板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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「懲りないくん」2001年7月8日号(23)

夏ばて気味だけど、何とかやってる号。

7月1日(日曜日)

朝、YU嬢と別れ、PCワーク。

なんだかんだで2001年も半分終わり。
日記書いてると、自分の変化が良くわかるので、
皆さんオススメです。
結局大きな仕事のクロージングができず、
ナカズトバズの半年でした。
自分に約束した「2002年までは、頼まれ仕事に従事する」
は守ってきました。
すぐに何かをしたくなる僕は、よくある台詞だけど、
「自分を戒めるため」に、そうしてみようと倒産時に思ったのです。
「周囲を引っ張る」のではなく「協力する」という姿勢も、
何年かやって見ると、自分の何かが変わるかなと思って。
2002年の暮れには、それを総括しようと思います。

21時、「懲りないくん」21号を確認し、22号執筆。

7月2日(月曜日)

15時、20000Kmを後にした愛車の「ダンパー」交換のため、
千葉県船橋市の実家から、はるばる埼玉県川越市は
自動車部品店「ヤナイ」。

自動車に興味の無い人にとって「ダンパー」って何?
って感じとは思うけど、せっかくだから聞いてください。
思いっきり簡略化すると、
自動車にはバネ(車体を支える主にコイルスプリング)がある。
バネが、路面の段差やうねりを伸び縮みする事により吸収する。
しかしながら、バネには元に戻ろうとする「復元力」があり、
これを放って置くと、一度バウンドしたバネは、伸びたり縮んだりを
永遠繰り返して、車はいつまでもバウンバウンと跳ねっぱなしに。
そこでこのバネの「復元力」を適度に抑制する部品が「ダンパー」。
ダンパーの構造は、
特殊なオイルを満たした金属製の筒の中に、
小さな穴がいくつか空いたピストンがあり、
そのピストンがバネの伸縮に伴ってオイルの中を上下するとき、
オイルがピストンの小さな穴を抜けるときの抵抗を減衰力として
バネの復元力を減衰させます。
よって、主にこの「オイル」が劣化する事により、
ダンパーの性能が落ちます。

なんで、こんなに面倒な説明をするかと言うと、
ダンパーは自動車の印象を大きく変える大切な部品だから。
路面の段差を越えるとき、
新車のときは「コトン」とか「パタン」だったのに
今では「ドカン」とか「バタン」なんてことありませんか。
運転していて「最近この車もだいぶぼろくなってきたなぁ~」
と感じさせるほとんどの原因は、このダンパーのヘタリなのです。
車の買い替えを検討する前に、だまされたと思って、
「ダンパー」を新品に変えて見ましょう。
ほとんどの場合、買い替えを止める事になると思うよ。
どんなに高性能なダンパーでも、せいぜい10万円代。
国産のメーカー純正品なら、間違いなく一桁コスト。
ただし、圧倒的な違いを味わいたいのなら、
低コストで作られる純正品より、ダンパーで食っている
「Bilstein」とかの専門メーカーモノ。
ほとんどの場合、新車より「いい感じ」を体感できます。
たとえて言うなら、
携帯電話が呼び出しのバイブレーションによって、
机の上で暴れる、どこか締まりのない感覚に対して、
新しいダンパーの車は、その携帯電話を手のひらで、
強く握り締めた時の「安定感」に似て居ます。
また別のたとえでは、
ベランダの手すりを手で強く叩いたときの「鈍い振動」に対して、
「オンサ(調音の時に使う三角形の金属棒)を金属棒で
叩いたときの「振動」との違いといったところ。

僕の場合は、ドイツの名品「Bilstein」を入れ、
帰途、顔が自然に「ニンマリ」と。

川越~関越自動車道~東京外環~首都高5号線で原宿。
久々に車を噛みしめて走る。
10万円ちょいのコストは、これから2年間の利用と、
その間の満足感を考慮すれば、大変安い。

以上、新車化ティップスでした。

7月3日(火曜日)

12時、日経BP社編集 柳瀬博一氏、
雑誌「日経ビジネス」記者金田信一郎氏と共に、
ランチミーティングのため「赤坂プリンス」。
例の特許本の構成打ち合わせ。
外枠は固まり、演出場所も意見の一致を見る。
後は書くだけ・・・・なんだが・・・・うん書こう。

13時、雑誌「日経ビジネス」の特集のため日経BP社。
負債総額で僕の100倍、
現在は「エンジェル・ベンチャー協会」を設立し、
ベンチャーインキュベーションを営む
元リースマンションの「マルコー」代表金澤尚史氏との対談モノ。
倒産と言う「失敗」をどう捉えるかというテーマは、
今まさにこの国のあらゆる分野で必要とされている。
僕の主張はいつものように
1、失敗は悪ではない 
2、成否よりフェアーかそうでないかの方が重要。
3、敗者復活を許さないのは、この国の環境ではなく、
失敗する過程でのアンフェアーな経営にある
と言う事を主張。
後は、記事をお楽しみに。

