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「懲りないくん」2001年3月18日号

はじまりはじまり。

3月11日(日曜日)

原宿で起床。
が、犬が恋しくなり船橋へ。
春のオープンドライブはサイコー。
ドライブが好きでなくちゃ、女の子を迎えに行ったり、送ったり、
自宅の原宿と犬の居る実家の船橋を行ったり来たりできない。

僕が車好きになったのは、思い出す限り、父親の影響。
彼は、僕が小学生の頃、「いすゞべレットGT―R」という、
当時としては優れモノスポーツカーに乗っていた。
東名高速と箱根のワインディングを
人には言えないスピードでぶっ飛ばす
僕は父親の隣に乗り、
キャキャーわめく母上の忠告を無視しながら、
親子で興奮したものだ。
オーディオは8トラック!
由紀さおりの「夜明けのスキャット」なんかが聞けた。
エアコンは無し!
初代のスカイラインGT-Rが6発で登場するまでは、
この車が最速だった。
4気筒1600cc DOHCなんて、今じゃファミリーカーでも常識。
ちょっと寂しい気がする。

それにしても、僕はいろんな車に乗ってきた。
現在まで乗り継いだ車の数は20台以上。
今でも印象に残るのは、90年~95年まで乗っていた
6気筒、3.6リッター、DOHC24バルブ、6連スロットルの
BMW M5。
外見は普通のBMW5シリーズ、しかし走らせれば、
当時の911ターボやGT-Rを凌ぐ性能。
この車を元社員に売却して、フェラーリF355スパイダーを
買ったとき、「僕にはBMWのMがあっていたな」と思ったっけ。
女性に対する説明は、フェラーリをして、必要が無くなった。
しかし、M5のような、外見には似つかない
熱いハートを見破る女性がタイプだからかもしれない。

犬と遊んで寝る。
夕方起きて、犬の散歩5㎞。

安ワインを飲みながら、「懲りないくん」6号を執筆~送信。
就寝。

3月12日(月曜日)

先月の渡米時に依頼されたもう一つの連載の執筆。
タイトルは「東京のりのりリポート」。
ちょっとだっさいタイトルだが、東京の男女の出会いを
僕が分析すると言う内容。
分析するためには、自ら飛び込まなければ!

13時、家事。
洗車、掃除、買い物など。
実家近くにできたマツモトキヨシにて、サプリメントを大量購入。
しかしこのサプリメント、効果がわかりにくいところが商売のツボ。
ただ一つ「現代人の必需品」と謳う「亜鉛」は効果テキメン!
何に効くかはお試しあれ。

夕方、犬の散歩5㎞。
休んでいたせいか、少しおなかが出っ張った。
よって、スパ&プール。
船橋に引き返し、就寝。

3月13日(火曜日)

朝からスパ&プール。
午後、原宿の事務所へ。
「月間ビジネススパ!e+B」5月発売分の原稿チェック。
メールだけで仕事できるはずなのに、原稿チェックは必ずFAX。
FAXボックスサービス使って、
ダウンロードはPCへイメージ取り込み。
としたいところだが、この業界で技術もわかる僕なのに、
こういった設定が大嫌いなので、やらずじまい。

16時、朝日新聞のインタビュー。
またも、ベンチャーだとか起業だとか失敗だとかの
取材かと思いきや、「自動車業界」についてのインタビュー。
「日本の工業技術、とりわけ自動車の技術は世界のトップレベル、
なのに、パッケージングとマーケティングが下手くそ」
という発言。
詳しくは、いつの朝日だかわからないけど、読んでください。

17時、昨日書いた「東京のりのりリポート」のクレームが入る。
どうやら編集の意向と違うらしい。
というより、僕が余りにも艶っぽい内容を書いたので、
編集の都合と言うより、僕のイメージを心配して
内容変更の依頼。
「Roger!」ということで30分で仕上げる。

