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「懲りないくん」2002年1月4日号(48)

新年明けましておめでとうございます。
今年も、たぶん、去年と大きく違わない、
「懲りないくん」をお届けいたします。

今週は年越しで週。

12月28日(金曜日)

12時、2001年分の税務申告のため、
一年分の領収証の山を、
元ハイパーネット財務担当役員の若月女史に手渡。
彼女とは、お互い19歳で、
最初の会社を設立する時からのお付き合い。
今は、僕個人の税務申告の
アルバイトをお願いしています。
僕の数々の経営判断ミスと人格の問題によって、
ハイパーネットが倒産した後、
僕は、定職無き人生を歩んでいるが、
彼女は「TBSドキュメント」などのキャスター、
そして現在はe-Womanの代表で著名な
佐々木かをり女史の下、
同じく財務担当として手腕を振るっている。
彼女曰く、
「同じ仕事内容で何年もできる~幸せだ」と。
人の幸せって言うのは、
それぞれの価値観によって変わるものだ。
僕なら、同じ仕事を何年、いや何日もやるのは、
それだけで大きなストレスになる。
まあ、そんなところが、起業家であって、
経営者になれない(今となってはなりたくも無いが)
決定的な理由。
「商い」は「飽きない」でなくちゃね。

僕の税務申告は、「作家」という
個人事業主としての届出をしている。
だから、売上と経費を
自らが分類する必要があるのだが、
これがまた厄介。
売上に対する、交通費などの直接的な経費は、
割と簡単に分類できるのだが、
たとえば、女の子とのお食事会話から、
次の講演のコンテンツを得ることもあるし、
執筆内容も、場合によっては、
「人生」とか「恋愛」なんてこともある。
よって、広義に見れば、
あらゆる活動にかかる費用が経費であって、
税務署から見れば、それはまた逆である。
めんどくさぁ。
でもちゃんとやってるの。
だって、会社の倒産や自己破産は、
決して褒められたことではないし、
他人に損害をあたえているけれど、
犯罪行為ではない。
一方、何処かのおばさんの様に、
積極的な脱税をすれば、犯罪になる。
ここは大きな違いなのだよね。

今年あたりから、はっきりい言うようにするけれど、
当社の倒産時、
日本長期信用銀行のあるお偉いさんが、
「お前たちは、一生この罪をつぐなえぇ~」などと
叫んでいた。
この銀行、採算度外視のリゾート施設などに、
兆という単位の無謀な融資を実行して、
挙句の果てに破綻して、
血税を3兆円近く浪費し、
いまや外国の会社になった。
僕から見れば、明らかにその怒鳴ったおっさんの方が、
犯罪に近いんだけど。
なぜなら、採算が現実的でない事業への融資は、
厳密に言えば、背任だからさ。
怒鳴ったおっさん、今度は自らに、
どんな責任を取らせようとするのだろうか?
それとも「組織」の問題だから、
関係ないと言うことなのだろうか?
大変興味ある。
「組織」などという人格は
この世に無いのだけどねえ。

ちょっと話がずっこけたが、
要するに税務申告。

とは書いたものの、
そもそも税を気にするほど、
儲かっているのか僕は? はは。

12月29日(土曜日)

13時、いつものホテル日航東京は「スパ然」。
せっかくだから、どんなとこなのか、
ちょいと説明しよう・・・と思ったが、
百聞は一見にしかずということで、
http://www.hnt.co.jp/zen/
でございます。
よく「懲りないくん」読者に聞かれるのです。
「あの『然』っていったいなんですかぁ?」っとね。

この2年ほど、週に3~4日通ったおかげで、
女性の裸体(といっても水着)に慣れてしまい、
それだけでは何も感じなくなってしまいました。
逆に服を着ている姿が妙に性欲をそそったりする。
普通の生活をしていれば、
裸体に触れる機会はあまり無い。
だから、それに興味を持つ。
しかし、慣れてしまえば何てこと無いわけだよ。
不思議なもんです。

