業員として就労することより独立起業を選択することの方が合理的だと思います。

「不満より不安を許容できる」としたとしても、それは相対的なことに過ぎず、やはり「不安」を感じることは決して好ましいことではありません。
そして、未来のことである以上、不安を全く抱えない人など恐らく存在しないでしょう。

では、どうすれば不安を軽減できるか。

それは「なりたい自分」を具体的に想像し、なりたい自分になれるように必要な努力を積み上げ、自分を創造することだと、僕は思います。
明確な目標なり活動理念があり、そのために努力する行為は、不安を覚える隙を減らし、自信を持つことに繋がると僕は思います。

有能なスポーツ選手(それは例えばイチローなどですが)が絶え間ない努力をしていることに気がつきます。彼らには最初から「不安」がないのではなく、日々の努力によって不安を自信に変換する術を持っているからなのだと僕は感じます。
もちろん、僕は有能なスポーツ選手ではありませんから、推測の域を出ないのですけれど。

表現を変えれば、「不安こそ、理想を実現するために邁進する原動力」だと言えるのではないでしょうか。

今、他人依存に基づく「不満」を口にする人が、この国では増殖していると感じます。
政治に対して、職場環境に対して、報酬に対して・・・
僕は、それこそがこの国が元気を失ってしまった本質的原因ではないかと思います。

2010年10月4日 板倉雄一郎


PS:
現在、板倉雄一郎事務所では、「社長失格」の電子書籍としてのリリース、および、発売を記念した「起業塾オープンセミナー」(11月28日を予定していますが変更の可能性あり)の準備を進めています。

「1位じゃなければ意味がない!」とか、
「君もグーグルを目指せ!」とかの「イケイケどんどん」起業塾をやるつもりは一切ありません。
もっと現実的で実務的な「やってはいけないこと」や「不安定な経済環境を有利な条件に変えるビジネスモデルの条件」などを中心に講義する予定です。

何度も書きますが、絶対に失敗しない起業などあるはずもありません。結果として失敗することはあったとしても、せっかく起業意欲があるのに、「当たり前のこと」を知らなかったが故の失敗があるとすれば、とっても「もったいない」と思うからです。

詳細が決まりましたら、この場でお知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。





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