18時、今話題のe-Women、ユニカルインターナショナルの
取締役を努める、
元ハイパーネット財務担当役員の大内朱美女史来宅。
と言うのも、この季節には、
必ず彼女にお手伝いしてもらうものがある。
そうです「確定申告」。
1年分の領収証の山と支払調書の束を渡した後、しばしの昔話。
思えば、彼女には僕が19歳の起業時から、
既に20年近く、お金周りの世話をして頂いている。
現在は、一児の母であり、僕の大親友の妻である。
そういえば、お金だけではなく、僕がつきあった歴代の彼女
全てを大内朱美女史は知って居る。
この「懲りないくん」にも目を通す彼女、
「もう、あんた40になるんだからさぁ」と説教される。
領収証を渡すと言う事はほぼ全ての行動を露呈する事に等しい。

21時、12本のワイン到着。
元(というと本人は怒るが)レーサー酒井宏氏経営の、
デリバリーワインドットコムにて、
家で飲むワインを定期的に注文する。
ハイパーネット時代に、僕がスポンサーとして知り合った彼は、
中学からレーシングカートをはじめ、
10代後半でレーサー修行のためヨーロッパに渡った。
フランスにも「フォーミュラ・ボクソール」に参戦のため、
数年間、レーサーとして生活していた。
しかしながら彼、
レースよりワインに詳しくなってしまったというわけだ。
この日も、ピノノアール中心の彼のセレクトが到着。
ひとまず、AOCが村名の一本を開ける。
まぁまぁ。
12本あるから、2週間は大丈夫。

映画「ライトスタッフ」を、一人DVDで鑑賞。
その中のキー台詞を何度も自分で繰り返して見る。
命がけのテストパイロットが、
まだ誰も飛行テストしていない飛行機に乗り込む。
彼はお呪いのような会話を、気心知れた整備士とする。
パイロット「ガムもってるか?」
整備士「一枚ならある。」
パイロット「それじゃ貸してくれないか、後で返す」
この映画の全てを端的に表現した名会話だ。
一人感動に涙。

酔っ払って寝る。

3月14日(水曜日)

12時、インターキュー熊谷正寿との定例ミーティング。
のはずが、彼は急用とかで欠席。
変わりに、社長室YG氏ほか2名とのランチミーティング。
代官山はベトナム料理を食べさせる「Yサイゴン」
タイフードほど刺激が強くなく、あっさりしたお味。
おまけにこのお店、個室が多い。
まさにゴーコン向け。

特許関連裁判の現状、ハイパーシステム復活プロジェクトの
進捗状況などレポートを受ける。

13時、春の日差しの中、代官山、渋谷、青山をドライブ。
一年中春だったらいいな。
やっぱカリフォルニアに住むしかないか。

15時、広島のK氏とビジネスミーティング。
ファンド運営におけるリスクとリターンの検証。

16時、オリックスキャピタル社社長、松崎氏とミーティングのため
当社の共同代表を努める工藤徳郎氏と共に浜松町。
ベンチャーマトリックスとオリックスキャピタルの提携の打診。
が松崎氏、あっさりOKと言う。
さすが話しが早い。

17時過ぎ、LAの兄貴分MK氏が来日中、
2週間ぶりに会うために新橋は第一ホテル東京のロビー。
偶然にも古くからの友人でEDコンとライブ社の代表、
川合歩氏に出くわす。
MK氏の弟分で、大阪にて不動産業およびスポーツジムなど
サービス業も営む若き経営者NA氏と共に、
これまた懲りずに「第三春美」。
川合氏とNA氏も大阪経営者同士の知り合い。
ほんと世の中狭い。
つまり悪い事できない。

大将も含め映画談義。
あっという間に全てのネタを食べ尽くす。
今日は「こはだ」がサイコーだった。

MK氏から頂いた、在米邦人向けフリー雑誌
「US Town Journal」を数十部受け取る。
この雑誌には「彼氏失格」という僕の連載。
現物を見てびっくり、おったまげた。
2ページに渡る、この雑誌最大の紙面積の連載だ。
お調子モノの僕は、この取り扱いと、
読者からの好評とのレポートを受け、気合が入る。
我ながら、単純。
実は、この辺が「懲りないくん」の所以なのである。
そして、同誌の「今月の美女」というコーナーの仕事を頂く。
いよいよ、カメラマンにも進出か?