金澤氏はリースマンションという不動産業、
そして僕はネットビジネスと業種が全く違うのにもかかわらず、
手を引くときの金融機関の行動は全く一緒というのが、
このインタビューの最大の感想。

16時、ホテル日航東京の「スパ然」

18時、先日のパーティーで知り合ったEM嬢とデートのため、
彼女のオフィス近くでピックアップ。
和食をリクエストする彼女を連れて新橋は「第三春美」。
「特大マダカ鮑の煮鮑」、「特大クロ鮑」どちらも2kg!
シビマグロ(本マグロ)、メジマグロ(本マグロの少年期)、
そして本日の極めつけは、南淡路島で捕れた黄鯵(瀬付の平鯵)。
夏は鮨ネタが乏しいと思っている人が多いが、間違いです。
夏のネタは高価なものが多い傾向にあるが、
しっかりネタを流通させることができる店(つまり客が入る店)は、
真っ当な値段で、真っ当なネタを供してくれます。

20時、僕の口説きスポット、西麻布は「イ・ピゼッリ」。
EM嬢とは今日が最初のデートだというのに、
もう何年もつきあっているかのように接する事ができる。
彼女のルックスは、髪型、服装、スタイル、顔立ちと
どれをとっても「お嬢様系」なんだが、
話は極めてストレート。
余計な気を使わせないという意味で、接しているのが楽しい。
それにしても、彼女のスタイルは、
僕が頭で想像する最良の女性のそれと寸分違わずGOOD。
っと言いたいところだが、まだふたを開けて居なかった。

23時、彼女をお行儀よく・・・・なんて全然できずだが、
首都高3号渋谷線~用賀~彼女の成城のご自宅へ送る。
信号待ちの度に、狭い車内での柔道は、
彼女の自宅近くで炸裂!
勝敗はつかなかったが(?)、柔道は相性が重要。
彼女とは、うまく行きそうだ。

7月4日(水曜日、米独立記念日)

14時、18日の東急グループ(山水会)での講演の打ち合わせ。

16時、ようやくお金が集まり「つつ」ある、VMX投資ファンドの
LP(リミテッドパートナー=つまり出資者)向け説明会。
友人知人関係が多いため、最低限のルールを強調。
つまり、投資における最大のリスクは、
投資したお金がゼロになる可能性がある事。
そして、最大のリターンは投資先企業の成績いかんによって、
大きな差がある事。
以上は、あたりまえの事だが、とかくこの国のビジネスマンは、
融資にはなれているが、投資にはなれて居ない。
だから失敗すると「おまえを信用して出したんだから責任取れ!」
とか言う事になる。
そういう場合はこう聞きたい「じゃあ、成功してリターンがあったら、
僕にも分け前をくれたのかい?」っと。
すべの事象はリスクとリターンのバランスによって成り立って居る。
これを忘れてはならない。

とまあ、こんな事いちいち説明しなければならないほど、
無知な方々では無いどころか、極めてスマートな考えの方々。
しかし、友人知人ということもあり、万が一の時に、
この関係まで壊れない程度の出資にしてくださいとお願い。

「失敗は悪」ではないと言えるのは、
フェアーに取り組んだ上での結果に対して始めて言えること。
VMXのメンバーもフェアーに最大限の投資効率を求める。

18時、説明会メンバーと共に、ITベンチャー企業家ご用達の、
六本木は「おうあん」。
和式個室割烹料理店なのだが、なぜか着物姿のおねー様が
お客一人一人に隣席するお店。
どんちゃん騒ぎになるところだが、今日は終始議論とトーク。
きっと、おねー様方はつまらなかったことだろう。

「感性」についてのお話。
人は、「心」と「頭」と「体」を持って居る。
たとえば、恋愛において、女性でも男性でも、
「あっ、素敵な人だ」っと思うことは多々ある。
しかし、社会生活を営む上で、
その欲望や感情のまま行動する事は許されない。
よって、そのときの「心」を「頭」が抑制する。
これを長年続けていると「心」そのものが萎縮してしまう。
「頭」の指令を聞き続ける事によって、
「心」の活動、すなわち「感性」を壊しているのだ。
すると、恋愛に限らず、あらゆる事に対する「感性」が鈍り、
「心を打つ風景」、「感動的な言葉」、「美しい人」、
「エキサイティングな仕事」などを感じ取れなくなり、
「友情」、「愛情」までもが、減衰する事になる。
それじゃどうするか?
僕の場合は、「感性」を温存するために、
できる限り感性にしたがって行動する。
それが無理な場合には、自己の「感性」を読み取り、
別な手段(たとえば文章にしたり、人に話したり)により、
「感性」を抑制するのではなく、発散させることにして居る。
おかげさまで「子供だ」とか、明らかに悪い意味で「素直ね」とか
言われるのだが、大いに満足である。
感性を抑制することが大人なら、絶対になりたくない。
と言う僕は、もう37歳ですってば。

7月5日(木曜日)

昼から「スパ然」

15時、先月MG嬢に連れていかれた、
代官山はカリスマ美容師そろう「リッツ」。
今回も板倉君にヘアーカットをお願いする。
思いっきり短くカットしたヘアーは季節柄もあり、
ヒジョーに気持ち良い。
短く切ると、ツンツンするはずの僕の髪の毛、
彼のカットは、その日から落ち着きと動きがある。
どうして?

