板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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「懲りないくん」2001年10月14日号(37)

ほんと風邪がひどくなったで週。

10月7日(日曜日)

一日の寒暖の差が10度に迫るこの季節。
僕はすぐに風邪引いてしまいます。
調子わりぃ~っ。

13時、ホント珍しく「昼間デート」のため、
JR上野駅公園口にて、水戸在住ピアノ教師の
KU嬢をピックアップ。

しかし一体どこへ行ってよいか、
そして何をして良いか、さっぱり見当がつかない。
昼間のデートって苦手です。

昼食はいつもの「イゾラ」。
そして首都高ドライブ~お台場散歩。
ディナーもこれまた、僕のレパートリーのお店は、
日曜とあってお休みばかり。
原宿は、「SUGINOKO」に決定するが、
出入り禁止覚悟で書きます。
「すんげえまずい!」

23時、KU嬢を再びJR上野駅まで送り、
車中でしばし歓談。
そもそも「お見合いパーティー」で出会った彼女、
結婚願望が強いため、僕は何もできず。
だって、誰とも結婚するつもりないですもん。

10月8日(月曜日)

予定が無いので、TV鑑賞の一日。

10月9日(火曜日)

これまた予定が無いので、
実家の船橋にてワンワンサービス。

TVの映像は、
「米国同時多発テロ」に始まる一連の事件。
「狂牛病」に揺れる日本の情勢。
いずれのニュースについても共通の感想は、
この国の人々の「なんとなく」的思考の怠慢さだ。

80年代、日本人は「エコノミックアニマル」と表された。
世界一の経済大国になり、
その後のマネーゲームを誘発させ、
結果としてゲームに負けてしまった。

僕はこの現象を、講演などでたとえ話としてこう話す。

鮨屋の大将が、「ネタの見切り」と「握り」が上手だった。
そして、その店は繁盛し、お金が儲かる~資産ができる。
するとこの大将は、「俺は事業家として才能がある!」などと
思い込み、やがてビル経営などに手を出す。
しかし、慣れないビル経営は破綻し、鮨やもろとも破産する。

要するに、「すし屋」としての才能があっただけで、
「ビル経営」の経験も才能も無かったのに、
金を作れたことによって、勘違いしたわけだ。

まさしくこの国は、これと同じく、
単に「モノ作り」が上手であったがために、
金「は」手に入れることができた。
しかし、マネーゲームの経験など全く無い民族が、
様々な投資に手を出し、あっという間に破綻したわけだ。

経済システムを学習することは、
この国の教育制度にも、ビジネス上の職務にも、
実は全く無かったのだ。

組織の中で指示どおり正確にミスをせず、
モノを作れば金ができた。
そして、その金を銀行に預ければ、
頭を全く使わなくても、時間がお金を増やしていくことができた。
つまり金利である。
こんな環境の中では、お金に対して頭を使う機会を得られず、
結果として、経済システムに関する学習ができなかったのだ。

できなかったのなら、今すればよい。
が、それすらも、発想の転換が必要なるために、
なかなか進まないだろう。
なぜなら、あらゆる事象の認識を「なんとなく」受け止め、
あらゆる自分自身の行動を「なんとなく」決めているからだ。

たとえば、小泉内閣の支持率が、
その閣僚の多くがバッシングを受けているにもかかわらず、
70%をキープしている点など、
まさに「なんとなく彼がやってくれるのではないか」という、
全く論理的な思考から遠ざかった思考である。

「なんとなく」で物事を認識したり、決定したりするのは、
能力の欠如だとは全く思っていない。
ほとんどの場合、「論理的思考をする努力」から逃避する、
「怠慢さ」が原因であると思うのだ。

情報を集め、整理し、そこから論理的に思考を凝らし、
初めて自身の認識や行動の決定をする。
そんな努力を恒常的にするべきだと思うのだ。

僕のように失敗すれば、
その原因をメディアが探ろうとする。
しかし、「社長失格」が出版されるまでのメディアの報道は、
「フェラーリ」だの「白金の豪邸」だの、
一般の「なんとなく」認識する怠慢な人々に、
安易に理解される「キーワード」によって片付けらてきた。
実際には、上記のキーワードなど、倒産の原因としては、
さして重要なものではなかったのにである。
そして、その情報の受け手も、わかりやすいキーワードによって
それ以上の思考を怠慢し、事象を片付けてしまう。
すべては、思考に対する怠慢さが原因であるといえる。

村社会日本が、立ち直るためには、
まずは、この辺が解決する必要があるだろう。
視聴率の高いニュース番組に、
今時、経済オンチのタレントキャスターがのさばる状況は、
結果としてこの国の民を、
今以上に怠慢かつ無能化していくことだろう。

読者の皆様に、一つ提案がある。
何かを「否定」もしくは「肯定」する場合、
自分自身で、「なぜそれを(否定または肯定)するのか」を
自分自身に問うてみて欲しい。
そして、その答えを可能な限り論理的に組み上げてみよう。
この行為は、いかに自身の物事の決定の回路が、
「なんとなく」に支配されていることを気が付かせてくれるはずだ。

