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「懲りないくん」2001年12月16日号(46)

ADSLにもちょっと飽きて、というか生活の一部になって、
そして、クリスマスが違いで週。

12月9日(日曜日)

特にトピックなし。

12月10日(月曜日)

10時、3年に一度の「運転免許更新」のため、
千葉県は幕張の運転免許試験場。
僕は、住所が実家にあるので、千葉県公安委員会より、
運転免許を交付されるのです。

例によって、郵送された葉書と免許を提出し、
規定の用紙に必要事項を書き込み、
更新手続きのための費用を支払い、
目の検査~写真撮影~そして講習。
脳みそが死んでいてもこなせる手続き。
かといって、ほかの仕事をするわけにもいかない。
ただただ、やり過ごすことだけを考える。

講習会場への入り口で、
「交通安全協会」なる共済の申し込みを迫られる。
多くの人が、1500円の共済金を躊躇なく支払う。
僕は当たり前のように、その会の概要を問う。
「これはどんな団体で、
どのようなことにお金が使われているのですか?」
周囲で淡々と支払いをする人からも、
(気にしすぎだろうか)質問をする僕に冷たい視線。
すると、質問を受けたことがないのだろうか、
怪訝な顔をした担当の職員は、面倒くさそうに
「講習の後でもいいですよ」という。

講習の後だろうが、先だろうが、
公安の施設の中だろうが、外だろうが、
内容を知らない団体への支払いなどできるわけがない。
第一この手の団体の経費の大部分は、
(ユニセフも含め)本来の目的に到達することがないのだ。
つまり団体内部経費として消化される。
使途の明細でも提示されなければ、絶対に払わない。
というか、使途の概要ぐらい
パンフレットに載せるべきではないか?
ほとんどの人が、無防備に支払うから、
ディスクローズが進まないのだな。

物言わぬ株主によって所有される日本の会社と
まったく一緒。
この団体の場合には、公安の施設内だから、
そして、株式については、証券会社が勧めるから、
そんな理由でお金が動く。
損をすれば、勧めた組織のせいにする。
自己責任とディスクローズのセットが無視された
この国を象徴する行為だ。

2時間の講習が始まる。
例によって交通事故の映画放映。
そして講師の話。
つまらない。
けれど、つまらない話の研究にはなった。
どうしてつまらないか~文章なら3分で終わる話を、
永遠1時間ぐらいかけて話すからだ。
5分ぐらいで文章を読まされ、
その後のテストという形式の方が、
遥かに運転者の時間と公安の税金の節約になる。
もし、お年寄りなどのために
時間をかけて説明する必要があるというのなら、
この程度の話を文章で理解できない人が運転するほうが、
よっぽど危険だと思うから、やっぱり文章でやるべきだ。

新しい免許を受け取り、試験場を後にする。
なんだかやたら疲れた。
自分を出せない時間は、一番疲れる。

12月11日(火曜日)~12日(水曜日)

トピックなし。

地方講演の依頼を受ける。
主催者ではなく、
講演などをコーディネートする会社からの依頼だ。
するとこの会社、面白いことを聞く。
「板倉さんの講演報酬は、
主催者直接の値段と、我々のようなコーディネータ用の
値段の区別はないのですか」と。
たとえば、100万円(のわけはないが)の値段の場合、
主催者から直接依頼される場合は100万円。
コーディネーターを経由する場合には、
主催者へコーディネーターから100万円の請求で、
僕へは(たとえば)80万円の支払いということ。
つまり、グロス値段とネット値段の設定のことだが、
そんな設定あるわけない。
そもそも、WEBにて公開している講演申し込みを、
なんでわざわざコーディネーターが
申し込まなくてはいけないの?
そして、なんでわざわざその人たちの利益を
僕が考慮しなければいけないの?
古き悪しき中間マージン文化の遺産だな。

それを伝えると、彼はもっとおかしなことを言う。
「それじゃ、主催者がWEBを見つけたら、
値段がばれてしまいますね」だとさ。
あきれて言葉が出ない。

コーディネーターを否定しているわけではない。
彼らがコーディネーターとしてそれなりのバリューを
クライアントに提供できるなら、
僕の講演料から利益を得るのではなく、
彼ら自身のそのバリューを主催者に請求すればよい。
それがだめなら、つまり主催者がコーディネーションに
対価を払わないのなら、
コーディネーションの価値がないということだ。
すなわちコーディネーションなどやめたほうが良い。

それまで特別な価値を生んでいなくても、
代理機能は利益を出すことができた。
しかし、ネットの普及と規制撤廃のおかげで、
代理機能そのものの価値がなければ、
もはや利益を生み出すことはできなくなったのだ。