そういえば、恋愛も、
社会共同幻想が作り上げたものだと思う。
「モードとしての愛」ってことになるのだろうね。

南太平洋のある島国(人から聞いて名前忘れたが、
確かパプアニューギニアの近く)では、
結婚制度がちゃんとあって、
よって家族と言う認識もちゃんとある。
嫁を迎えると、夫はもちろんのこと、
夫の父(つまり嫁にとっては義父)とも、
夫の兄弟(つまり嫁にとっては義兄弟)とも
性交渉を持つそうだ。
夫も特に嫉妬したりしないし、
嫁も迷惑に思わないらしい。
で、子供ができるが、誰の子供だかわからない。
が、少なくとも同じ「家族」の子供には違いない。
不思議な国と思う。
しかしね、文化がそうであるから、
恋愛感や結婚の意味するところが
我々とは違うわけ。
つまり、共同幻想が作り上げるものによって、
人は「相対的」に幸福感や挫折感を
味わったりするわけだよね。
恋愛での相手を一人にするという「常識」は、
つまり「絶対的」な生き物の価値観ではないのです。
この不思議な国の結婚における意味は、
多分「遺伝子の継承」なのであって、
我々の住む、日本を始めとする先進国では、
「自己の実現」なのだろうと思う。

それにしても、欧米のキリスト教をベースにした
結婚制度は理解できるが、
そもそもそんな概念の無い、いや、
もともとフリーセックスだった日本に、
一夫一婦制を持ち込むもんだから、
「不倫が文化」になっちゃうんだよね。

遺伝子を制度や、
作りたての文化でねじ伏せることは、
所詮不可能なことでしょう。
最近の遺伝子工学の発見によると、
同じ人間を好きでいることのできる期限は、
4年だそうで。
これは、二足歩行によって骨盤が小さくなり、
半熟状態で子供を生まなければならなくなり、
生後、3年は両親が育てないと一人前にならなくて、
そのために、身ごもってから計4年という
期限が付いたらしい。
もちろんこの説は仮説なんだろうけどね。

断っておきますが、
一人一人の価値観にけちつけるつもりではないの。
国や官の思惑によってできる制度より、
自然の摂理に基づく制度の方が、
結局うまく行くのではないかという提言なの。

何を持って、幸せを感じるか?
何を持って、不幸、不足、不自由を感じるか?
人が生きていくうえで極めて大切な要素だと思うが、
僕は最近「物理現象」に目をむけ、
悪く言えば、「動物的」に物事を考えるようになった。
前にも書いたが、家を借りるも、買うも、
その結果やってくる物理現象は、
雨風凌いで暮らすという行為で、あまり変わらない。
むしろ、住宅を所有すると、
転居の自由に制限が発生したり、
メンテナンスの精神的、経済的負担が増えるなど、
マイナス面も結構あるということになる。
所有を追いかけている間は、
とりあえずの目標があるおかげで、
日々「自分にとっての幸せとは」などと
面倒なことを考えずに、ひたすら努力できる。
組織的には、その目標に向かうと言う一体感が生まれる。
しかし、所有したとたんに、目標を実現したとたんに、
夢見ていたものと違う現実に気が付くんだよね。

「目標を定め、日々努力する」と言うのは、
確かに聞こえが良い。
そして、多くの人がそれを褒め称えるが、
実のところ、それは
価値観や幸せを考えることからの
逃避だったりするのかもしれないと、
ふと思ったりする。
なぜなら、僕のように
「いったい何が幸せなのだ」と
いつもそれを探して行動するのは、
結構疲れる。
だけど、それが体系的に理解できて、
かつ表現できれば、それ自体が目標達成なのだけど。
そして、人が人を殺す行為が無くなれば幸いです。

18時、「クラブEXE」のパーティー。
が、行ったところで、この年末、
結局、夜遊びパイレーツ(男性)の忘年会状態。
よくもまぁ、これだけ面子がそろったものだ。
そして、よくもまぁ、これだけ、女性が居ないものだ。
ちゃんちゃん。

21時、お掃除と犬の散歩のため、実家の船橋へ

12月30日(日曜日)