20時、先週出会ったMU嬢とデートのため、
これまたしつこく白金はピッゼリア「イゾラ」。
僕は確かに、気に入ったCDがあると、
磨り減るまで(CDは磨り減らないが)何度も繰り返し聞く。
お店に対しても、同じらしい。
女性に対しては・・・・・ちょっとわからず。

23時、お行儀よく(ではなかったが)
彼女を、自宅の大泉学園まで送る。
「板倉さんと居るのはとっても楽しい」っと女性に言わせるのが、
僕の趣味なのだろう。
そのために、様々な努力を惜しまない。
セックスが目的と言う男性は非常に多い。
僕もそれがいらないかと言われれば嘘になる。
しかし、それは、二人の関係の中で、
相手に対する興味が沸騰した結果、訪れる
コミュニケーション手段なのであって、決して目的ではない。

果たして彼女は満足したのか否か?
それは、どんなお礼の言葉より、
2度目のデートがあるかどうかに依存する。

7月6日(金曜日)

10時、ある自動車関連のアイデアを思いつき、
権利化(つまり特許出願)可能かどうかのミーティングのため、
「龍華国際特許事務所」。
一通りアイデアを説明すると、もちろん権利化は可能と言う。
ところが「板倉さんは、発明事務所を始めたほうがいいですよ」
と言われる。
確かに発明は権利化するかどうかはさておき、よくやる。
「板倉発明事務所」こんなビジネスもありかな。
でも、旗揚げしたら「ドクター板倉」とか冷やかされ、
ピョンピョン跳ねながら東京都知事選に立候補したりして(笑)。

16時、電通と僕の「プロジェクトSS」のミーティングのため、
富ケ谷の、とあるスタジオ。
参加メンバーと会社名は、書くとプロジェクトがバレルので、
この内容は、発表できるまで内緒です。
プロジェクトの実行が決定したら、必ず「懲りないくん」で書きます。

19時、「スパ然」

22時、船橋の実家へ戻り、ワンワンサービス。

7月7日(土曜日、七夕)

昼から「スパ然」

15時、お台場でお買い物中というEM嬢からのお誘いに、
「スパ然」を早めに切り上げ、お台場ドライブデート。
途中、お台場海浜公園でBBQ最中のカンクロウクンから
お誘い~100名ほどの大BBQ大会に参加。
なんだか、今日は、お台場づいている。

20時、ME嬢と別れ、自宅にてワインパーティー。
と言うのも、僕の起業家の弟子である
渡部篤史君の事業が利益を出し始めたということで、
お世話になった(?)僕にプレゼントがあるという。
MG嬢も参加して、ワインを待つと、
彼と彼の彼女が持参したワインは、
なんと、DRC「La Tache '87」!
一体どこで手に入れたのか教えてくれないが、
とにかく世界のお酒で一番好きな一つ。
リーデルのグラスに注がれたそれは、
グラスを傾け、ゆっくり回しながら、グラスの周囲に
優しくワインを這わせるだけで、その香は周囲に拡散する。
ぐるぐるワインをブン回す必要など全くない。
DRC(Domaine de la Romanee-Conti)社のワインは、
例外なくすばらしい香が広がる。
保存状態が良くなかったせいか、色合いは白く濁り気味だが、
お味もまたサイコー!
舌の上で転がしながら、飲み込んでしまうのを躊躇する。
4人とも、ただ頷きながら、静かに味わう。
七夕の小さなパーティーの夜は、至福の時を共有しながら、
静かにふけていく。

と言う事で、ようやくデート復活週でした。

で、ここで書くのもいかがなものかと思いますが、
皆様にお願いがあります。
実は、子供が欲しいのです。
どうしても欲しいのです。
なので結婚相手を探して居ます。
僕の愛犬、明君の結婚相手です。
この犬、スタンダードダックスフントと言って、
よくある小さなミニチュアダックスフントよりふた周りも大きな種で、
なかなか相手が居ないのです。
もし、心当たりがありましたら、是非お知らせください。
スタンダードダックスフント、オス、5歳、ロングヘアー、
チョコレート色。

板倉 雄一郎
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