22時、犬の散歩のため、船橋へ。

3月15日(木曜日)

朝寝坊。
犬の散歩は母上が実行済み。
と言う事で、僕の一番大切な仕事をはじめる。

メモはとらない。
酒も飲まない。
タバコ、、、、は吸う。
眠らない。
ただひたすら、頭に沸いて来る自分の思いに素直に向き合う。
ハイパーネット時代に一番したくてできなかったことだ。
自分を見失うことから救ってくれる時間。

 最近気に入ってる女性の事。
 金稼ぎのための仕事の事。
 エネルギー消化のための仕事の事。
 車の事。
 友達の事。
 政治の事。
 経済の事。
 自分の体の事。
 守れなかった約束の事。
 恥ずかしかった事。
 頭に来た事。
 太陽や月の事。
 春が来た事。

こうして、2時間ほど、ボケェ~ッとする。
最後に自分は恵まれていて、幸せだと結論が出る。
必ず毎回この結論になる。
ああ楽しかった。

15時、原宿に戻り、メール処理などデスクワーク。

16時、NHK「クローズアップ現代」の取材。
「失敗の研究」という旬な話題の特集らしい。
今日はカメラを回さずディレクターのインタビューのみ。

17時、PCワーク。

19時、旗の台在住の家事手伝いGO嬢と
原宿には珍しい「とんかつ 福よし」。
昼飯でお世話になっているカフェ632でカクテル。
自宅に戻り、二人で映画鑑賞。
プレーステーション2のおかげでDVDが身近になった。
プレーヤーが身近になったのではなく、
PS2の普及のおかげで、DVDレンタル、販売が急加速。
おかげで、タイトルが豊富になった。
いずれは、光ファイバーでオンディマンドムービーを
楽しめるようになるだろう。
税金を大量投入して、半ば強制的な整備になるか、
消費活動が結果としてインフラ整備する事になるか、
その行方はわからない。
「シェークスピアインラブ」と「イングリッシュペーシェント」
2本、たて続けに観る。

「板倉さんはどうして英語を話せるんですか?」
なんて良く聞かれる。
断って置くが、僕は英語が下手くそだ。
ただ「下手くそ」というのは、ある程度話せると言う事にはなる。
多分ハリウッド映画の見すぎだろう。
「アポロ13」なんかはキー台詞をほとんど暗記している。

映画を観終わって、立ち上がると思いのほか酔っ払っている。
タクシーで帰るGO嬢を見送る~ごめんなさい。
就寝。

3月16日(金曜日)

起床~メールチェック。
「懲りないくん」6号を「ほぼ日」にて確認。
6号の感想なる読者メールが、
「ほぼ日」スタッフ経由と「板倉雄一郎事務所」WEB経由で
何通か受け取る。
全ての読者の要望を織り込むには、字数不足。
一方、字数を増やしていただけても、
WEBで読むにはこの程度でないと無理。
ということでジレンマに。

とりあえず「懲りないくん」7号を書き進める。

13時、スピードグループという会社の白石代表とのミーティング。
しかし、彼自身は急用で、これなくなったという。
なんだか、今週は代表者に嫌われて居るようだ。
同社の役員2名と事業提携についての打ち合わせ。

16時、僕が倒産後に知りあった、
鳥取は米子の名士で酒問屋を営む足立慶氏とミーティング。
当社の役員就任とファンドへの出資を依頼する。
足立氏曰く「『懲りないくん』面白いですよ!」
僕喜ぶ。