実家にて、まあよくある年末の掃除など。

12月31日(月曜日)大晦日

お馬鹿な国の、でも大好きな国の
2001年の終わりの日。

2000年、2001年は、割と平穏に暮らせた。
その理由は、1997年に会社が倒産し、
少なくとも5年間、大人しくしていようと
自らが決めたことを、守っていたから。
そして、それまで気が付かなかったこと、
それまで、交わらなかった世界を体現して、
その後の人生の糧にしようと思ったからなのです。
自ら進んで事業を起こさない~
それって怠慢に見えるでしょうが、
僕にとっては我慢と忍耐。
早く喪が明けないかなと思うのです。
あと一年、我慢します。

失敗したら、すぐ立ち上がれ!
などと、何の根拠も無いことを言う人が居る。
僕は、まったく賛成できない。
失敗したら、せっかく失敗したのだから、
立ち上がる前に、自分の傷や失ったもの
そして損害や迷惑を与えた人を見て、
そうなった過程を振り返り、
失敗をしゃぶりつくすことをまずやるべきだと、
強く思う。

僕の周囲にも、失敗して、
すぐに立ち上がった人が何人か居るが、
彼らをみていて、正直こう思う。
「ああまた、同じ失敗するな」っと。
せっかくの人生、同じことを繰り返すなんて、
それも同じ失敗を繰り返すなんて、
絶対にしたくないのだよ。

話は、ぜんぜん違うのだけれど、
政府主導の中高年向けPC教室ってどう?
あれは、まったく意味ないよね。
だって、若い人間に絶対に勝てないことを
中高年に教えてるわけでしょ。
助けてると言うより、
近い将来のほとんど役に立たない目標と言う
幻想を持たせて、だましてる。
だましていると言うより、いじめてると思う。
PCを教えることより、
リストラされた中高年に、彼ら自身の「失敗」を
しゃぶり尽くさせる方法を教えたほうがいいと思う。
なぜなら、彼らは彼らのそれまでの人生を、
失敗だったと認識していないからさ。
失敗と認識して、それを分析できれば、
今度は若い人間より勝る「経験」によって、
それを経済価値に置き換えることができるはず。
実質でも名目でもどちらでもいいが、
いわゆる経済成長率なんていう
足元を追ってる限りは、
この国、いつまで経っても良くならないよ。
明らかに。

18時、「スパ然」

21時、様々なお誘いのある
「CDパーティー」から、迷いに迷った挙句、
起業家赤石太郎邸へ。
でもなぜか、盛り上がりに欠けるので、
さっさと抜け出し、芝浦はクラブ「Two Face」。
聞くと、本日の予想人数は4000人!
とりあえずVIPルームを予約した友人に紛れ、
2001年にお別れを告げる~異様な盛り上がり。

毎年思うことだが、このカウントダウンと言うのも、
社会共同幻想の最たるものだよね。
物理現象的には、いつもの夜となんら変わりない。
毎年、年が明けるたびに、
「喜んで大騒ぎして、祝うもの『だ』」と
自分に言い聞かせている自分が居たりする。
まあ、何事にも「理由」をつけたがる、
「オタクラウンチクロウ」君だから、
仕方ないのだけれど、けど、けど、
一体何がどうしたって言うんだい、
2002年だからって?

人為的でない現象が起こったら、
すっごく面白いのに。
たとえば、年明けと同時に、
太陽が突然出てきて、レインボーに輝いて、
災害が無い程度に地震が起きて、
犬や猫やカラスがいっせいに合唱するとか・・・。
んなこと考えても意味ないね。失礼。

一番詐欺っぽかった年明けは、99~2000年。
僕は当時の彼女と一緒に、
サンフランシスコに居たのだけれど、
特別何も無かった。
ただ、その彼女と居ることは幸せだったけど、
それだけだったな。

だったら出かけていなければ良いのにねぇ。
ぼくったら。
やっぱりさびしがりやなのかしら?