「なんとなく」の怠慢さは、
結果として自らの損失を招くことになることは間違いない。

10月10日(水曜日)

朝から、いくつかの連載原稿。

12時、GMO定例ミーティングのため、
渋谷はセルリアンタワー。

このビルの「イタ飯屋」、これまた出入り禁止覚悟で書くが、
「ホントまずいです」。
嘘だと思ったら行ってみてください。
今回は、「中華」~う~ん、そこそこ。

16時、10月17日の「NHKラジオ」出演の打ち合わせ。

17時、「板倉雄一郎事務所」のスタッフと打ち合わせ。

10月11日(木曜日)

9時、「福井商工会議所」での講演のため、
羽田よりNH751で小松空港。

小松空港に到着したら、
「ガオォ~」という轟音。
自衛隊小松基地では、F14の演習が行われている。
その音・・・実際に聞いて見るのとTVで見るのとでは、
大違いなのだ。

湾岸戦争もコソボ紛争も、そして「同時多発テロ」に始まる、
このところの騒ぎも、TVというメディアを通じるから、
誤解を恐れずにいえば、TVゲーム感覚なのだ。
現実は、想像を遥かに越えていることを、
たかが自衛隊の戦闘機の轟音を聞いただけで、
僕をして考えさせる。

ニューヨークでのテロも、アフガンでの空爆も、
現場の人間にとっては、我々の想像を遥かに越えた、
恐怖に支配されているのだと、あらためて思う。

映像は、「リアルさ」を強制的に認識させられる。
しかし、「リアルさ」と「リアル」は全く別次元なのだ。

13時、いつもの「ベンチャー学」を振る舞う。
それはそれで楽しかった。

16時、再び小松空港よりNH758で帰途につく。
小松~名古屋~浜松~伊豆~房総~羽田と、
すべての行程で、機体左の窓がわに座った僕には、
夕日に輝く富士山が美しかった。

人間も大地も空も自然なのだ。
「何故自然が自然を壊そうとするのだろうか」という
映画「シンレッドライン」の冒頭の台詞を思い出す。
自然の美しさと人間の醜さの対比によるそれぞれの強調が、
この映画のテーマなのだが・・・・
(この映画の自然の映像には、目を奪われます)

本来、地球上に住むすべての生物は、
己の生の継続を願っているはずだ。
それを前提にすれば、その願いを合理的にかなえる方法を
客観的に模索してしかるべきなのに、
戦争というお互いの真の願いに対し、
真っ向からぶつかる行動をする。
不幸なことだと思う。
しかし、この行動はもしかしたら、
そもそも資源に限りのある地球上での
合理的な種の保存欲求に純粋に従った行動なのかも知れない。
それ自体が生のエネルギーであり美しさなのかもしれないが、
一方で生の欲求という怖さを感じざるを得ない。

それにしても、空港でのテロ対策として、
「フルネーム」を答えさえる行為と、そのための人件費に、
一体どれほどの意味があるのだ?
空港の場内アナウンスでは、
あらかじめフルネームを手荷物検査ゲートで聞かれることを、
知らせている。
要するに、「テロ対策やってます」という「建前」なんだな。

そもそも、犯罪を犯そうとする人間ならば、
そんなゲートでの手順など簡単にパスできるだろうよ。
ホント、この国の行政に怒りが込み上げるぜ!
米支援を公言する以上、
テロの攻撃に遭う可能性は絶対に高くなる。
よって、国内の本質的な警備とセットでなければ、
米支援や自衛隊の派遣など言うべきではないのだ!
問題は、ここなのだよ。
自衛隊を派遣すべきかどうかという、
自衛隊だけを独立させた法的議論など何の意味も無い。

人の命を「建前」でごまかそうとするなよ。
「狂牛病」も「テロ対策」も、
我々の「命」と未来の「種」の危機を前提に
真剣に考え、実行すべきだなのだよ。

いやまてよ、それに気がつかない70%の支持を与える
国民の方が、まずいよな。

次は空港で、
「イタクラユウイチロウ」ではなく、別な名前でも答えてやろうか。

19時、上智大学外国語学部英語学科在籍のHO嬢と
お食事のため、中目黒は激安イタリアン「タントタベタリーナ」。

二人で平和を願う。
そして、とっぴよしもないアイデアを考える。
「どうすれば、すべてうまくいくか」を。
しかしいずれの方法も、人類すべてに対して、
WIN TO WINにはなりえない。
一つの平和的なアイデアを唱えれば、
「You may say I'm a dreamer」

食後、二人で平和の歌を合唱して帰途に就く。

ここまでは、
板倉 雄一郎
Copyright c 2001 Yuichiro ITAKURA All rights reserved.

以下は、John Lennon.

we are going to fight for the world peace!!!
Imagine

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace...

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world...

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one





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