17時、ちょっとしたトラブル案件でミーティング。
ああ疲れた。

18時、金曜日だと言うのに、合コンが土曜日に延期のため
予定は無し。
なので、スパ&プール。
母上夜勤のため、犬の散歩のため実家の船橋へ。

22時、久しぶりに「ニュースステーション」を観る。

CSKグループの総帥、大川功会長が亡くなったニュース。
僕の、ハイパーネット時代の遺品(?)と言えば、
当時のニュービジネス大賞の賞状とトロフィーぐらい。
賞状には「NBC会長 大川 功」と書かれている
僕は3度ほどしか直接会って居ないが、
皆さんもご存知のように、セガエンタープライズの
損失補てんに、自らの財産800億円以上をつぎ込むという、
経営責任の取り方の一つの例を身を持って示した人物。
「私財を投資してまでも事業をやり遂げる貴さ」
この頃、日本のIT業界を振り返る機会がなぜか増える。
悲しいことである。

犬と一緒に就寝

3月17日(土曜日)

午前中からスパ&プール。
原宿に戻り、PCワーク。
米での連載「彼氏失格」第一号が好評ということで、
締め切り迫った第二号を書く。
「愛とは、愛されたいと思うこと」という副題。
ジョンレノンのある歌詞の一部である。
あと、20本ぐらいはネタがありそうだ。
さらに、新しい連載の執筆。
ユニカルインターナショナルの代表、
佐々木かをりさん主催のe-Womanでの原稿。
佐々木かをりさんと言えば
「CBSドキュメント」のキャスターとして有名。
彼女とはかれこれ5年程のお付き合い。
原稿を書き終わった頃に、気が付く!
「やばい!ヴェルディーvsアントラーズの時間だ」
もう遅い、せっかく頂いたチケットを無駄にしてしまった。
残念ではない、頂いた方に非常に申し訳ない。
僕は、ごくまれにこんな事をしてしまう。
自己管理と周囲に対する恩赦が足りないのだ。
最低だ。

19時、気を取り直して、週末のお決まり「お食事会」
青山は「Kina」というビル全体がお食事スペースのお店。
1階~3階ぐらいまで、バーやレストラン。
その上は、個室がたくさんの、これまた「合コン」向け店舗。
この日は屋外ジャクージ付きの個室。

女性陣は、JJの専属モデルだったTA嬢を含む、
大手モデル事務所所属のモデル軍団5名。
男性陣は、彼女たちのリクエストで、いわゆる起業家をセット。
モデル軍団の一人からの、
「私、サイバーエージェントの藤田さんがいいな」
という声に答えるべく、藤田晋社長、
昔電通、今ベンチャーのKI氏、
ハイパーネットで開発のお世話をして頂いた
コスモテクノロジーという開発会社の長瀬友樹社長、
アクシブ・ドットコムの尾関茂雄社長。
まるで「起業家VSモデル」のフィーリングカップル5vs5。
TA嬢と僕は、お台場のスパ&プールで
何度もニアミスしていることを発見。
「Chateau LaTour'91」を何本か開ける。

22時、芝浦で開催のホームパーティーの予定のため、
「お食事会」メンバー全員で移動。
が、200名程でごったがえす会場に入るのは無理と判断。
そのまま芝公園の藤田氏自宅での飲み会と変更。

00時、先のホームパーティーから
2次会と称した数名が参入。
どんどん人が増える。
「IPO前と後では、明らかに女性が僕に求めるものが
違うんだよね。」という藤田晋氏の言葉に納得。
IPOのメリットは極めて大きいが、デメリットも確かにある。
詳しくは彼の著書「IPOという選択」を読んで下さい。
藤田氏、数十億の資産持ちだが、現在27歳、独身。

26時過ぎ、お開きとなり、原宿に戻り、
朝までカンクロウ君と反省会。

朝方就寝。

と言う事で、今週もまだ仕事は滑り出し段階。
エネルギー蓄積万全なので、いずれ訪れるダッシュを待つ。

板倉 雄一郎





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