2002年1月1日午前2時、
「浜崎あゆみ」のCDコンサートが終わって、
腹が減ったという
現在歌手修行中、40歳の彼が何ヶ月も
相手にしてくれない(それって、ほんとに彼氏?)
21歳MU嬢の誘いに乗り、
原宿は、「じゃんがらラーメン」。

そして、今年初めての「映画鑑賞」
なのだが、なかなか自宅へ戻れない。
「歩行者天国=住民地獄」。
警察用語「マル原」の証明書を頂き、
歩行者をなぎ倒したくなる思いで自宅。
で、本当の映画鑑賞で「シックスセンス」。
MU嬢、まるで妹だからね。

1月1日(火曜日)

12時、MU嬢とともに、
新年早々(と、こう書くと何か意味があるように
思うだけで)またもや「スパ然」。

と、突然新年会(と称した、実は単なる集まり)を
やりたくなり、何人かに連絡。

16時、元レーシングドライバで、
現在デリバリーワインどっと込(めばいいのだが)の、
酒井浩氏、
博報堂勤務KI氏とその女友達が、スパに参加。
小さな、小さな新年会。

20時、全員腹が減る。
そして、せっかくだから大勢で食べてこその、
本格中華を探すが、どこも開いていない。
で、中華がなぜかカリフォルニア料理になり、
恵比寿は、「RICOS KITCHEN」。
でも、おいしかったよ。
値段もそこそこ。
サービスされるディッシュは、
一皿のボリュームが少なく、
料理の種類が多い、お子様ランチスタイルなので、
女性には特にいいかもね。
お味は、ちょいとフレンチ風でした。
けどね、なぜか流行のカリフォルニア料理、
僕は、計1年以上居たカリフォルニアで
「カリフォルニア料理」など、
食べたこと、いや、見たこと無いけど。

22時、やっぱ、元日のうちに
実家に居ないととか思って、
(へへぇ~親、犬孝行だなぁ)
船橋へ。

1月2日(水曜日)

12時、新春PCワーク。
マイクロソフトマネーへ領収証の入力、
オンラインバンキングからデータをダウンロード
そして確認。
年賀メールへ返信。
などなど。

18時、5Kmの犬の散歩から帰り、
母上手作りの御節料理をつまむ。
でも、僕の好物は「おぞーに!」
実家のは、鶏肉でだしをとった醤油ベースに、
具はシンプルにシイタケと菜っ葉だけ。
オーブンで焦げ目が付くまで焼いたお餅をお椀に入れ、
その上から先のスープをかけていただく。
もうサイコー!

21時、現在無職、親が金持ち、
まぁまぁ美形24歳の僕の何でしょう・・・
映画鑑賞友達TU嬢からのお誘いを受け、
(今年から、女性の修飾を加えることにしました)
原宿の自宅へ。
「マル原」シールを付けた車は、
まるでVIP車のように、
表参道を警察に誘導され走るのです。
ってなんのこっちゃ。

TU嬢、僕に会いに来る目的は、
本人もはっきり言うように「映画鑑賞」なのだが、
毎回、「ワインが飲みたい」とか
「相談に乗ってほしい」と理由を付ける。
そして、外食を好むのではなく、
僕の自宅へ直行する。
不思議だ。
でも、それが心地よかったりするのだけれど。
で、本日もコイー「映画鑑賞」。
TU嬢に限らず、この手の付き合いの女性から、
「あなたの良いところは、***だけだからね」と
言われる僕は、幸か不幸か?
何も「~だけ」と力説しなくてもいいのに。
ホントのところ、どうなの?
知ったところで、何かが変わるわけじゃないけど。
誰か教えて女性の心理。

1月3日(木曜日)

12時、TU嬢と別れ、またもや「スパ然」

17時、実家へバックスピン。

と言うことで、社会幻想と女性の欲望に支配された
年末年始を過ごしました。
今年一年、また「幸せとは」というテーマで
懲りないくんは生きていくのです。
社会に迎合したくは無いが、
社会に流され、自己を抑えつつ、生きていくのです。
今年いっぱい限りだけど。

それでは、本年も「懲りないくん」を
よろしくお願い申し上げます。

<今週の連絡事項>

「アイズ・ワイド・シャッド」のDVEが帰ってこない。
怒らないから、返してね。


板倉 雄一郎
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