板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  懲りないくん  > 「懲りないくん」2001年10月21日号(38)

「懲りないくん」2001年10月21日号(38)

デートよりお食事会より、
なんだかいろいろ考えてる週。

10月14日(日曜日)~10月16日(火曜日)

特にトピック無し。

10月17日(水曜日)

12時、ビジネスランチ。
ハイパーネット時代からの知人で、
現在はオールドインダストリーの活性化に取り組む
大津山氏とランチ。

「敗者復活の経営学」という僕の著書でも書いたことだが、
日本のベンチャーは、渋谷のインチキドットコムより、
大田区や東大阪市の数千に上る、いわゆる「町工場」にありと、
意見の一致を見る。
彼らは、「Only One Number One」の技術を持っているが、
3次4次の下請けに留まり、その技術を効率よく経済価値に
置き換えることができていない。
ベンチャー経験者が彼らの価値を
最大化できるのではないだろうか。

16時過ぎ、NHKラジオ第一放送へ生出演のため、
自宅より歩きでNHK~とは言ってもほんの5分。

「起業支援」のための1週間連続番組の3回目に出演。
しかし、これまで2回の出演者の番組での発言に唖然!
「大きなリターンを得るためには、家庭までも犠牲になる」とか
「女性の起業には・・云々かんぬん」とか言っていたらしい。

あのね、まず、大きなリターンのためには、
ドラスティックな戦略的リスクテイクが必要なのであって、
家庭崩壊とは関係ないよ。
そもそも、家庭崩壊するほど仕事していたら、
経営者の精神的時間的余裕が無くなって、
むしろうまくいかないのよ。
さらに、「女性のための・・・」という発想は、
もはや「女性差別」の代名詞だよね。
だって、今時、女性だから・・・などという発想は、
むしろ女性に嫌われるってば。
その証拠に「女性向サイト」がことごとく失敗しているのは、
女性の社会進出があたりまえの、アメリカだったりするのよ。
起業とかベンチャーとか言うと、
メディアも出演者を厳選する余裕がなくなるのね。

でも、僕は、番組出演楽しかった。

20時、元ワンギャルOS嬢、他1名と
三菱商事勤務フェロモン君と共にお食事会のため、
西麻布は「真」。

女の子目当てというより、楽しくお食事モード。

10月18日(木曜日)

9時、「青森中小企業団体中央会」での講演のため、
羽田よりJAS163で青森空港。

いつものベンチャー学を振舞う。

正直、「田舎のインチキ経営者の集まり」と思っていたが、
東京や大阪の講演より遥かに真剣な聴衆にびっくり。
地方のほうが景気後退の体感度合いが高いらしい。
非常にビビットに反応する聴衆に大満足。

17時、JAS166で東京へ帰る。

10月19日(金曜日)

朝から、最近遅れ気味の「懲りないくん」の原稿。
いろいろ書きたいことがあるのだが、
字数制限の関係で、割愛。

なので、今週は、評論家になったわけではないが、
ここで、いろいろ書いてみたいと思います。
「国会中継」や「米国同時多発テロ」に始まるニュース報道、
そして「狂牛病」に関するニュースなどを見て、
僕はこう考えます。

1、政治に関する基本として・・・

政治が何かを帰るという考え自体が大きな問題だ。
政治は何も変えることはできない。
政治は、国民へのサービス業であるから、
政治が世の中を変えるのではないのだ。
帰るのは、政治家を選ぶ国民であり、
国民が成長することが帰るための原動力。
政治家でなくても、法治国家に生きるだけで、
本質的な政治家なのだということを忘れてはならないのだ。
よって、一人一人の意識改革が、この国を改革する。

2、同時多発テロに関して・・・

世界からつまはじきにされないための具体的方法は、
自衛隊を送るなどという実質的な効果がほとんど無いこと
ではなく、自国の経済問題(=不良債権処理)を
解決することなのだよ。
世界に迷惑をかける可能性があるとすれば、
自衛隊を送らないことではなく、
日本の経済が破綻することなのだ。
つまり、自衛隊を送ることによって得られる「であろう」
世界からの良い評価より、
日本経済が破綻したことによる世界への迷惑の方が、
遥かに重大だということだ。

一体、世界のどの国、どの国民が、日本の自衛隊の出動を
期待しているというのだ?
それを期待しているのは、実は政府だけなのでは?
米政府だって、大統領だって、
自衛隊の出動が無いことと、
不良債権処理が進まない事と、
どちらに懸念を示すかなんて議論の余地はありません。

3、経済と生活について・・・

経済不況は「直接的に」は、人を殺さない。
だが、じわりじわりと多くの人の生活を脅かす。
もし仮に、テロの温床となっている地域の、
テロを生み出す根本的な背景が経済的問題だと仮定すれば、
目の前のテロより、経済的な崩壊の方が、
明らかに人々の死活にかかわる問題ではないだろうか?

4、現政府に関して・・・

それにしても、せめて「質問にちゃんと答えることができる」
政治家を選びたいものである。
(野党からの質問にしっかり答えた姿を見たことが無いよ)

5、国際協力に関して・・・

国際協力というのは、みんなで同じ事をするのではなく、
それぞれの国が、それぞれの立場で今やるべきことを
やることなのだよ。

って感じでしょうか。

こんなこと書くと、「板倉は左だ右だと」
カテゴライズされそうだけど、
僕はどちらでもないのです。
過去のカテゴライズのどれにも当てはまるとは思いません。
しいて言うなら、合理主義ということでしょうか。

以上、評論家になってみたわけです。

10月20日(土曜日)

朝、久々の「レーシングカート」に乗るため、
18歳の時に、全日本チャンピオンに輝いた
酒井宏君と共に千葉県市原市は、「新東京サーキット」。

4年ぶりのカートは、さすがに疲れる。
5週もすると、ピットに帰りたくなるです。

僕のカートの先生である酒井君も、
その後ワイン屋(www,delivery-wine.com)に転向して、
彼にとっても4年ぶり。

昔企業家、今売れない作家の僕。
そして、昔レーシングドライバー、今ワイン屋の酒井君。
「あれもやりたかった」とやり残しばかりの人生より、
「あれもやったが、頂点までいけなかった」の人生のほうが、
遥かにマシです。

ということで、今週は、また、風邪がひどくなりそうですが、
何とか書くことができました。

来週(つまり、これを書いている週)は、
風邪がどんどん悪くなってます。

板倉 雄一郎
Copyright c 2001 Yuichiro ITAKURA All rights reserved.





エッセイカテゴリ

懲りないくんインデックス