21世紀は、情報と取引が直接化する世紀。
金融も間接金融(銀行などの融資)から
直接金融(増資や社債発行など)へ移行する。
中継ぎだけの生産性のない商社などは消滅し、
商品価値を生み出す組織と組織が、
直接の取引を始める。
そんなの、当たり前なのだ。

「誰かを知っている」そんなことで利益を出したいのなら、
さっさと中国へでも行ってくれ。

12月13日(木曜日)

10時、鳥取の足立慶氏来社~ビジネスミーティング。

13時、日経BP社、柳瀬博一氏来社。
春の出版物打ち合わせ。
僕の原稿を読んだ柳瀬氏曰く、
「板倉さんホント文章うまくなったねぇ」と。
誉め言葉かと思ったが、
実は文章校正を僕にやらせるつもりの策(笑)。
「社長失格」では、僕のへたくそ文章の多くに、
彼が修正を入れてくれた。
ところが、今後は自分でやってくれということだ。
まあ仕方ない。

16時、GAZOOBAという会社をシリコンバレーで立ち上げ、
その後、同名の著書(インプレス出版)を出版した
石橋禅太郎氏来社。
シリコンバレーと東京を行ったり来たりの
起業家である彼は、僕同様飽きっぽい性格。
なので、企業ではなく起業が向いているという話、
が、なぜか女性の話になり、
この部分でも価値観の一致を見る。

この日彼は、なぜかオベーションギターを持っていた。
いったい何をするのかと思ったら、
バンドの練習があるという。
で、どんなジャンルなのかと聞くと、すかさず彼は答える。
「ビジネスです。」(?)
ジャズでもロックでもなく、「ビジネス」だという。
でも、ホントにビジネスなんだそうだ。
ビジネスについて音楽に乗せた詩を披露するらしい。
う~ん、あまり興味ない~ごめん。

20時、MU嬢とデートのため、久しぶりの麻布十番は
ステーキハウス「一位」~久々の「牛肉」。
誰もが心配しているけど、全頭検査していない以前より、
安全だと思うけどなぁ。
それに、牛を素材するものを徹底的に排除するなんて、
基本的にできないよ。
たとえば、薬品のカプセルなんて、
ほとんど牛のゼラチンだしね。
まぁ、そんなこと人の勝手だけどさ。

23時、MU嬢をお行儀よく自宅に送る。

12月14日(木曜日)

11時、当社投資先NA社の定例取締役会。

13時、ホテル日航東京の「スパ然」。
最近、体脂肪も体重も安定している。

20時、42号以来久々のNK嬢とデートのため、
彼女を彼女の自宅近くでピックアップ。
そして久々の新橋は「第三春美」。
彼女32歳の誕生日。

残念なことに今日は、「かわはぎ」が無い。
それでも、「ゆで蛸」、「さより」がおいしかった。

NK嬢、彼女は人にあまり気を使わせないタイプ。
そして、議論と喧嘩の区別のつく女性。
彼女と会うと、いつも議論をする。
特に恋愛についてね。
それって、他人事象に置き換えた恋愛なのかしら?

自宅にて、「映画鑑賞」しながら「柔道」。

12月15日(土曜日)

16時、「クラブ一期一会」パーティー。
今回の会場は、赤坂TBS前のイタリアンレストラン
「ブラッセリー・カフェグレース」の貸切。

なぜかフジモリ(元)ペルー大統領の姿。
ビックらこいて、とりあえず挨拶と握手をしたら、
なんだか気さくそうな優しい紳士。
どうやら、現東京大学工学部学生植島カンクロウが
どこかのパーティーで知り合って、招待したらしい。
こういうところは、カンクロウ、評価できるのだが、
彼は、その先が続かない~もったいない。

20時過ぎ、お食事会のため、
青山は和風レストラン「茶々」。

女性陣は2001年ミス早稲田の志水啓子女史をはじめ、
ショーモデル、イベコンなど4名。
男性人は、いつものお食事会パイレーツ。
電通NB氏、三菱商事フェロモン君、起業家赤石太郎氏、
それに僕。

23時、お食事会を後にして、
起業家・浦上氏の誘いに乗って、麻布十番は
クラブディスコ「プラネタブルー」。

いつものように盛り上がって、
いつものように夜は更けてゆく。

ああもうすぐクリスマス。
そういえば、最近遊んでくれる女性が減った。
毎年のことだが、この時期、女性は遊んでくれない。
彼女たちは、お目当ての男性に
「踏み絵」をさせるために必死なようだ。
彼女たちにとって僕は、「絵」を踏ませるまでも無く、
赤身の魚よろしく、夜の海を回遊するだけ。
「絵」を踏むわけないよね。

でもね、真剣な恋愛が恋しくなった。
一人にするという意味ではなくて、恋に恋しているらしい。
笑っちゃいます。へへ。
2匹の犬に恋しているから、だめなのね。
なんちゃって。
以上。

板倉 雄一郎
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