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ITAKURA’s EYE 「粉飾」

PIGS問題の発端であるギリシャ問題の何が問題かって・・・そりゃ政府ぐるみの粉飾にあるのは間違いないですよね。
(「国家ぐるみ」としてしまうと、一般国民なども含まれてしまうので、政府ぐるみとしました。)

もし、ギリシャの財政が極めて危機的な状況にあることを、過去から偽りなく情報公開していれば、ギリシャ国債は、その引き受け手がなく、何年も前にデフォルトしていたかもしれないわけですが、その場合、ギリシャ政府や同国民にとっても、傷が浅いうちにリスタートできるチャンスもあったといえますし、現在のように経済的損害が他国の金融機関や世界経済に与える影響も軽微で済んでいたはずです。

しかし現実は、粉飾により問題の先送りをしてしまったがゆえに、経済的なショックを大きくしてしまったわけですよね。
ある意味、一企業や個人による粉飾より、「それを取り締まるべき立場が存在しない」政府ぐるみの粉飾の方が、実はやりやすいのだなと、思う次第です。

僕の場合、(は、もちろん褒められたケースでは全くありませんが)、13年前の倒産時、馬鹿正直に経営状態を金融機関に開示していたことによって、「延命のために損害額が無用に拡大すること」、や、「粉飾によって誰かを騙すこと」、といった最悪の事態を避けることができました。
(↑ 倒産はどんな理由であれ最悪ですが、事業の経済的失敗と、粉飾などの犯罪は、区別してしかるべきだと思いますので、その意味で「最悪の事態は避けられ」と表現してます・・・というより、僕が表現するのは僭越ですが、「成功と失敗」のギャップに比べ、成功であれ失敗であれ「インチキか否か」のギャップの方が遥かに大きいと、僕は思っています。)
その結果、訴訟を受けたり、僕が牢獄に入ることにはならず、あくまで経済的な失敗の範囲で、再起を図ることができたというわけです。

この、
「嘘ついちゃだめだよ」とか、
「嘘の上塗りは自分と周囲を苦しめることになる」とか、

「小学校で教わらなかったの?」

といったことが、苦しい立場の当事者になってしまうと、簡単に忘れてしまう・・・
当事者でないときには、不思議だと思いますよね^^

粉飾にまで至ることを避けるためにも、先のエッセイにて表現した「継続性」を論理的に考えることが大切だと思います。
継続性を考えれば、「こんなの続かねぇから吐いちゃおう」、となると思うのですけれど。

論理的継続性が満たされない場合には、さっさと諦めるべし。
諦めることって、否定的に解釈されることが多いですが、そうではない場合もあると思います。

継続性に疑問が生じた時点で情報開示したほうが、周囲の協力が得られる可能性も含め、本人にとっても周囲にとっても合理的だと、何らかの問題を抱えている人には言いたいです。

2010年6月15日 板倉雄一郎


PS:
そういえば、粉飾が横行するジャンルの一つとして恋愛がありますよね。

「あいつにはこういったけれど、そいつにはこういったよな・・・で、こいつにはどういったっけ?」

なんて。

そうやってる身近な人が居なくはないですが、その人は一体何のために、そんな面倒なことをしているのだろう???といつも不思議になります。

ギリシャ女、ギリシャ男もたくさん居ますよね(笑)

粉飾にならないが事実上の粉飾をやってる友人も居ます・・・

彼は、お食事会を愛する2度目の結婚「中」ですが、お食事会の最中の自己紹介で、

「僕はバツイチ」

と言います。
確かにバツイチだよね、嘘は言ってない。
この表現が嘘にならないためには、誰かから「ご結婚されているんですか?」と聞かれる前に発言する必要がある。
だから彼は、その手の話題になったらさっさと言う。「僕はバツイチ」と(笑)

まるで、インチキ消火器販売員が、

「消防署の方から来ました」

と、玄関先で言うのに似ている。

相手は勝手に「あっ消防署の人ね」と勘違いするから、それ以上の質問はされない。嘘をつかないで済む。

お互い遊びの場だから何でもありという考えもあるが、お互い遊びなら最初から既婚者であることを表現しても、さほど劣勢になるとは思えないのだけれど・・・
それに、独身であるとの勘違いを女性に与えるから、後に面倒なことになるリスクの方が気になるのだけれど、早技の彼には関係ないらしい(笑)

(当人からこの文章読んで笑いながらのクレーム電話が着そうな・・・いや、彼は男友達にとっては、いい奴ですよ、本当に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・^^)


PS^2:
先週の金曜日、タイ料理を食べたんですよ。
それも生ものばかり。その上辛いものばかり。
そのせいかどうかわからないのですが、土曜日の朝方4時ごろ、激しい腹痛で目が覚めました。
ビオフェルミンを10錠ほどガバっと飲み、再び寝ようとするも激痛で眠れず・・・
朝から病院で診察受けるたら食あたり。
だんだん痛さが増して、ついに熱も38度を超え、むちゃくちゃ辛くて寝込んでしまいました。
せっかくの晴天だというのに。

この季節、気温が高く、かつ、湿度も高いですから、食材が痛みやすいです。
皆様も注意されてください。

まだ、腹痛と下痢が収まりません(涙)

なんだか、今年の春~初夏は、特に自業自得ではないことで不運が続きます。とほほ。
こんなこと、「~初夏」で終わるといいのですが。




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