現FRB議長のベン・バーナンキ氏は、
「デフレを克服するには、ヘリコプターから現金をばら撒けば良い」
と発言したことから、ヘリコプター・ベンとの愛称(?)を与えられています。
確かにバラマキは、それなりの効果があるでしょう。
けれど、「お金がどこからか沸いて出てくるわけではない」、わけで、バラマキを行った分、なんらかしらの代償が伴うわけです。
それは、「将来の税負担」であり、「通貨希薄化による通貨安」であったりするわけです。
(僕は、バラマキそれ自体を否定しているわけではありません。)
政府も企業も個人も、「借金漬け」のアメリカの場合、それをファイナンスしているのは中国や日本などの対米黒字国です。
したがって、「為替」は、米国債の価値を債権者である海外から見た場合に極めて重要なファクターです。
先週のマーケットの動きを見ても明らかな通り、FRBによる「米国債買取カード」によって、「ドルベースの」米国債価格は維持されましたが、同時に、ドル安を招いています。
これじゃ、米国内のデフレは回避できたとしても、ドル安による輸入インフレ(=よろしく無いインフレ)が懸念されます。
その上、今後増発しなければならない米国債を中国や日本に買い支えてもらわなければならないわけですが、ドル安による米国債の海外から見た価値下落は、米国債への投資の魅力を失わせてしまいます。
ヨーロッパは、財政出動に関して、少なくともアメリカより消極的ですよね。
「今こそ、ドルからユーロへ」というチャンスを伺っているんじゃないですかね。
ヘリコプター・ベンは、ユーロとも戦わなければならないわけです。
経済「学者」が、実体経済に向き合い、にっちもさっちもいかない現実に苦悩している姿を感じます。
ああ大変そう・・・
実は、何にもしないのが一番いいのかもよ。
2009年3月23日(24日分として) 板倉雄一郎
PS:
明日の朝、用事があってエッセイを書けないかもしれないので、今日のうちに。
PS^2:
人って、都合の悪い状況に追い込まれると、「何か対策しなくっちゃ!」と右往左往しますよね。
そこに、「何もしない」という選択肢が忘れ去られていると思いませんか?
「何もしないという決断」だって、一つの重要な選択肢ですよね。
お食事会のとき、自分が、「劣勢雰囲気」になる瞬間ってあるじゃないですか(笑)
そういう時、下手に目立とうとして、たくさんしゃべったりすると墓穴を掘ることになるんですよ。
中座して気分を取り戻そうとトイレに行ったりすると、なおさら劣勢気分が増幅したりして。
だから、そういうときは、何もしないでやり過ごすのが一番良かったりします。
お食事会の神様(笑)が、「今度はあんたの番だよ」と、ちゃんとターンを振ってくれるときが来ますから。
何もしないという選択、ありだとおもうなぁ。